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クルミットです♪
元宵節の混雑に乗じて豊朝を脱出しようとした小楓と顧剣ですが、承鄞に見つかり、大混乱の中で小楓は記憶を取り戻してしまいます。小楓の態度の変化に動揺した承鄞が顧剣を鳴り矢で呼び出し、承鄞の命によって顧剣は殺されることに。一方で承鄞の復讐は着々と進み、疑惑の数々が明かされたことで、皇帝は高家に対して手を下す決意を固めます。
さて、最終回を前に事態がどんどん片付いて、人がどんどんいなくなっていきます。あの人もこの人も姿を消していきます。今回の展開はひたすらつらいので、心の覚悟と吸水力のあるハンカチの準備をお忘れなく…
【東宮】(ネタバレあり)
第52話「高家の最後」
追い詰められた高右相は急ぎの密書を高顕に送る。そこに太監の曹芨が来訪し、高貴妃が重病のため宮中に急ぎ来るようにという皇帝の命を伝える。高右相は万事休すを悟り、高坤に「すべてを捨てて逃げ、生き延びろ」と言う。
高坤は父の指示通り、妻子を捨ててひとり逃げ出そうとするが、耐えられず屋敷に戻るものの、妻がぐずぐずして逃げようとせず、結局高坤は裴照に捕らえられる。
太監に賂を拒まれたことで運命を悟るとか、宮中のお作法黒いですよね♪
高右相は高坤を逃がすために時間を稼いで登庁するが、案内されたのは高右相が若い頃、皇帝や顧如晦らと共に学んだ思い出の場所・鴻文館だった。皇帝は高右相の仮病も見抜きながら見逃してきたが、今や高顕の茶番や科挙の不正の件を突き付ける。
これ場所は鴻文館ですが大理寺と同じで、結論はすでに出ているパターンですね
かつて顧如晦は皇子・李賾を皇位につけるため政敵をことごとく倒してきたが、それが即位後の皇帝の心に猜疑心を芽生えさせ、高于明がそれにつけこんだのだ。しかし自分を倒しても代わりは出てくると、高右相は陳征が明月と承鄞に策を授けたのだと語り、最後に高貴妃の子の助命を嘆願し、皇帝は受け入れる。
ただでは死なない高右相、ちゃんと不信の火種を付け火して行きました…
アドゥはようやく意識を回復する。西州では初雪の日に亡魂の弔いを行うため、アドゥは顧剣の弔いの儀式を行いたいと言う。小楓とアドゥはその夜、鈴を鳴らして顧剣の魂を弔う。アドゥは西州に帰ろうと言うが、小楓は承鄞を殺してからだと決意を固めていた。
宮中での弔いは大罪なのでは?という「中国時代劇あるある」な心配を♪
「高氏一族は皆殺し」「高氏の一派は流刑」との勅旨が下され、高如意は庶人降格の上冷宮送りとなる。顧如晦の冤罪は晴らされ、忠国公に追封されることに。高如意のもとには皇帝から必要のない安胎薬が贈られ、その意図を察した高如意は、薬を口にする以外にない。
約束したのに殺すのですね… 子の存在が後の火種になるのはわかりますが、でも酷い
高顕が高右相からの密書を受け取ると、そこには「自分は断罪される、すぐに逃げろ」とあり、高顕は安護府を捨て、兵を率いて西州の国境へ向かうことに。
朔博が芝居に動かないのは、向こうの方が先に情報を得ていたということでしょうか
顧家の名誉が回復されたため、顧剣も顧如晦らと共に埋葬されることに。承鄞はこれで復讐が終わったことで、皇帝に柴牧の正体を明かすよう勧めるが、柴牧は隠居する決意を固めていた。明月に「警戒を怠るな」と伝言し、柴牧は承鄞の前から去る…
顧家の再興をしたかったのだろうに、顧剣を承鄞に殺されてしまった復讐の結末…
第53話「因果」
承鄞は復讐を成し遂げた達成感のまま小楓のもとに戻り、これまで冷たくしてきた芝居は終わったと抱きしめるが、小楓は承鄞に小刀を突き立てる。承鄞にはなぜそこまで憎まれるのか理解できず、小楓は「あの人を忘れられない」と泣き崩れる。承鄞は瑟瑟のもとに運ばれ手当てされるが、うなされて「小楓、行くな」と繰り返す。打ちひしがれる小楓に、瑟瑟が「宮中から出るなら手を貸す」と申し出る。小楓はそれを受け入れることに。
抱きしめて全部解決するとでも?何も解決しないでしょう、これからでしょう…
宮中に訃報を知らせる鐘が鳴らされ、承鄞はそれが高如意の死去だと高于明に知らせる。承鄞は牢に胡桃菓子を携えており、高于明はそれが承鄞の好物だと思っていたが、承鄞はこれまでは従順な子を演じてきたのだと打ち明ける。承鄞は最後に「なぜ恨みのない顧如晦を陥れたのか」と尋ね、高于明は当時そうさせた存在があったのだとほのめかす。
高于明はこちらにも火種を。ラスボスはまだもうひとり存在しているということですね
柴牧の宿坊に突然皇帝が現れ、久しぶりに酒を酌み交わそうと言う。陳征の身分を回復してはどうかと言われ柴牧は断るが、皇帝から勧められた酒を口にする…
その頃、明月のもとに御膳房から菓子が届けられていたが、その菓子に隠された密書により真実を知った明月に問い詰められる。皇帝は柴牧を許せず、しかし明月は皇帝をすでに愛していた。二人の心に生じた溝を、皇帝は権力で無理やり埋めようとする。
これは…最大の忠臣である柴牧まで皇帝に消されてしまったということ…?
