中国ドラマ-少林問道(しょうりんもんどう)-あらすじ-31話-32話-33話-の画像つきキャスト情報をネタばれありで!
キャスト情報など、最終回までの感想を全話配信します。
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クルミットです♪
前回は、命を張った無想の治療拒否を打開するため、とうとう明徳と無想の父子関係が明かされました。実の母である沈梅児=梅女将の命を賭した説得で、無想は明徳の治療を行うことになりました。
実はこの治療が、無想、剣雄、蓁蓁の三人にとっては第二のターニングポイントとなります。序盤の明徳の粛清によって、三人はそれぞれの人生が思ってもいなかった方向に投げ出されましたが、ここからは各自が人生の方向を自らで選択し、自分自身で舵を切っていくことに。一足早く自分の行く末に向かって歩き出していた楊秀もここで新しいスタートを切って、それぞれが少年時代に別れを告げていくのですね。
各自まだまだ修羅の道が続いて行きそうですが、大人の階段を上っていく三義兄弟と蓁蓁の成長を見守っていきましょう~♪
【少林問道】(ネタバレあり)
31話「それぞれの道」
薬局の首座の任を命じられ、無想は「師匠を押しのけ首座には就けない」と辞退する。しかし通山が、無想のおかげで家族の無事と自分の正道が守られたと強く推薦し、他の僧侶たちもそれに倣う。敗火は、無想には修行が足りず業が深いため、世俗から離れるためにも首座になるべきだと諭す。そこで無想は首座を引き受けることにする。
意外とあっさり…無想を寺に縛るために役目を与えるっていう判断は正しいのかどうか
無想は蓁蓁に「この先も少林寺に身を置く」と話す。蓁蓁は無想自身が明徳を殺さなかったことは理解しつつも、「自分が殺すのを阻んだことは一生忘れない」と言う。蓁蓁は袂に隠していた竹とんぼを折り捨て、梅艶楼に帰っていくしかない。
明徳も治療が終わったことで、「少林寺にはもう訪れることもない」とつぶやいていた。見送る敗火に「お前たちに息子まで奪われた、この世がどうなろうと私には何の関係もない」と言い捨てて、明徳は少林寺を去っていくのだった…
よかった、明徳は明徳のままでした。でも治療されてどことなくアクが抜けた感じが…
蓁蓁が梅艶楼に戻ると、女将の部屋には女将が飼っていた九官鳥と、女将と初めて出会った時の着物が残されていた。女将の死で、楼は何日も休業していたが、それにつけこもうと笑笑兄がやってきて使用人たちに絡む。それを見て蓁蓁は女将の着物をまとって笑笑兄に対峙し、かつて女将がしたように壺酒を一気に飲み干して、壺を笑笑兄に叩きつける。「十一娘がいる限り好きにはさせない!」と、女将として梅艶楼を引き継ぐ宣言をする…
あれ?笑笑兄生きていた?19話で偽銅人に必殺技決められて、今回名前が出てきたお料理上手の蘭蘭が、蓁蓁に「笑笑兄と従者が死んでいた」って言っていましたよ…
岡田たち倭寇は、剣雄の協力で明軍を倒し財宝を手にしていた。これまでは厳嵩が6割、残りが岡田という分け前の取り分だったが、剣雄が「ここには厳殿も明殿もいない」と裏切りを提案する。剣雄を監視している梁五にも、分け前によって裏切りをそそのかし、これで明徳に背いた裏の盟約が成立することになる。
今までは明徳がいないところでも何かと明徳の呪縛から逃れられなかった剣雄が、これで明徳からの「卒業」を果たすわけですね…
敗火から薬局を引継ぎされ、無想の首座としての生活が始まる。
しかし一朝一夕では消せない怨恨を内に溜めている様子から、発散のために少林寺の武を学ぶことを正因から勧められる。無想は復讐という目的を見失った今、武などどうでもいいという心境だったが、「武を学ぶ上で禅意も悟ってほしい」と言われ、銅人たちから少林の武を一から叩きこまれることに。
一方、楊秀は科挙に合格して、官吏に。蓁蓁は梅艶楼の新しい女将として、そして剣雄は洛陽の主になるべく、それぞれの道を歩み始めていた…
