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クルミットです♪
子律の謀反と桓宓との婚儀は、王儇の才覚と蕭綦の戦力で阻止することができましたが、皇帝の急な崩御で皇宮はまたもや混乱の渦中に。王藺は皇太子を拘束し、この機に乗じて帝位を手中にしようと、王儇に託された遺詔の内容を知っても抵抗を止めません。
立て続けに起こる謀反で国が揺れる中、王儇は最もつらい一日を経験することになり、深く心を傷つけることになります。そんな中、皇帝一家の家庭問題はじわりと国を傾けますが、王藺が不在となる朝廷の向かう先はどこなのか、しばらくはドタバタとしそうな気配です。
【上陽賦(じょうようふ)】(ネタバレあり)
第31話「3つの命」
長公主は王藺を説得するものの聞き入れられず、今日限り夫婦の縁を切ると宣言し、自死して身をもって王藺の反乱を阻止する。それを見た王儇は衝撃で倒れるが、抱きとめた蕭綦は王儇が出血していることに気付く。子隆は父帝に認められた喜びにむせび泣く。
子隆は父に認められたわけではないと思いますよ…
王儇の容体は予断を許さず、蕭綦はただ待つしかできずにいた。一方王皇后は遺言書を手に子隆の即位を喜びつつ、夫が遺言書の内容を伏せたのは自分にさらに罪を重ねさせようとしたのかと、そこまで疎んじられた夫婦仲を嘆く。
むしろ妻にこれ以上罪を重ねさせないため、己の手で終わらせようとしていたのに
胤暦二年九月、成宗皇帝崩御の葬儀が行われ、多くの民がその死を悼んだ。そして十月五日、新皇帝の即位式が挙行された。新帝となった子隆は、豫章王蕭綦に国政の補佐を命じ、温宗慎を復職させた。皇后は皇太后となり、皇太子妃・謝宛如は皇后に封じられた。
謝皇后誕生で、王氏の皇后はここで終了でしょうか? いや、まだわかりませんよね♪
皇帝崩御の混乱の日、王儇は母と我が子を同時に失うことに。蕭綦は長公主を守れなかったことを悔やみ、墓前で生涯阿嫵を守り抜くと誓う。先帝の死因について詮索されぬよう、蕭綦に式乾殿の太医と侍女を処分するよう密命が下っていた。王藺は三日後処刑されることになり、蕭綦は会いに行くよう勧めるが、王儇は床に臥せってしまう。
子も母も父も一度に失ったら、王儇の心が耐えられないのではないでしょうか…
皇太后が勝手に王藺についての調査を中止させたことで、皇帝子隆は自分が発言権を持つべきだと反発する。皇太后は恩人である蕭綦ですら信じるなと言いつつも、蕭綦に褒美を授けるなら免死金牌(一度だけ死罪を免除する札)はどうかと提案する。
その頃、皇后宛如は懐妊がわかり、謝氏の念願が叶うことと、王儇の流産を聞いて喜ぶ。宛如の懐妊の報告に子隆は大喜びするが、皇太后は祝福しつつ後宮の差配を取り上げる。
子隆、いきなり髭生えてますね♪ 後宮バトルはこれからが本番でしょうか
皇太后は、斬首刑の詔が下された牢の王藺を晩餐に招く。敗者となった兄と勝者となった妹は、互いの裏切りを非難し合いつつ別れの杯を交わす。家族のすべてから背を向けられた兄への最後の恩情として、皇太后は牢内で好きにさせるよう命じる。
かつては協力関係にあったはずの兄妹が、最も遠い立場になってしまったようです
子隆は皇太后により、安静の名目で宛如のもとへの出入りを自重させられる。宛如は皇太后の言いなりの夫に対して苛立ちを感じるが、王氏の女には負けないと闘志を燃やす。
優しいだけのマザコン夫、嫁いびりのマウント姑、最悪ですね♪
皇太后は蕭綦に免死金牌を与えれば王藺を救うことになり、そのことで王儇と蕭綦を仲違いさせようと考える。しかし皇太后は王藺を生かすつもりもない。
王夙は王儇を見舞い、蕭綦の力で父の命を助けてくれと懇願する。王儇が沈黙で拒否したため、王夙は自分で父を助けに行くと言い出す…
皇太后は蕭綦と王儇の夫婦仲の良さを把握できていないようですが、それで大丈夫?
