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クルミットです♪
徽柔の婿選びから自分たちの関係について、曹丹姝と趙禎は本音をぶつけ合った果てにようやく結ばれますが、その夜、侍衛の謀反の動きが発生します。しかしそれは、侍衛と坤寧殿の女官の私通を告発することで、曹丹姝を引きずりおろそうという企みだったのです。
皇宮内に囁かれる廃后の噂、そして危機感を抱いた張茂則は曹丹姝を守るために攻勢に出ます。北宋のトリックスターである夏竦の野心は、老いで焦った打ち上げ花火だったのかと、色々苦い結末へ向かっていきますよ。
【孤城閉-こじょうへい】(ネタバレあり)
第４９話「妻である前に」
董秋和は趙禎に、崔白と生涯を共にする約束をしたと告白するが、男女の礼を超えたことはないと言う。趙禎には曹丹姝に対しての公平な判断を求め、崔白を巻き込まないため曹丹姝に生涯仕え宮中に留まることに。曹丹姝は「妻である前に臣下」であるため自らを犠牲にしているが、張妼晗は善悪も問わず寵愛されている、と董秋和から訴えられ、趙禎は「自分が不公平な扱いをしていたために丹姝に信じてもらえないのか」と思い至る。
董秋和と崔白のプラトニックが、夏竦勢力の謀略で砕かれてしまうことに？
董秋和は趙禎に命じられ、張茂則へ「箱」を返しに赴く。張茂則は董秋和に、廃后の郭氏の最期について語る。表向きは病死だが、当時副都知だった閻文応は郭氏の報復を恐れ、郭氏の病を悪化させ生き埋めにしたのだ。張茂則は「私は絶対に皇后様をそんな目に遭わせはしない」と言う。箱は趙禎の「警告」だが、罰は甘んじて受ける覚悟を固めていた。
いつの間に趙禎の手元にあの箱が！中身を見たのかなとか考えると怖いものがあります
趙禎は曹丹姝を呼び、「桃妖」を飲みなおしていたが、曹丹姝は綾児の件で追及されるのかと考え、深酒の果てに跪いて罰を求め、廃后すら口にする。激高した趙禎は「どこの夫が生き菩薩の妻を望んでいる？」と叱りつけ「そなたは臣下である前に私の妻だ」と、重荷を夫婦で分かち合おうと諭す。
この夫婦、もっと早くにここまで腹を割って話すべきだったですよね
賈玉蘭は、夏竦が二束三文の古物に財産を費やしていることに呆れる。夏竦は昔から范仲淹や欧陽修のような、道徳で人を縛る聖人を憎んでいるのだと言い、堯や舜が本当に聖人なのか確かめるため古物を集めているが、調べていると経典が本当とは限らないのだと笑う。
悪いことを企んでいるのでなければ、夏竦もかわいいおじさんなのですが…
文彦博は貝州で二月もかからず賊を壊滅させるという大功を立てたが、先に派遣されていた明鎬が鎮圧にてこずったのは、実は夏竦の妨害を受けたからだと訴える。するとこれまで夏竦に近かった陳執中までもが夏竦を弾劾し、楊懐敏を操って曹丹姝を陥れたことまで問題に。何郯は延々と夏竦の欠点をあげつらい、趙禎はうんざりするが、その流れで蘇舜欽の復帰を上奏され、再起が検討されることに。
とうとう夏竦の悪行が表沙汰に！貝州の乱鎮圧を妨害までしていたのですね
何郯は、趙禎が夏竦の追及から話を逸らし、蘇舜欽に話が及んだことに不満を見せるが、文彦博は「夏竦の追及は焦らなくてもいい」と言う。陳執中はここで蘇舜欽の復帰が検討されることに何か深い意味があると見る。
この退勤風景の顔ぶれも、ずいぶん移り変わってきましたね
夏竦が病だとの知らせを聞いて賈玉蘭は夏宅に駆け付ける。賈玉蘭はまだ宮女たちの私通で曹丹姝を廃后できると考えていたが、楊懐敏は左遷されて皇城司が張茂則の手に落ちた今、夏竦は自分の策が様々な点で目算が外れたと嘆く。