楊秀が科挙に合格していました!いつの間に!そして無想が正因から勧められて武を…無想の復讐心はとうとうそこまで昇華したのですね…
…それから三年の歳月が流れていた。
蓁蓁が梅女将の墓に参ると、墓前には無想が読経していた。二人は言葉を交わすこともなく、蓁蓁が女将に向かって語りかけるだけで、三年の月日で変わってしまったお互いをかみしめていた。
洛陽では干ばつによる飢饉が発生し、少林寺でも炊き出しや治療を行っていたが、洛陽を仕切る剣雄は食糧を災民には渡さず、批判する書生へのすさまじい弾圧を行っていた。それが皇帝の耳に入り、楊秀は徐階を伴って調査に来ると、無想に手紙を送っていた。
三年の歳月で、変わらないのは女将だけ… まさかこんな未来が訪れるとは…
徐階と楊秀の洛陽行きには明徳と梁五も同行していた。
明徳は剣雄について厳世蕃(厳嵩の息子)からきつく叱責されており、自分たちの破滅にもつながることから、調査に協力しつつ不正を隠滅するように命じられていた。そこで剣雄に文を届けさせたのに、一向に返事がなかった。明徳は剣雄に自分の抑えがきかなくなっていることに内心焦りを感じ始めていた。
一方、剣雄はもうすでに明徳に知られることを恐れず、「今引き返してしまえば、私は一生明徳の犬だ」という確信のもとに突き進んでいた…
剣雄をこんなになるまで放置するとか、明徳も耄碌した?というか多分、梁五が剣雄と裏取引して、明徳を裏切っているので以前ほどちゃんと情報が届いてないのですよね~
梅艶楼は蓁蓁の采配で大繁盛していた。そして梅艶楼は、岡田と剣雄たちの闇取引の場にもなっていた。剣雄が硝石を秘密裏に調達し、それを岡田に横流しして5万両を支払うという取引だったが、蓁蓁は客の「劉坊ちゃん」から通行証を取り付けたことから、3割の分け前を自分の分として岡田に毅然と要求する。蓁蓁はそんなしたたかさを三年の間に身に着けていたのだった…
蓁蓁怖い…この三年ですっかり「女将超え」を果たしたのではないでしょうか…
32話「動いた心」
蓁蓁の脅しに言い負かされ、岡田は取引をやめようとするが、剣雄は岡田に「徐階と洛陽に向かっている、取引を中断し、災民に食糧を配れ」と明徳が隠蔽を指示してきた手紙を見せる。岡田はそれを見て怒るが、剣雄は蓁蓁の要求分を肩代わりするから、その代わりに自分たちの取引を危うくしている徐階の殺害を岡田に依頼する。剣雄の計画だと同行している明徳も危険だが、剣雄は「死んでしまった時は仕方あるまい」と冷酷に考えていた。
さすがの蓁蓁も、その二人の計画に青ざめるのだった…
蓁蓁が金にはあざといけど、まだ殺しに青ざめるだけの善良さを持っていることにほっとしました。しかしヘンテコな日本語やめて~
蓁蓁と二人きりになった剣雄は、蓁蓁が岡田に要求した額の強気さをたしなめ、自分の金も蓁蓁の金も何の違いがある?と言うが、蓁蓁は「私とあなたは他人だもの」とはっきりと線を引き、身請けを望む剣雄に、女将が亡くなってからは蓁蓁自身が梅艶楼だから、身請けなど不可能と突っぱねる。劉坊ちゃんや岡田など、他の男に身を任せる蓁蓁に激しく嫉妬しながら、剣雄は蓁蓁を抱きしめるのだった…
蓁蓁が「この三割の額は、何度梅艶楼に身を売れば」と言っていましたが、かつて女将が蓁蓁の身請け代として10万両の値をつけましたね。この取引が5万両だから~
少林寺薬局には飢饉の災民が次々と運び込まれ、そして遺体となって運び出されていた。その状況に悩んだ無想だったが、敗火は無想の心が動いたことに気付く。それは徐階が洛陽に不正の調査にやってくるのにあたって、護衛が少ないので途中襲撃されるのではないかという心配だった。無想は下山して手を貸したいと考えるが、敗火は「目の前のことに尽力すれば迷いも消える」と答える。
一方蓁蓁は、災民のために食糧を売らないで、と剣雄に訴えるが、剣雄は「私が奪わずとも他の狼どもが食料を喰い尽くす」と聞き入れない。剣雄は「自分だけが君を助けられる」と言って出ていくが、その後、蓁蓁は部屋の中に隠してある仏像を拝んでいた。その仏像の前には竹とんぼが置かれていた…