第32話「親子の情」
王夙は自分で父を助けに行くと最後の別れを告げて出ていく。父への恨みと情が絡み合って葛藤した王儇は、意を決し牢の王藺に会いに行く。王儇は父の姿に思い出がこみ上げ会わずに戻る。王夙は跪いて訴えるが、皇太后は会いたくないと追い返す。
拗れに拗れた父娘の関係ですが、やはり許すのはいい思い出の積み重ねのせいですね
王儇は戻らない蕭綦を待って、軍営に「必ず戻って」と使いを出すが、蕭綦の姿は軍営になない。そして処刑当日、王藺が詔獄を出ると、そこには蕭綦と馬車が待っていた。王儇がたまらず刑場に駆け付けると、王夙が中に入れろと騒いでいた。二人は父に会うことができないまま、執行が行われようとする…
蕭綦は皇太后の意図をわかっていても、王藺を救わないわけにはいかないわけで…
蕭綦は王藺を刑場ではなく郊外に連れ出す。王藺は免死金牌で救われたのだと知り感謝するが、子供たちには会わずに旅立つと言う。そこに王儇と王夙が到着するが、王藺は馬車を追いかける娘に心を残しつつも、そのまま去っていく。
王儇は蕭綦に感謝するが、蕭綦は王儇の父を放っておけず、王儇もまた父である以上助けずにはいられなかった。王藺の出立を聞いた皇太后は、豫章王夫妻の仲が思った以上に深いことに驚くが、辺境で王藺を確実に始末するよう命じる。
親子と夫婦の情の前に企みは不発でしたが、皇太后は本気で兄を殺すつもりですね?
王儇を診た太医によると、寧朔で負った怪我が回復しておらず、そこに心身の疲労と流産が重なって、今後の懐妊は王儇が危険に陥る恐れがあり、蕭綦はつらい決断を迫られる。
賀蘭箴と落下した時に負った怪我の影響がこんな形で…
子澹が自ら進んで皇帝陵の墓守を志願したため、宛如は激怒する。子澹はむしろ皇太后の脅威から逃れるためだと言うが、子澹の心中には、王儇への強い執着が消えていない。
昼夜を問わず公務に追われる子隆に、宛如は「適任者を推薦して陛下を手助けしたい」と、謝氏の謝守正を推薦する。子隆は喜んでその者に官位を与えることに。
じわじわと謝氏の復権の気配が忍び寄っていますね。でも子澹は子澹ですけどね~
皇太后は、もうじき生まれる宛如の子供が公主ならいいが、万が一皇子ならと、皇太后は妊娠中に手を打たねばと思う。そして琅琊王氏の中から相応しい女を選ぶよう指示する。
手を打つ、って何をする気なのでしょう。多分毒かな?毒ですよね…
心身の不調が続いたため、王儇は療養のため慈安寺に移るが、寺に残る母の痕跡に安定を取り戻し、世話をする徐女官の目を盗んで薬を捨てては叱られていた。
宋懷恩は蕭綦が悩みを抱いてるのに気づきながらも、「豫章王が朝廷を牛耳って皇帝を操っている」「王妃との夫婦仲は終わっていてじきに廃妃する」との噂を耳に入れる。しかし蕭綦は、帰京して噂を自分の力で否定するのだと強気に笑う。
慈安寺に別居していたら、王藺と長公主と同じ関係性だと勘繰られますよね
北の辺境の館、深夜に刺客が侵入し、王藺に襲い掛かろうとしていた…
これが皇太后の刺客でしょうか?
第33話「喜びと不安のはざま」
深夜に王藺は刺客に襲われるが、王氏の護衛兵が撃退する。襲撃は予想していたことだが、別のところに移動することに。
王氏の護衛兵は生き残っていたのですね。彼らはいつも有能ですね♪
王儇は慈安寺に来て三ヶ月になっていた。そこに宋懷恩が蕭綦の使いで慈安寺を訪れ、皇帝陵に子澹を送る途中なのだという。玉秀は宋懷恩と会えて浮かれるが、錦児は子澹が姿を見せないことに落胆する。蕭綦にはいたわりが必要だと宋懷恩から聞いた王儇は、皇帝陵に植えた蘭の世話を宋懷恩に頼み、明日屋敷に戻ろうと決意する。
玉秀は子澹を見知っているのに「宋将軍より素敵な人大王」と言い切っているわけで…
王藺に刺客を差し向けたのは皇太后だけではなく、宛如や他の者も送っており、互いに怪我を負って失敗していた。皇太后にも失敗の知らせが届き、護衛は豫章王の部下ではないかという報告に、皇太后は王藺の残党ではと推測し、1ヶ月以内に始末するよう命じる。
皇太后と宛如と、あとは誰でしょうか。王藺、恨まれすぎじゃないですか?
