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クルミットです♪
姽嫿城襲撃は、晩媚と長安の尽力でなんとか収束できたようですが、このことで姹蘿の株は暴落、そして若様の姽嫿城での存在感がぐんと増してきました。個人的な恨みの仕返しだけを考えて城主の座に君臨してきた姹蘿と、天下泰平への野心のために着々と布石を打ってきた若様とでは、次第に差がついてくるのは必然だと思われます。
前回の方歌に限らず、沈墨、韓修、秦雨桑と散発的に晩媚に課せられてきた任務における若様の意図が、今回の黄喩の登場でようやく見えてきます。そんな遠回しに余計な人を殺さずとも、本丸をズバッと攻めればいいのに、と思わなくもないのですが…
若様や晋王の謀略に振り回される晩媚たちの明日はどっちだ?晩媚はとうとう自分の将来について重い決断を下しますよ♪
【晩媚と影】(ネタバレあり)
28話「差し伸べられた手」
正義山荘の荘主・黄喩は、大勢の弟子を抱える高名な人物だったが、正義山荘をやりくりするのに金に困っていて、方歌に多額の借金をしていた。さらに江湖の盟主を決める武術大会を開くのに食費がかかり、妻の実家にも頼るような状況で、妻に頭が上がらない。
対象:正義山荘の荘主・黄喩 38歳
目的:方歌と敵対させること
攻略難度:★★★
そんな黄喩のもとに方歌からの使いを名乗って長安が訪れる。そして晩媚も隣村の者と偽って、衣が破れたから針と糸を借りると言って黄喩の屋敷に入り込む。
方歌が借金の棒引きで懐柔しようとした黄喩は、こんな事情の持ち主だったんですね
長安は方歌の使いと偽り、黄喩から高額の利息を取り立てようとする。猶予を与える代わりに武術大会で方歌の再選に支持をと持ち掛けるが、正義を標榜する黄喩は激怒する。長安は断られた場合の方歌からの伝言として「優れた者は大局を見極める」と言い残して退出する。
晩媚は黄喩の弟子・三十六(36番目の弟子)に薬を使い、黄喩の情報を聞き出す。黄喩は亀息功という技を使い、毎日裏庭で鍛錬する時にひとりになるのだという。そこに長安がやってきて話すうちに、晩媚は秦雨桑の件もあり、任務に色々感じている疑問を話す。李嗣源が方歌を盟主からおろして黄喩を据えようとしているのは、方歌が盟主では江湖が平穏で争いがないため、武術界に不満が溜まっているせいだと長安は晩媚に説明する。
平穏に運営していたから盟主おろしを画策される、っていうのもなかなか理不尽な…
李嗣源の目的は、武術界と血蓮教を争わせることだった。月影に血蓮教の組織の内情を把握させ、方歌が武術界を退いたら手のものを信者に紛れ込ませるつもりだった。
その計画の一端を担う晩媚は、紅魔傘を手に黄喩の前に現れ、「優れた者は大局を見極める」と長安と同じ言葉を口にする。それを聞いて怒った黄喩は晩媚と斬り合いになるが、長安が助けて黄喩を刺す。晩媚は人影に気付き、外に聞こえるように「血蓮教との約束を果たせたと方盟主に伝えて」と叫ぶ。それを聞いて弟子たちが駆け付け、長安はその場から逃げるが、晩媚は策の一環だとして捕まる。逃げた長安が李嗣源の元へ向かうと、李嗣源の様子がおかしい。月影が慌てて薬を飲ませて回復するが、血蓮教を倒すまでは死なないと強がる…
自分で直接手を下さず、武術界に血蓮教を潰させ、争わせついでに色々利権も取り上げるとか、若様かなりやることえげつないですね。さすが越太傅のDNAを継ぐものです~
正義山荘での武術大会の日。方歌が江湖の英雄たちに挨拶するが、秦雨桑の一件もあり皆態度が冷ややかだ。韓修の弟の韓玥の姿もあり、方歌はただならぬものを感じる。そこに黄喩の弟子が晩媚を連れてきて、「師匠はこの血蓮教の妖女に襲われて、傷を負った」と言う。晩媚を見た韓玥も、沈墨と兄を殺した下手人だといきりたつ。しかし黄喩の弟子たちはその黒幕が方歌だと指弾する。韓家の商いを横取りするために秦雨桑、沈墨、韓修まで殺したと疑われた方歌は、晩媚に盈盈への心配も全て嘘だったのかと問い詰めるが晩媚は答えない。そこに月影が現れ、「七歩銀魂」の毒を撒いて一同に動くなと命じるが、それを疑った韓玥が七歩歩いて倒れて絶命する。それを見て一同が動揺する中、月影が晩媚を連れて逃げ、方歌はそれを追いかける…