剣雄は蓁蓁のために何かすでに壊れている感じがありますね。でも、蓁蓁の心までは永遠に手に入らない、そんな悲しさが…
少林寺にやってくる無想のもとに、蓁蓁が不調を訴えて訪れる。無想は脈を診て診察するが、蓁蓁と眼を合せることもせず、あくまでも僧侶として接する。剣雄へ「食糧を配れ」と伝言しようとするが、蓁蓁がそれに応えて「徐階さえ殺す男が、食糧を配ると思う?」と、三日後に剣雄が岡田に徐階を襲撃させることを告げる。救いたいのなら山を下りることだと言われ、無想は考え込む。
一方、徐階暗殺を命じられた岡田たちだったが、江龍は剣雄と蓁蓁の強欲さが自分たちに不利益になるのではと、徐階を殺す必要があるのか疑問に思っていた。しかし岡田は他に選択肢がないと言い、江龍の不満は残るのだった。
蓁蓁は冷徹な強欲女将ぶっていますが、まだ善良で純粋な部分がちゃんと残っているのですね。剣雄よりいざとなると頼りにするのは無想なんですよね…
梅艶楼では、韓副官が密かに岡田との取引の荷物を蔵に運びこんでいた。そこに「劉坊ちゃん」が、蓁蓁に依頼された通行証を持ってやってくる。蔵の中にある財宝につられてあれこれ見ているうちに、劉坊ちゃんは硝石を見つけてしまう。それがなんだか知られては困る蓁蓁は、劉坊ちゃんを突き飛ばして縄を手にする。
剣雄のもとにすぐにしらせが走り、剣雄が梅艶楼に駆けつけると、劉坊ちゃんの遺体のそばに呆然自失の蓁蓁がいた。しかし蓁蓁は「これで5割もらうわ」と言う…
蓁蓁が歌妓として最初に売られた別の妓楼にも、蓁蓁に執着して媚薬でいいなりにしようとした「劉坊ちゃま」がいましたが、あれは剣雄が殺したのでこれとは別人ですね
無想は迷い、夜に一人達磨洞の観海大師に向かって語りかけていた。出家して三年、蔵経閣の書を読み漁るほどにわからなくなっていて、衆生の大難を見過ごせない自分をどうすればよいのかと尋ねる。すると洞の中から観海大師の声が「無想、禅とはなんだ」と答えてきた。「この厄難を乗り越えてこそ、己の身を焼き生まれ変われるのだ」と…
この間正念が見た箱はボイスチェンジャーで、毎度敗火が答えているのでしょうか…
少林寺でも食糧は限界にきており、災民は略奪状態で、暴発寸前に。弱っている老婆から芋を奪う若者を見て、無想は返すように諭すが、若者はその場で貪り食い、喉に詰まらせて倒れる。無想は元の持ち主の老婆に芋を差し出すが、老婆に「病人を助けるために大師が食べてください」と言われ、その言葉で下山を決意する。
敗火は無想の下山の希望を聞き「ここに残ることも修行ではないか」と諭す。正念も正因も無想の考えを撤回させようとするが、無想の下山への決意は固い。しかし還俗して下山するには、条件として十八銅人陣を破って少林寺から出る必要があるのだった…
下山にはそんなに高いハードルが!確かにそういう条件を付けておけば、誰も下山しようとは言いださないわけですよね~。今まで成功した人は…いないか~
33話「禅とは」
無想の下山の意志は固く、正因らの説得にも「天下の民を救って、何の罪がある」と耳を貸さない。そこで正念は、明日辰の刻に銅人との対決を行うことを申し渡す。
無想の言い分に理があると思いつつも、無想無茶するなよって思ってしまいます…
洛陽到着を目前に明徳は、再三剣雄に食糧庫の開放を文で促すが、剣雄から無視されて焦りを感じていた。しかしそれを楊秀から「行程を剣雄に漏らして襲撃を計画しているのでは」と疑われてしまう。楊秀は「剣雄と明徳が倭寇と結託して硝石を密売」という告発の奏状を明徳に示し、捜査への協力を求めて圧力をかける。徐階の身に何かあったら自分たちが終わりだと理解した明徳は、目前の事態の解決と、そして剣雄の処分を考え始める…
楊秀には疑われ、剣雄には狙われ、厳世蕃からは絞られ…明徳最大のピンチです!