玉秀たちはようやく寺から帰れると大喜び。しかしその頃、豫章王府は赤い布で飾られて婚姻の準備が行われ、招待客は誰が豫章王と結婚するのかと囁き合う。帰宅した王儇一行は屋敷を見て、側室を迎えるのかと徐女官が激怒するが、王儇は堂々と入っていく。
徐女官がまぜっかえすと、うまくいく話が大抵ぶち壊される法則、あると思います
王儇が入っていくと、花婿姿の蕭綦が待ち構えていた。一同が固唾をのむ中、蕭綦は王儇の手を取って祭壇へと進み、人々を前にかつて初夜に花嫁を置き去りにした過ちを語り、王儇への償いのために勝手に宴を開いたのだと説明する。そして自分の生涯において女人は王儇ただ一人だと宣言する。
蕭綦は意外とサプライズ好きですよね! 完璧すぎて文句がつけられない♪
皇太后は、豫章王の婚儀の経緯を聞いて、蕭綦は姻族になろうと群がる士族たちを牽制して追い払ったのだと感心する。王儇は、王藺が失脚して罪人の娘となった今、立場が危うくなり、愛を信じられなくなっていた。蕭綦はそんな王儇の不安を全て受け止めようとする。
ここまで誠実な旦那様を信じられないとか言ったら、罰が当たりますよね!
王藺の泊まっている民家にまたもや刺客が襲い掛かるが、それは王藺ではなく青雲道士だった。青雲道士は返り討ちにあった刺客の屍に王藺の玉佩を置き、民家に火をつける。
青雲道士は宮中動乱の後、王藺に付き従ってここまで来ていたのですね
皇太后は琅琊王氏の子女から王儇に似た若い女子を選んで皇都に連れてこさせる。そして複数の大臣から「側室を置くべき」という上奏が上げられ、温丞相は反対するが、顧閔汶(顧太傅の孫)ら大多数は賛成する。そこに忽蘭王から即位を祝し使者を送りたいとの文が送られ、皇帝子隆は喜ぶが、蕭綦は不安を飲み込む。
顧太傅の孫がこんなに大きいとは!顧閔汶のアイコンタクトが気になりますね~
王藺とみられる焼死体の検分を行った将軍は、判断がつかずに困惑するが、部下が王藺の玉佩を差し出して唆したため、村が全滅したことにしてさらに焼き討ちをしてごまかす。
こういうお役人の手抜きを見越しての焼死演出計画ですよね~
王夙からの伝言で、叔母とその娘・王倩が琅琊から上京したというので、王儇は実家に帰ることに。側室について決めかねている皇帝の態度に、皇太后は自分が道を示さねばと考える。皇后宛如は皇太后の企みに激怒するが、お腹の子のために懸命にこらえる。
そういえば王夙は、王藺失脚後何か朝廷の職を与えられたりはしていないのかな?
31~33話の感想
皇帝馬曜崩御の後の混乱が収束して新帝・馬子隆が誕生し、前半を通しての三皇子の後継者争いは一つの区切りとなりました。一見平和が訪れたようですが、騒動によってついた傷の深さは思った以上のダメージだったようです。
そして王儇は立て続けに大事な人を失い「自分は何者なのか」という問題に直面します。
「王氏の女」という縛りは王儇にとっても重いものだったようで、堅固に思えた夫婦仲すら揺らぐ事態に。いや夫婦仲がよかったからこそ、余計に傷が深かったのかもしれません。
長公主や皇太后は夫婦仲を諦めていたから、実家に自らの立ち位置を決めていたわけで… そしてここまで「王氏の女」としてブレない姿勢を貫いてきた皇太后ですが、とうとう王藺すら排除して、自分が頂点に立ってしまいました。彼女はさらにもうひとり「王氏の女」を呼び寄せようとしていますが、それが今後台風の目となっていくのでしょうか?
それにしても妻の心の傷を癒すために、婚儀をもう一度やり直し、生涯唯一の女宣言までしてみせるとか、裏に政治的思惑が絡んでいるとしても、蕭綦が完璧すぎて何も言えなくなりますね♪ あんな完璧な婿が娘を支えてくれるのだから、王藺も安心して逃亡生活に入れるというものです。
王藺が逃げ、子澹も皇帝陵に潜伏状態に入って敵が消え、一見子隆の治世は安定に入ったようですが、これまで表面化していた問題が見えなくなっただけのように思えます。もちろん子隆はそのことを全然わかっておらず、大臣たちもわかっていないふりで、皇太后のいいなりに側室問題なんぞにうつつを抜かす始末。
王藺という大きな柱を失った宮中で、人脈の基盤もないままあんな皇帝を支えないといけない蕭綦は本当に大変です。内に外に、本当の戦いはこれからかもしれません。
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