方歌は7歩以上で追いかけているじゃない?とか突っ込んでしまいますが、それはそれ
韓玥を無駄に殺したと晩媚は怒り、月影は江湖の者を怒らせるには血を見せなくてはと返して言い争う。そこに長安が「これから若様が方歌と戦う」と止める。三人は李嗣源と方歌の息詰まる攻防を見ていたが、長安が月影のツボを突いて動けなくして「逃げるなら今しかない」と晩媚に手を差し出す。晩媚はほほ笑んでそれに応え、二人はまず姽嫿城へ向かう。
長安の絶妙なタイミングでの大脱走!月影はいつもこんな目に遭ってかわいそうです~
方歌を追い詰めた李嗣源は、方歌の手腕を認め「私と組んで太平の世を築かないか」と誘う。そして二杯の酒を用意し、片方は姽嫿城の蠱虫入りだが、飲めば仲間となり盟主として君臨できるが、もう一方は劇薬入りだという。方歌は李嗣源と組んで犬に成り下がることを拒み、劇薬入りの方を飲み干すが、無事だった。実は蠱虫入りと言った方が劇薬入りだったのだ。方歌を帰した後、李嗣源は月影を呼ぶが、月影はその声に応えない…
方歌が若様と組んだら強力なことに…方歌にとってどちらが良かったのでしょうね…
29話「芽生えた野心」
晩媚と長安は月影を封じて脱走を図るが、その前に姽嫿城でやることがあるからと姽嫿城へ向かう。しかし途中で刑風が現れ、方歌の妹・盈盈のもとへ晩香が任務を帯びて向かったと聞かされ、晩媚と長安は盈盈を救いに急ぐ。
姹蘿が媚薬を仕込んだ衣服を着た盈盈に、妓楼の女将から買った女を探しに来た二人の男たちが襲い掛かる。急いで晩媚が駆け付けたものの盈盈は汚され、怒りに燃えた晩媚は男を殺すがもう一人は長安に止められ取り逃がす。そこに盈盈を探しにきた方歌は、まだ息のある盈盈を医者に連れて行こうとするが、黄喩と弟子たちに取り囲まれる。盈盈を襲ったのは黄喩の息子たちだったのだ。
盈盈はなんて酷いことに。姹蘿は何を考えて、なぜそんな余計な介入をしたのやら…
事情を説明し、まだ息のある盈盈を医者に連れていきたいと方歌は懇願するが、黄喩は息子たちがそんなことをするとは信じられず、方歌の策略で殺されたのだと聞き入れない。晩媚と長安に逃がしてもらった方歌は、盈盈を診せるための医者を探すが、すでに虫の息だった盈盈は、売られた時からの記憶を取り戻して息を引き取る。追いついた晩媚に方歌は怒りをぶつけるが、体を張って長安が庇ったのを見て「姽嫿城は化け物の巣窟と思っていたが、そこにも愛や忠義があるのか」と言い捨てて去っていく。
方歌が秦雨桑を騙したと言っても本人はそれで納得していたし、方歌がここまで陥れられるほどの悪いことをしたわけでもないのに。何か納得のいかないものがあります…
晩媚と長安は李嗣源の前に戻るが、二人で逃げたことについて、長安は「晩媚は善良で姽嫿城に適さぬゆえ連れていく」と言う。そこで李嗣源は晩媚の前で無字詔を見せて長安の秘密をほのめかす。長安は唐王朝再興の秘密を明かし、李嗣源と自分の共通の敵である越太傅を倒すために手を組むことを提案する。そして長安は晩媚を自由の身にと申し入れるが、晩媚は自分の無力さから引き起こされたことを思い、姽嫿城に戻って城主になると決心する…
盈盈のことがなくて無事に逃げられていたら、晩媚は長安と幸せになれたでしょうか…
越太傅は晋王に禁軍を無断で動かしたことを謝罪するが、晋王は特に咎めない。しかしそこに李嗣源を呼び、これみよがしに親しさを見せつける。しかも姽嫿城を朝廷のために働かせよと蓮の令牌を李嗣源に与え、広く兵権を認めることを越太傅の前で宣言する。
一方、方歌を廃して新しい盟主の座に就いた黄喩は、晩媚に殺された二人の息子の葬儀を執り行い、仇討ちを誓った。黄喩は武術界を率いて血蓮教団討伐の兵を挙げ、分団を一掃後、南彊の総本山をも滅ぼした。天祐19年春、越軽崖が心血を注いできた血蓮教は江湖から姿を消すことになる…