夏竦の悪事もここまででしょうか？すっかり弱気になってしまいましたね
張承照は部屋から発見された銀の器の件で張茂則に尋問されていた。さらに五石散や催情香までもが発見され、翔鸞閣にどんなものを届けたのかと問い詰められすべてを白状する。張茂則は張承照に「許蘭苕に気をつけろ」と言う。
出発点が一緒だった梁懐吉と張承照は、こんなに差がついてしまったのですね…
徽柔はぼんやりとしている理由を趙禎に聞かれて「陶淵明の詩を反芻していた」と答え、「閑情賦」が好きだと頬を染める。「閑情賦」に感情移入した徽柔は「陶淵明は曹兄さんより素敵かしら」と梁懐吉に尋ね、宴の後で「閑情賦」と玉の櫛を曹評からもらったのだと明かす。しかしそのことが趙禎の耳に入って激怒されることに…
「閑情賦」と玉の櫛のセットで口説くのは、モテ男のいつもの手口という感じがします♪
第５０話「有能な悪人」
激怒した趙禎が曹丹姝と二人で話し合っているため、坤寧殿の宮女や内侍たちはすわ廃后かと身構えるが、彼らの想像とは異なり趙禎が怒っていたのは曹評の件だった。曹評に重い罰を与えれば徽柔の名節が汚されるため、趙禎は数日後に李瑋との婚約発表を決め、怒りのあまり胸の痛みを起こす。
父として、徽柔が李瑋に興味を持てないのはなぜかと、本気で考えてあげて欲しいです
張茂則が牛行街の屋敷を皇城司に見張らせると、芸妓の仲買人と賈玉蘭に金のやり取りが判明するが、その者は塩の密売にも関係し、楊懐敏にも屋敷を世話したという。そこで張茂則は、それらに嘘を混ぜつつ小報に載せて、諫官や御史の耳に入れるよう画策する。
今も昔も、世間を動かすのはメディアの噂話ということでしょうか
許蘭苕が持ってきた新しい簪を見て、張妼晗は瑶瑶の思い出話をしたため、懐妊中の許蘭苕には恐怖に感じる。そうとは知らない張妼晗は、許蘭苕のお腹を見て「この子は幼名を瑶瑶にすると決めた」と言う。皇子ではなく、今回は娘がいいのだと。
かなりのホラーですね…
趙禎は朝堂で徽柔と李瑋の婚約を発表し、祝福の声に趙禎は満足する。しかし徽柔は自室に閉じこもって苗心禾の呼びかけにも応じず、ひとり「閑情賦」を諳んじていた。この詩のように曹評は自分を想っていてくれるのだろうか…
曹評が本気なら、曹丹姝を通じて詫びか「何らかの申し入れ」があってもよさそうです
何郯は夏竦と楊懐敏の結託を弾劾し、擁護する王贄と議論になるが、趙禎がなだめる。一方で張茂則は、趙禎に「五年も前の仲買人の不正をなぜ今頃調べているのか」と聞かれる。「手がかりを失った後、楊懐敏に調査を任せていたため」と説明する。
楊懐敏は免職になったようです。クビになった宦官の余生はどうなるのでしょうか
張承照は許蘭苕に「行方不明の女官（碧桃）が連れ戻され、今は瑶華宮に身柄を置かれている」と知らせる。許蘭苕は対応を迫られ、瑶瑶の死にいまだこだわっている張妼晗に目を覚ませと言ってはと進言するが、賈玉蘭は聞く耳を持たない。
さあ張茂則の一手が繰り出されました。許蘭苕はどう動くでしょうか
趙禎は張方平を呼び出し、河北の地震に対しての上奏について相談を持ちかける。張方平は夏竦のせいだとして免職を求めたため、河南府で黄河の土手改修に左遷することにし、理由は「労働も必要だから」だという。趙禎は夏竦の有能さを認めており、張茂則が彼の悪行について言い立てても、「善悪をつけようと結党することは、権力や財のための闘争より不安」と答える。趙禎は明確な証拠がない限り張茂則に捜査から手を引くように命じ「好き嫌いで決めず公平に処置を」と釘を刺す。
