孤城閉-こじょうへい-あらすじ-58話-59話-60話-感想付きネタバレでありで!

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このまま李瑋と結婚してもいいのかと疑問を抱いた徽柔は、曹評と逢い引きを強行し趙禎に発見されて引き裂かれることに。ただでさえ張妼晗の死に落胆していた趙禎は徽柔の反抗に発作を起こして倒れ、錯乱して曹丹姝と張茂則の謀反を口走ります。

趙禎は病ですっかり年老いてしまいました。今回は待望の徽柔の婚儀を迎えますが、当然ながら徽柔が唯々諾々と夫婦生活を送るわけもなく、またもや波乱の予感です♪

【孤城閉-こじょうへい】(ネタバレあり)

第58話「最愛の形」

徽柔は枕元に駆け寄り、福寧殿でずっとお世話をすると言う。趙禎に呼び入れられた富弼と文彦博は、詔として張茂則を都に戻し趙禎の側仕えを命じる。そして二府として前例を廃し宿直を設けることを曹丹姝に求めると、女子の身だからと宰相に一任すると答える。
文彦博が張茂則に言い聞かせた場面は、史実を基にしている逸話だそうです

富弼と文彦博は、狄青の弾劾について議論する。文彦博は「武人を枢密士にするのは祖法に背く」と言うが、富弼は「噂を基にして弾劾すべきではないし、狄青に弾劾されるいわれなどない」と反論する。それを見ていた徽柔は、張妼晗に灯籠錦を贈った文彦博が間違っており、狄青は父が取り立てた英雄だと考える。
趙禎がいない間に、趙禎に止められるような案件を片付けようとしていませんか?

徽柔は趙禎を懸命に世話していた。食べたいものを聞かれた趙禎は「皇后の干し肉と酒」だと言うが、曹丹姝が今肉断ちをして写経していると聞き、「皇后は二度と私に会いたくないのだろう」と漏らす。そこで徽柔は仲立ちを試みるが、曹丹姝が趙禎のことを「食べ物に意地汚くて好色な人」と評するのを聞いて驚く。徽柔は曹丹姝に父を許すよう求め説得する。
こんなに曹丹姝は趙禎のことを愛しているのに、誤解されてしまう…

狄青の弾劾は梁懐吉から趙禎の耳にも届き、狄青も病を理由に離京を求めているというので、趙禎は侍医の派遣を命じる。そこに徽柔が曹丹姝を連れてきたため、趙禎は気まずいながらも曹丹姝に詫び、互いの想いを通じ合わせる。
曹丹姝が皇后でなかったら、夫婦の大団円は無理だったと思いますよ~

徽柔は趙禎と曹丹姝が寄り添う姿を見て、母や曹丹姝は「最愛の存在」でないことになぜ耐えられるのかと不思議に思うが、梁懐吉は「最愛は人それぞれ」と答える。徽柔はこの世に一人だけ、決して自分を見捨てない梁懐吉という存在がいると知った。梁懐吉は徽柔の影であることが幸福だと語り、徽柔は梁懐吉がいつも自分の心にいる、と言う。
この徽柔と梁懐吉の会話が、愛の告白ではないことが厄介ですよね…

垂拱殿へのお出ましを求められ、趙禎が久々に玉座に着くと、早速文彦博が狄青の弾劾の件を持ち出す。狄青は大相国寺に転居したため問題になっており、文彦博らが「説得」したという。そこで趙禎は狄青を地方に送り、代わりに韓琦を枢密院に迎えると決めて終了しようとするが、建言はまだ続く。
大相国寺は開封にある水滸伝の舞台になった寺です。復帰早々容赦ないですね

董秋和から三人目の娘を産んだとの文が届く。気に入っていた董秋和を手放した後、曹丹姝は文で十分だとして面会を許していないが、それは崔白が欧陽修や晏家との交流があることへの配慮だった。秀娘は曹丹姝の周囲から人が減ることを案じるが、曹丹姝は趙禎が髪に刺してくれた花を手に「陛下と私はこうして仲睦まじく年を重ねていくのよ」とほほ笑む。
曹丹姝なりの幸福な到達点ということでしょうか

趙禎を引き留めたのは何度も立太子について建言してきた司馬光だった。司馬光の立太子論は明確だと誉めるが「太子を立てる前に朕が死ぬとでも?」との言葉に朝臣は恐れて跪き、その隙に趙禎は朝堂から逃げてきたのだと曹丹姝に笑って語る。しかし司馬光の諫言は国を思う忠言であり、「自分になにかあったら宗実に継がせよ」と言う。
宗実に継がせる意志があるなら、もう立太子すればいいじゃないと思うのですが

長年趙禎は科挙の改革を考え、生前の晏殊や范仲淹から「修辞が重視され政策論が軽視されている」との提言を受けていたが、その頃は時期尚早だった。このたび欧陽修を権知礼部貢挙に任じたことが、朝廷の士大夫にどんな変化をもたらすのかと、趙禎は大いに期待する。
そこにちょうど嘉祐2年の科挙が行われ、蘇軾と蘇轍の兄弟も省試の試験会場の国士監に向かう。弟の蘇轍は好敵手の劉幾を兄が打倒することに期待するが、蘇軾はそんなことより、趙禎の出した詔によって科挙の変革を期待し、今の風潮を一掃したいと考えていた。
かつて太后の不快で状元を取り損ねた欧陽修の起用が、科挙をどう変えるのでしょうか