晋王って、残虐だけど無能ではないのですよね。仕えるのに相当難しい君主ですよね~
姽嫿城に戻った晩媚は、働きを認められて「天殺」に昇格する。彼岸殿で月影から与えられた衣に、城主にしか認められない「地涌金蓮」の模様が入っていたことを姹蘿は咎めるが、月影に掟は変えられると突っぱねられ、姽嫿城の先人が残した彼岸殿の灯籠を「これが道を照らす意味はない」と消して去ろうとする。その時、晩媚が蛍蠱を操って辺りを照らし、「姽嫿城の未来は明るい、城主を全力で支えます」と宣言する。
なぜ彼岸殿?と思ったのですが、蛍蠱を使いたかったのと、既に姽嫿城襲撃以来、姹蘿のいる場所が姽嫿城の玉座を意味しなくなっている、という意味があるのかもしれません
天殺になってからも晩媚は天殺院に移らず、媚殺院で生活していた。晩媚が天殺院に移れば誰かが出ることになるからだ。そして晩媚は刑風から、長安が噬心蠱を入れていることを聞いていた。近づくと心臓をかじる痛みが走るというので、晩媚は長安から遠ざかろうとするが、逆に長安は晩媚を抱きしめ、「噬心蠱のおかげで、あなたといる記憶を胸に刻むことができる」と、残り少ない二人の時をかみしめる。しかし、その様子を媚殺院に忍んできていた月影が覗き見ていることに気付く。
長安は…晩媚のすべてを受け止める、本当にいい男ですよね…理想の影ですよね~!
姹蘿は李嗣源に、盈盈の件は若様のため、と言い訳をする。しかし李嗣源は「妹を失った方歌は姽嫿城を許さない」と、姹蘿を突き放す。
長安は李嗣源を訪れ、月影が見ていたことを報告し、隠し事を明かすように詰め寄る。そこで李嗣源は九命のことを説明する。李嗣源は晩媚を守ろうとする長安を揶揄するが、長安は「晩媚が必要とすれば守るし、羽ばたきたいと願えば力になる」と返し、火花を散らす。
長安が返った後、李嗣源は月影の止めるのも聞かず劇薬の「火狐」を飲む。これで一時的には回復するがひと月ももたないため、李嗣源は月影に九命の事は忘れよと言う。そこまでして晩媚を守ろうとするのを見て「晩媚の心の中には若様はいないのに」と涙する月影に、李嗣源は悲し気に微笑むのだった…
月影にはあんな微笑みを見せるのに、若様の心には月影はかけらも存在していない…
30話「夜空に散る花火」
姹蘿は宴を催して、桂花酒をふるまう。そこで晩媚は「姽嫿城のため命を捧げた者の御霊を慰めよう」と言い、流光の提案で皆が酒を撒くことに。姹蘿は晩媚が目立ち始めたことが気に障り、襲撃で減ってしまった人材を晩媚の故郷である江城で集めようと言い出す。しかし江城は洪水で全滅したのだという。それを知らなかった晩媚は動揺し、家族の夢を見てうなされる。長安の慰めも耳に入らず、晩媚は神隠剣法・天光尽の習得を焦って修練しようとするが、それは絶望の極みを知った者しか操れないもので、恨みで稽古しても無駄だと長安はなだめる。晩媚と長安は寄り添い、こうしている時間はあと少ししか残されていないことを感じながら、一生こうしていられたらと願う。
姹蘿の器の小ささが際立ちます。あの小さな弟まで犠牲になっていたら悲しいですね…
越太傅は晋王に謁見を求めて跪き続けていたが、拒み続けていた晋王がようやく謁見を許す。そこで晋王は越太傅に血蓮教滅亡の勅書を手渡す。国教である血蓮教を滅ぼすべきではないと訴える越太傅だが、聞き入れられず、勅書を破り捨てて剣を抜き、自らの胸を刺して生き残った信者を守りたいと訴える。しかし晋王は、越太傅が都を離れるのを許さず、三刻考える時間を与え、三刻後は君臣の縁は切れると言い渡す。絶望の中、越太傅は正殿を出ていくが、彼が見たものは街中に貼られた血蓮教弾劾の布告だった…
晋王えげつない…越太傅と血蓮教を切り捨てても損はないという計算がありありと…
姹蘿と李嗣源の対立の表面化に不安を覚えた流光は、話があると聴竹院を訪ねる。しかし自分の話を切り出す前に、李嗣源から姹如の雑用係だった流光の過去と、姹如の供養を欠かさないことを指摘される。姹如は流光にとって武術を仕込んで見出してくれた恩人だったのだ。そこで李嗣源は、死んだとされている姹如が今も生きており、刑堂の密室で姹蘿の蠱虫を育てる蠱器にされていることを告げ、「姹蘿に気を付けないと、いずれそなたもそうなる」と警告する。