これまでの張茂則ならこれで納得していたでしょうが、曹丹姝の危機に引けるかどうか
地方左遷を命じられた夏竦だが、体調の悪化が進んでおり、賈玉蘭は不満を漏らす。夏竦は残された時間がわずかだから危険な賭けに出たのだと言う。これで許蘭苕が「翔鸞閣の皇子」を産めば、張妼晗も昇格し、局面を打開できるはずと考える。
夏竦に残されたラストチャンスが許蘭苕の子という、細い命綱なのが悲しいですね
兪氏は儀鳳閣にやってきて、夏竦の左遷についての噂を語り、何郯が引用した孔子の言葉が思い出せずにいると、徽柔がそれは「鄭声を放ちて佞人を遠ざけよ」（衛霊公第十五章）だと答える。苗心禾は「女に治国の知識は不要」だとたしなめるが、徽柔は「父上は博学な皇后様より張氏を愛する」と、張妼晗を「邪悪な小人」と評して叱られる。苗心禾は徽柔が「自分の婚姻が父の李家への償いに利用されている」と感じていることに困惑するが、兪氏は「そう思っているのは徽柔だけではない」と言う。
徽柔の婚姻に周囲が違和感を抱いているようですが、本人が一番困っているわけで…
何郯は趙禎を内東門で待ち構えて夏竦の処断を直訴し、趙禎は「かつて自害してまで諫言した者がいた」とからかう。一方賈玉蘭は、もう二度と会えないだろう夏竦の最後の言葉をかみしめる。夏竦は悪事の証拠を残しておらず、趙禎は処罰を誤るなら見逃すため賈玉蘭には何もしないが、張妼晗の昇格は困難になり、許蘭苕は皇后に取り入るだろうというのだ。
夏竦は許蘭苕の動きは推測できても、取り入られた曹丹姝の気持ちまでは読めないかも
鐐子は張茂則に「王贄が張妼晗の昇格を議題に上げた」と報告し、「許蘭苕の子を育てたら、張妼晗は昇格するのか」と不安で尋ねる。そこに張承照がやってきて「許蘭苕が碧桃のもとに向かった」と知らされたため、張茂則は「これは天意」だと、碧桃を救出に向かう。
許蘭苕はまんまと張茂則の仕掛けた餌にくいついてしまいましたね
崔白は董秋和が皇宮に留まったことで、画院を離れ放浪に出ており、曹丹姝は董秋和と共に過ごす間を無駄にしないように、苦手の生け花や香を学ぶことに。しかし実家経由で届けられた杜有蘅からの文により、１０日前に蘇舜欽が病死したことを知る。
少し前に、蘇舜欽は復職の宣旨が出ていたはずですが…
許蘭苕は楊懐敏の息のかかった内侍を使い、碧桃に翔鸞閣での盗みの濡れ衣を着せ、碧桃は口が利けないということになっていたので言い訳できず、杖刑４０回を命じられる。そこに張茂則が割って入り、碧桃は声を上げ「盗んでいない、口封じする気だ」と張茂則に訴える。
口が利けないという設定は完全に無駄でしたね
梁懐吉は徽柔に、李瑋の絵や書を持ってきて見せようとする。しかし徽柔が絵を学ぼうと思ったのは、当時の父の忙しさを慰めるためで、「何の関係もない人の絵を見てどうしろと？」と李瑋の絵を投げ捨てる。そして曹家から届いた毛皮を見ても想うのは曹評のことだった。
徽柔の恋心に傷つく梁懐吉が本当に見ていられないです…
瑶華宮の内侍は、許蘭苕の主管に命じられて碧桃に罪を着せたことを白状する。張茂則は碧桃を皇城司で調査するとして、許蘭苕に「この件は張氏に報告する」と言う。
張妼晗に知らせるのは許蘭苕への死刑宣告になります
何郯同様に陳執中も内東門で駆け寄ってきたため、趙禎はまた直訴の諫言かとうんざりするが、陳執中が報告してきたのは、復職を認めた蘇舜欽の病死だった…
蘇舜欽の死は曹丹姝が知らせるのかと思いましたが、宰相からの報告でした
第５１話「流れ出た罪」