皇帝は顧淑妃の夢を見る。しかし泣く顧淑妃は「あなたが憎い」と皇帝を刺す。夢から目覚めた皇帝は、自らの手が血にまみれ、隣の明月が刀で貫かれて死んでいるのに気づく。衝撃で皇帝も昏倒し、太医は中風であろうと診断する。太皇太后は皇帝の見舞いに行こうとするが、また新たな帝王が立つことの無常さに、見舞いを取りやめる。
ええええええ… これ、どう見ても自殺ではないですよね…
承鄞は父帝の枕元で、これまでの恨み言をぶつける。結局皇帝を打ち負かしたのは、皇帝が恐れてきた者たちではなく、取るに足りぬ女子一人とその腹の子だった事実を突きつけ、愛する者も愛してくれるものも失った父帝に、自分はよき皇帝になってみせると宣言する。
皇帝は弱点を突かれ、ラスボス戦は消化不良で勝利、ということになるのでしょうか
瑟瑟は「父の平癒祈願」のために玉泉寺に行くと言って東宮から出ようとしていた。馬車の中には侍女に扮した小楓とアドゥがいたが、裴照は疑わずに通す。瑟瑟はもう二度と会わないと小楓を送り出すが、小楓は彼女の一途さが羨ましいと思える。裴照は、珞熙が玉泉寺に行ったのに瑟瑟に会わなかったと聞き、小楓の脱出に気付く。
裴照と珞熙は結局いい感じにうまくいっているようですね、これは唯一の救いです
結局小楓は裴照に連れ戻され、逃亡の手引きをしたことで瑟瑟は承鄞に問いただされる。「この者は殿下を愛していない」という瑟瑟の訴えに、承鄞は「それでも私には小楓だけ、瑟瑟はずっと利用しただけ」と答える。これで承鄞は最も愛してくれる人を失う…
いくら瑟瑟を愛していないといっても、もっと言いようはなかったのでしょうか
第54話「逃亡」
永娘は、小楓が豊朝に来て二年経ったことに触れ、身勝手な振る舞いは控えるように諭す。小楓はこれまでが嘘のように進言を受け入れ、永娘を母のように甘える。
一方瑟瑟は、雪が降りしきる中、拒絶の暴言を吐いた承鄞をそれでも待ち続けていた。
あんな目にあっても諦めない瑟瑟も、諦めきっている小楓も、二人とも悲しい…
小楓は東宮で簫を奏でる承鄞を訪ね、瑟瑟を傷つけたことを非難する。これまで小楓を守るために瑟瑟を寵愛するふりをし、小楓を冷遇してきた芝居をしてきた承鄞だが、小楓には今更「欲しいのは権力ではなく小楓だ」と言っても信じてもらえない。小楓の心の中に自分がいないことを悲しむ承鄞に、「私の心の中にはずっとあなたがいた」と言って、小楓は口づける。承鄞は喜ぶが、実は紅には睡眠薬が仕込まれていた。小楓は「さよなら、私の顧小五」と別れを告げる。
ようやく心が通じたかに見えて、一瞬で裏切りに転じる悲しすぎるキスシーンですね
アドゥと小楓は宮殿を脱出しようとするが、永娘が扉の前にいた。仕方なくアドゥが永娘の点穴を突いて動けなくするが、実は永娘は脱出を察し小楓に路銀を渡そうとしていた。小楓は永娘が理解者だったことに感謝し別れを告げる。
一番そばで見ていた永娘は、一番小楓の気持ちをわかっていたと思いますよ
承鄞は目覚めて小楓の不在に気付き、裴照に必ず小楓を連れ戻すよう命じる。その頃小楓は、ミロが買収した高麗の隊商にまぎれ、城門を突破していた。ミロは米羅酒楼に押し入って探そうとしない裴照に「本当は小楓を連れ戻したくないのでは?」と、心をかき乱そうとする。
高麗の隊商の頭から追加の金を要求され、宿の周りには二人の手配書が貼られていたため、二人は兵士が待ち構える玉門関を避け、夜のうちに宿を出発することに。
その頃、ミロは都を離れるため、顧剣の墓に別れを告げる。
ミロはこれでさよならでしょうか、この先幸せをつかんでほしいですね
裴照は界門関に小楓とアドゥが現れたため、説得を試みるが、小楓は耳を貸さず、裴照に「あなたは誰のために生きてる?」と問い返す。小楓の記憶が戻っていることを知った裴照は、友人としての小楓を止めることができず、門を開いて二人を通そうとするが、承鄞が駆け付け門を閉じさせる。そこで小楓はアドゥだけを先に行かせる。