流光が情に厚いタイプだと読んだ若様は、一番効果的な部分を攻めてきましたね…
謝瑩(阮娘)が晩媚に会いたいとやってきたため、晩媚は外に呼び出される。謝瑩は謝歓(長安)から身を引くように言ってきた。愛しているから離れないと突っぱねた晩媚だったが、太平公主の子孫としての使命を果たす彼は生きる道が違う、手放さなければ卑しい影のままだと土下座までして懇願する謝瑩の姿に、晩媚の心は揺れる。
媚殺院に戻った晩媚は、長安に麺を作るよう命じながら、そのまま聴竹院に行ってしまう。晩媚は李嗣源に「別れません」と言いながらも、高貴な生まれなのに自分のせいで耐えさせるなんてと決断を下せない。李嗣源は「終わらせることで始まることも」と言う…
別れないと宣言しておきながら、若様と阮娘にうまいこと誘導されてしまった晩媚~!
晩媚は長安に、謝瑩から預かった伝言「三日以内に出てこなければ、姽嫿城に押し入ってあなたの前で死ぬ」を伝える。晩媚は長安を思い出の崖に誘う。長安には使命があり、それを果たせば人々が救われるからと、晩媚は別れを切り出す。晩媚の影である長安はそれを受け入れるしかない。姹蘿の挑発には乗るな、一人で闘わず若様を頼れと言い残して長安は立ち去っていく…
刑風も長安も、優秀で愛される影ほど主の決定には決して逆らわないから哀しい…
姽嫿城を去る長安は、晩媚のために花火を打ち上げる。それを見上げる晩媚は、慟哭のほとばしるままに剣をふるう。それは絶望の極みを知った者にしか操れない神隠剣法・天光尽を晩媚が完成させた瞬間だった…
長安の実父だった人は花火職人だったので、花火で素の気持ちを現したのでしょうか…
28~30話の感想
字幕翻訳の方が書きわけておられるのでしょうか、29話途中辺りから、長安が若様に対してタメ口になっていますよね。いうなれば「ぶっちゃけてる」感じといいますか。男同士で対等目線になっているのを字幕で表現している感じでしょうか。長安と若様は姽嫿城内ポジションで言ったら、トップと底辺ですが、晩媚をめぐる男の戦いでいえば、長安の方がぶっちぎりで先行しています。 …なのに、そのレース中に晩媚から棄権を宣告されてしまった形の長安… もう二度と二人が同じ道を歩むことはないのでしょうか。あの時逃げていれば、刑風が来なければ…とはいっても、うまくはいきませんね~。
かといって、長安が棄権したから若様にチャンスがあるかというと、全然あるようには思えません。若様は自分も恋愛下手なのに、長安や晩媚に「恋愛かくあるべし」みたいな上から目線でものを言いますが、一番男女や恋愛の何たるかをわかっていないのは若様のように思えます。若様の場合、大局と局所の区別がなくて、大局から漏れる部分の気配りが万事雑なのですよね…。月影を大事にしないところとか、惚れた女を取引のツールに使うところとか。そういうやつぁ、どんなに顔がよくてもモテないと思うのですよ、要するに若様は究極のマザコンですし!
そのマザコン若様に課せられた母の呪い、「血蓮教の滅亡」が達成されました。
もっとガチな戦いがあるのかと思ったら、遠回しに血蓮教に対して敵対するように武林を煽って、遠隔操作で潰すというかなり手の込んだやり方で滅ぼしていました。越太傅はラスボスとしてもっと粘ってくると思ったのですが、あっさり倒れてしまいましたね。まだ復活の目はあるのでしょうか。
結局、若様が天下泰平の大義を為すための最後の敵は晋王ということになるのか、それとも長安率いる唐朝レジスタンスとのバトルになるのか…残りが少なくなってきたので、どういう形で終わりに導かれるのかそろそろ気になってくるところです。
個人的には… 月影と流光には幸せなラストを迎えてほしいですね…
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