欧陽修はある受験生の回答を見てその才能に大興奮する。しかしそれは欧陽修の弟子・曽鞏の文章ではないかと見られ、主席にすれば物議を醸すのではないかと懸念される。しかも今年は評価基準が変更になるため、范鎮は慎重を期すべきではと考え、議論が紛糾する。欧陽修はこの才を次席にすることを惜しむ。
中国時代劇でよく見る顔・沈保平さんが范鎮役で登場ですね♪

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第59話「文字の存在意義」

趙禎は上機嫌で、欧陽修の選んだ省試の合格者の論文を「今までとは違う」と曹丹姝に見せ、曹丹姝も「難しい言葉を使っていないが、人の心に響く」と評価する。欧陽修は弟子ではないかと考えて状元ではなく二位にしたが、ふたを開けてみたら曽鞏ではなく初受験の20歳の若者だったという。
そういう配慮や忖度を排除するための匿名試験ではないのかと思うのですが…

科挙の合格者の名前が貼りだされるが、状元の章衡も榜眼の蘇軾も無名で、状元と目されていた劉幾が落第したことに驚きの声が上がり「欧陽修が敵対者を排斥したのではないか」と疑われる。そこで納得できない落第者たちは欧陽修に説明を求めようとする。
その頃、徽柔は花見に出かけていたが、来年は李家に嫁いでいることに落ち込み、早々に帰ろうとする。それでも徽柔は梁懐吉が李家についてきてくれることに心の慰めを得ていた。
細かく名前が全部書かれていましたが、当時の記録は全部残っているのでしょうか

落第者たちは帰宅途中の欧陽修を公道で取り囲み、欧陽修の姪の事件を蒸し返して非難し、劉幾が当時流行した欧陽修の詞を歌って揶揄する。その人だかりのせいで徽柔の馬車は足止めされてしまう。欧陽修は無言を貫くが、そこに蘇兄弟が現れ欧陽修を弁護し、落第者たちを論破する。その騒動が趙禎に伝わったため、事態の収拾のために張茂則を遣わす。
落第の鬱憤を審査官の人格攻撃で晴らそうとするような人品だから落第するのでは?

蘇軾は欧陽修の門下かと劉幾に揶揄され、不正や結党を疑われて果ては争乱になったため、張茂則が皇城司で取り囲む。その騒ぎの渦中に馬が犬を蹴り殺し気まずい沈黙になる。そこで欧陽修は落第者らに「今の出来事を言い表せ」と求め、自分より明快簡潔に表せる者がいたら職を辞すと言う。落第者たちは口々に言い表すが、劉幾がいかにも「太学体」という言い回しだったため、蘇兄弟は吹き出す。最後に欧陽修が「奔馬、道で犬を蹴り殺す」と簡潔に言い表したため、徽柔が馬車から賛辞を贈る。そして欧陽修は人々に「仕官すれば文章は明瞭で簡潔なことが大事」と諭し、劉幾の才を称えつつその場を収める。
これまで太学体がどんなものかふんわりとしか理解していなかったのですが、このシーンで非常によくわかりました。太学体の代表的な大家は石介だそうです

欧陽修は蘇兄弟に弁護を感謝するが、相手があの文を書いた蘇軾だと知って驚く。そして回答に引用された文の出典がどこを探してもなかったと問うが、蘇軾は「出典は不要」だと、あれが創作だったと明かす。欧陽修はそれを聞いて己の狭量さに気付き大笑いする。
いや創作は… 蘇軾の文に説得力がある圧倒的な優秀さだから許されるだけですよね

徽柔は、趙禎が張茂則に暴徒を捕まえさせなかったことを納得できず、無礼な輩は牢に入れて殴って言うことを聞かせればいいと言う。趙禎は「それは礼儀ではない」と諭し、欧陽修の役目は誤ったものを正しい方向に導きなおすことで、「自分の好きでない者にも寛容な態度で」と教える。明日は最終試験の殿試で、徽柔は「蘇軾が首位になるのか」と聞くが、趙禎は否定し、自由奔放な蘇軾より几帳面な章衡が状元になるのがふさわしいと考える。
結局新ルールでも論文の実力以外に人品が考慮されるのですね

婚儀を目前に徽柔は憂鬱な日々を送っていたが、趙禎は冊封の礼のため徽柔に贈り物をと、嘉慶子を徽柔のもとに戻してくれた。それと梁懐吉が公主府の勾当に就くことに。婚儀当日、徽柔は涙で別れの挨拶をし、皇宮から公主府へと花嫁行列で送られる。その行列を礬楼から眺めていた蘇兄弟が「内侍が容姿端麗」と誉めるのを聞いた梁元生は、行列の中に弟の姿を発見する。曹丹姝と苗心禾は公主府まで付き添い、曹丹姝は「姑にも私に対する態度と同じように」と言い聞かせ皇宮に戻る。徽柔は泣き崩れ後を追うが、楊氏に引き留められる。
梁元生は弟の行方を伏せられたままだったでしたっけ…