曹丹姝は親友の杜有蘅の夫・蘇舜欽が亡くなったために落ち込み、徽柔に「最高の夫婦だと思っていた」と語る。訃報に添えられていた文は独特な文字で書かれており、梁懐吉は蘇舜欽が酔って書いた詞だと気付く。徽柔は蘇舜欽が失意で病み亡くなったと聞き、蘇州に滄浪亭を建てて悠々自適だったのではと訝る。曹丹姝は「滄浪」の意味を知っているかと徽柔に聞くが、ちょうどやってきた趙禎が「楚辞」の一節だと答える。
蘇子美との仲が進展しないのを曹丹姝にからかわれている杜有蘅が思い出されます
賈玉蘭が宮中に戻ると許蘭苕が激しく動揺し、張妼晗が瑶瑶の死の経緯を知ったら自分を生かしてはおかないだろうと言う。許蘭苕は誰かを殺すつもりはなかったと言うが、賈玉蘭は張妼晗に取って代わるつもりだったのだろうと突き放す。しかし許蘭苕は、張妼晗は賈玉蘭をも許さないだろうと、腹の子を頼りに曹丹姝に下ろうと提案する。まさに夏竦の予想通りになったことから、賈玉蘭は事のあらましを書いて曹丹姝に見せようと言い含める。
この、最終判断が賈玉蘭に委ねられる事態を、張茂則は想定していたでしょうか？
趙禎は徽柔に「蘇舜欽はまだ若く才能もあり隠居は耐えがたかったのだろう」と語るが、徽柔は「滄浪亭」と名付けたのは自分の無実を世に訴えたかったのではと疑問に思う。蘇舜欽が罷免されたのには正当な理由があり、趙禎は最高の友を失くしたことを惜しみつつも、たとえ皇帝であってもその罪を減じることができず「誰にでも思い通りにならぬことはある」と徽柔に言い聞かせる。
滄浪亭は広大な美しい庭園で、現在も蘇州に一部が残っているそうです
張茂則は張妼晗に会いに行き、瑶瑶の死に関わった女官の発見を報告する。あの日瑶瑶が喘息を起こしたのは、侍女の衣装棚の中で梶の花粉を吸ったからで、その棚の奥には張妼晗を呪う人形もあった、その侍女が誰かを語る前に賈玉蘭が駆け込み、張茂則を信じるなと言う。
ここで先に話しておけば、この後の展開が違ったものになっていたかもしれません
蘇舜欽をには地方任務を命じており、ゆっくり都に戻そうと考えていたのに、こんなに早く、と趙禎は悔やみきれない思いを曹丹姝に語る。曹丹姝としても蘇舜欽ほどの人物が大志を捨てきれなかったのは予想外だと言う。「陛下が民に縛られるのはご自身で選んだ道」と諭され、「今は皇后の諫言は要らぬ、丹姝と酒が飲みたい」と言う。
最近の趙禎は、曹丹姝への口説き文句のキレが絶好調ですね
徽柔は梁懐吉に「天下の男子は皆役人になりたいもの？」と尋ねる。公主を娶ったら役人になれず、駙馬都尉にしかなれないのだと知り、徽柔は「曹評が婿に選ばれなかったのは役人になりたいから」だと考える。蘇舜欽でも役人を辞めさせられ病んで死んでしまったことから、「役人になることが男子には何より大事なんだわ」と納得する。
そういうことにしておきましょう♪
曹丹姝は蘇舜欽の詩を趙禎に見せ、杜有蘅が「この詩を献上するのは哀れみを乞うためではなく、左遷された大臣を陛下に惜しんで欲しいからで、墓誌に范仲淹らの言葉をいただければ他に望みはない」と言っていたことを伝える。それは後宮の政への干渉になるが、曹丹姝も趙禎も、これは友を思う真心であり夫婦の問題だと受け止める。趙禎は曹丹姝にもっと妻として心の内を話してほしいと言う。
これが「後宮の政への干渉」になるなら、もっと酷い干渉を他の人がやっていますよね～