翌日辰の刻、下山の用意をした無想を前に、少林寺の僧侶たちと銅人たちが集められるが、敗火は薬局から出てこない。まず正因と対決することになるが、正因の攻撃に吹き飛ばされつつも無想は「この世の事物は世人では解せぬもの、ならば我らも各自のやり方で答えを見つければいい」と正因の技を見切ってみせる。正因はその心構えであれば、と手加減して無想の下山を許す。銅人たちは説得しながら対戦していくが、無想の決心は固く銅人たちを打ち倒していく。しかしこれ以上やれば無想が死んでしまう状態になり、残りの銅人たちは殺生となることを恐れて無想から手を引く。
正因、まさかの手加減オチ!そう来るとは思わなかったです~
それでも這って山門に向かっていこうとする無想の前に正念が立ちはだかり、「武ではなく禅で競う」と言う。正念は、空知禅師が観海大師から衣鉢の伝承を拒まれた「禅問答」の経緯を語り、そして無想に「禅とは何ぞや」と問いかける。すると無想は懐から、災民の老婆から渡されたあの芋を取り出し、「これが禅です」と答える。
無想は「仏法とは生気に満ちた生きた法です。禅とは…心安らげぬ場所から心安らぐ場所への橋渡し、飢えた民にとって禅とはひとかけらの芋です」とし、少林寺が衆生を救えないのなら下山して民を救うと、固い意志を語った。正念はそれに対して「初心を忘れずば結果は得られよう」と言う…
正念が最後にまさかの「禅問答」!これ正解がない分、その問いを出した時点で許す気満々じゃ?とか思ってしまったのですが、まさかあの芋がここの伏線だったという…
31~33話の感想
導入で「明徳の治療がターニングポイントに」と書きましたが、明徳の治療が無かったら無想は首座にさせられることもなく、梅女将も死ぬことがなかったから蓁蓁も女将になることがなく、剣雄も寧波に行きを任されて、岡田との独自ルートを確立することもなかったのではないかと。明徳の生への執着が、思わぬ形で各自の運命を変化させることになったわけですね。
それにしても蓁蓁の「女将化」が… ふとしたしぐさが女将に瓜二つだったりしますね。いいとこのお嬢様だったはずの梅女将がどうして青楼の女将に?と不思議だったのですが、蓁蓁がそうなったように、女将もきっと、生きていくためにある時点で腹をくくったのでしょう。蓁蓁も、無想が真の意味で和尚となったことで、自分のこれからを選択せざるを得なくなったのです。これが「美しく生きる」ことなのでしょうか。そのトリガーとなったのが明徳の治療だったわけで、本当に奴は罪深い…
しかし、アメリカの映画やドラマだと、「Heroes」などが有名ですが、「どこが日本やねん」っていう謎日本が登場してくることが多いのですが、同じアジアでお隣なのに中国でも謎日本からは逃れられないようで、少林聞道でもこれまで謎チョンマゲ、謎ニンジャ、謎刺青などが出てきましたね。そして岡田の微妙な日本語まではまだ我慢できるとして、剣雄までが「コノコ、ビックリシタ!」とか、勘弁してほしいです。結構シリアスなシーンなのに台無しですよね~!
あと、無想の首座就任の時の挨拶で、敗火が自分を「留錫」と説明していました。「行脚中の僧が一時的に他の寺に滞在する」ことだそうです。敗火にとっては、少林寺はホームでないということですね。敗火がなぜそんな流れ者の僧のような立場になったのか、なぜ少林寺に流れ着いたのか、そもそも実家の沈家の粛清以前からなぜ僧医となって死罪を免れたのかなど、敗火の身の上には謎が多いのですが、今後無想が少林寺を出てしまったら敗火のように「留錫」になっていくのでしょうか。無想と蓁蓁がまるで敗火と女将兄妹の人生をなぞるようになっていくのは、果たしていいことなのか哀しいことなのか…
そして剣雄は、明徳になっていくのでしょうか。
親の因果が子に報い、を地で行くこのドラマ、終盤に向かって何か動き出しました。
次回もお楽しみに~♪
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