すべてを知っている裴照にとっては、小楓が豊朝に残ることの苦しさがわかるわけで…
小楓が界門関の上に立って飛び降りようとしてみせたため、承鄞は自分への愛情があったはずだと必死に説得する。顧小五が自分だとわからない承鄞に、小楓は「私が愛したのは顧小五だけ」と言い放つ。承鄞は小楓の言葉を聞いても、自分が何を忘れているのかがわからず混乱する。小楓は承鄞を「許す」と言って飛び降り、その落ちる姿を見て、承鄞は過去の記憶が脳裏によみがえり、吐血して倒れる。そしてアドゥが小楓を受け止めて走り去る…
シリアスな場面ですが、皇太子夫妻の喧嘩を見せられる兵士の皆さんのお気持ちが~
52~54話の感想
あと1話を残すのみとなりました。全55話は始まる前は長いと思っていましたが、あっという間ですね。そして終わりを前にして、多くの人が頭を抱えておられるのでは…。
豊朝の復讐劇は、これでほぼ決着がついた形になったのでしょうか。ゴールは高家の殲滅だと思っていたのですが、最後は父帝を病に沈めたところで最終勝利を迎えることに。承鄞は実際にはほぼ自分の手を汚すことなく、父帝を操る形で復讐を成し遂げたので、すっきりというよりモンヤリした感じが否めません。結局どんな証拠を積み上げても、最終的に皇帝がその気になるかならないかで処分が決まるというのが豊朝の掟なので、勧善懲悪で正義の鉄槌が下ったわけではないあたりがモヤモヤの原因なのだと思います。
最後の最後で、モンスター宰相の原点が皇子たちのいじりだったというコンプレックスが描かれていて、高右相にも心からお疲れ様と言いたくなってしまいました。憎しみを醸成させる場所だったのに、彼にとっても鴻文館時代は思い入れ深い場所であったのですね。
そしていつも天才的な戦略家である父の隣にいるのに、ちょっとズレた分析しかできなかった高坤ですが、彼も最後は「そうだろうと思った」っていう安定の大失敗でほっとしてしまいました。高家は悪役なのに最終的に憎めない設定にされて、切ない退場でした。
そして柴牧と明月父子の最期は… 明月が「因果」について語っていましたが、父子の非業は因果なのでしょうか。何のために復讐して誰のために頑張って来たのか、全部が無駄に思えてしまいます。柴牧は覚悟していたのでしょうか、それと明月は… 主を失った潜龍使が承鄞の下に付いたのかそれとも、とか色々考えて怖くなってしまいます。
復讐はここまでどれだけ多くの犠牲を払ってきたのか、そういうところを全部抜きにして「これでもう芝居は終わりだ!」と全部の説明をすっ飛ばして「愛している」と抱きしめれば、小楓が納得して自分を受け入れてくれる、そう思うあたりが承鄞の承鄞たるゆえんといいますか…。瑟瑟に対しても小楓に対しても、裏切られて当然の行いをしていながら、よくもまぁ被害者みたいな顔をするよなと、通常クライマックスの男主に対しては決して抱かないであろう感想をぶちまけたくなってしまいます。
小楓と承鄞の記憶回復のタイミングが違っていればもう少し何とかなったのか、いやもうどうしようもないでしょう。丹蚩攻めで承鄞が兜をかぶった時点で、もう二人の運命は決していたとしか言いようがないわけで、じたばたしないで小楓を西州に帰す以外に選択肢はないように思います。承鄞もできる限りのことはしたとは思うのですが、でもね…
次回は最終話、ここから何か幸せになれる要素があるのかわかりませんが、もう最後まで見届けるしかできないので、覚悟を決めて精一杯泣きましょう…
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