許蘭苕が供述書を書き綴る傍らで、賈玉蘭は密かに二杯分の毒酒を作る。賈玉蘭は張妼晗に「すべてを話す」と言いながら倒れ、許蘭苕が原因を作ったことを告白する。そして懐妊中の許蘭苕は軽い罪で済まされるため、張妼晗の気が済まないだろうと自分が代わりに手を下したと明かす。自らも許蘭苕の野心を知りながら陛下に近づけたことを懺悔し、張妼晗を娘のように思っていたと言う。張妼晗は助けようとするが、張茂則の追及から逃れるためにも助けてはいけないと言って、賈玉蘭は絶命する。
追い詰められた賈玉蘭が、まさか許蘭苕を殺して自分の道連れにするとは…
張茂則は責任を感じて毒を飲んだが、鐐子が気づいて解毒し、趙禎に呼び出される。賈玉蘭は曹丹姝の関与を訴える嘘の遺書を残しており、張茂則は横暴な張妼晗と翔鸞閣を嫌い調査したものの、陥れてはいないと断言する。しかし思い上がりの独断から打つ手を間違え、度々の警告に耳を貸さず、結果的に趙禎の子を死なせることになるという過ちを犯したと死を望む。しかし「お前が死んでこそ皇后は罪を着せられる」と趙禎は激怒し、そのやり方は賈玉蘭と同じだと突き付ける。それでも死を望む張茂則に、皇子が産まれたら「趙暄」と名付けるつもりだったと趙禎はつぶやく。
賈玉蘭の嘘の遺書が、曹丹姝を落として張妼晗を生かすための最後の一手でしょうか
趙禎は張茂則を立たせ、幼い頃のように腹を割って話そうと言う。趙禎が何よりも厭うのは人を死罪にすることで、誰でも過ちを犯すが償わせる方がよいが、はるかに難しいと考えていた。「茂則、死んではならぬ。生きて罪を償え」との言葉に、張茂則は崩れ落ちる…
これまで趙禎は死罪を嫌い、何度死罪を求められても拒み、綾児も助けようとしましたね
４９～５１話の感想
「秋浦蓉客図」は、張妼晗が枕の下から発見した例の鳥の絵で、崔白の作品として現在も台湾の故宮博物院に収蔵されています。「後宮の諍い女」にも雍正帝が甄嬛の妹を口説くアイテムとして登場しており、後世に残る崔白の名声を感じさせられます。
あと、廃后郭氏の最期についての話が出てきたのでおさらいしておきますと、閻文応は楊美人と尚美人から呂夷簡の夫人へ情報の仲介をしていた宦官です。７話で郭皇后はその件を知って二美人を問い詰めますが、事情をよくわからないまま趙禎は二美人の肩を持った（それで郭皇后の爪で引っかかれる流れ弾をくらう）という経緯があったので、張茂則が「陛下は皇后様を守り切れぬやも」と懸念するのは当然想定される事態だったわけですね。
夏竦の、廃后と張妼晗昇格による宰相ゲット作戦は、結局賈玉蘭が許蘭苕を腹の子共々道連れにすることで後味の悪い幕切れとなってしまいました。張妼晗は主要な陣営をすべて失うことになり、今後は趙禎の愛情だけが頼みという状態に。張茂則が追い詰めすぎたということなのかもしれませんが、数少ない趙禎の子を殺してでも張妼晗を守ろうとする賈玉蘭の執念に、ぞっとするほどの悲しさを感じずにはいられません。
それにしても、張妼晗寄りの賈玉蘭は仕方ないにしても、比較的曹丹姝の近くにいる徽柔ですら「陛下は皇后様がお嫌い」という誤解をしていますよね。坤寧殿の女官や内侍ですら廃后の噂に怯えるくらいで、本当の二人の関係を理解しているのは梁懐吉と董秋和くらいではないでしょうか。ようやく「皇后」ではなく「妻・曹丹姝」として振舞えばいいのだという境地に達したことで、遅すぎる雪解けとなるのでしょうか。
しかし、曹丹姝が皇后としての立場を優先してきたのは、趙禎がそういう皇后を望んだからで、ニーズに応えてきただけだったのに、と思わずにはいられません。曹丹姝の意地ややりすぎはあったにしても、もうちょっと早く何とか出来たはず…
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