祝宴で梁懐吉は泣きながら酒を煽り、深酒のため悪夢から目覚めると、枕元に徽柔がいた。李瑋を初夜の寝台から追い出し、徽柔は寝姿が生理的に我慢ならないからと梁懐吉に会いに来たのだ。梁懐吉は箜篌の稽古をすれば心が落ち着くだろうと徽柔を慰める。
「公主!」って名前を呼びながら目覚めたら本人がいるとか、色々大問題ですよね

趙禎は徽柔を李家に嫁がせ、孝行を果たしたことを母の肖像画に報告する。李瑋の瞳に趙禎は母の温もりを感じていたという。しかし徽柔は容姿にしか惹かれないため、華美の裏に潜む危険を知らないのだと案じ、徽柔を守ってくれるよう祈り、残った仕事を成し遂げ後継者を決めてから母のもとへ旅立つと、絵姿に向けて語り掛けるのだった…
徽柔の幸せと母の孝行を結びつけて考えるのが、趙禎の最大の失敗だと思うのですが

第60話「嫁姑問題」

梁元生は礬楼に張茂則を呼び出し、弟の元亨はどこにいるのか教えて欲しいと懇願する。張茂則は「元亨が今どこにいるか知らない」と答えるが、公主の輿入れに随行していた梁懐吉が弟ではないかと問い詰められ、言葉を失う。
二人をこっそり会わせてあげるくらいならしてもいいのでは…

公主府についてきた徽柔の乳母・韓氏は、随行の宦官たちが初夜のことを嘲笑しているのを聞き叱りつける。その頃楊氏は李瑋から初夜に何もなく、寝台から追い出されたと聞いて激怒し、韓氏に白綾を公主の寝台に敷くようにと命じてくる。もしそのことを徽柔が知れば侮辱されたと思うだろうと心配されるが、徽柔はその話を聞いており不敵にほほ笑む。
楊氏と徽柔は割といい好敵手のような気がしてきました。笑い事ではないですけどね

徽柔は楊氏を呼び出し、わざと「楊義姉上」と呼ぶ。嘉慶子が「公主が嫁いだ家では長幼の序が一等下がるため、国舅夫人は公主の兄嫁となる」と説明し、今後義母と名乗らないよう言い渡す。さらに、この屋敷は嫁入り道具で、ここの主は公主で楊氏は客人だと釘を刺し、下賜した宝物の手土産の中に白綾を入れて、天井に向かって放り投げる。
白綾には貞節の確認と、自死を命じる意味があるという匂わせ合戦でしょうか…

新たに髪結いになった董氏に、趙禎は里帰りの徽柔を心配させまいと血色よく見せるための衣を選ぶよう命じて、「大朝会より重視なさっている」と笑われる。老いた姿を見せて徽柔を悲しませたくないのだ。しかし徽柔は両親の前で、形ばかり新婚の体を取り繕う。
あんな新婚演技でも李瑋は満足なのかもしれないと思うと、結構悲しいですね~

楊氏は徽柔の仕打ちに激怒し、息子のふがいなさに憤るが、李瑋は徽柔に嫌な思いをさせたくないと俯くばかり。そこで楊氏は趙禎に訴えようと皇宮に出向くが、途中大きな葬列にぶつかる。それは狄青の葬列だった。狄青が文臣に侮られ、失意のうちに亡くなり子孫の前途が途絶えたことを楊氏は嘲笑し、自分ならうまくやると鼻息を荒くする。
狄青は文臣のいびりの末に、結局亡くなってしまったのですね、気の毒です

文彦博は狄青の早すぎる死を「宋の損失」だと語る。しかし趙禎は、病の間に文臣たちが狄青をくだらない噂話をもとに弾劾して責め立てたと非難するが、司馬光は「軍を統率できる者の枢密使への就任は祖宗の掟に背き国の分裂の危機だ」と弾劾の正当性を訴え、狄青が趙禎を悲しませる結果になったのは聖徳の書を十分に学んでいないためだと見下す。趙禎が怒りで悪化するのを見て、富弼は狄青の子に恩恵を授けて趙禎の痛惜の念を表すべきだと進言し、趙禎は狄青を宮中で弔い中書令に追贈し「武襄」の謚を授けると決定する。
韓琦ですら狄青をいびって趙禎を抑えようとしていましたからね…

楊氏が参宮したと聞いて、梁全一が急いで皇宮へ向かう。楊氏は趙禎や曹丹姝相手に真相は語らず、徽柔の新婚生活は暴露されずに済んだ。しかし梁全一はこのままではいずれ露呈するからと、梁懐吉にうまく助言するように勧める。しかし梁懐吉は徽柔が刺繍した手作りの香袋を贈られ「いまや頼りにできる人はあなただけ」と言われる。一方で徽柔は李瑋に「宋の規則」を持ち出して別の部屋での寝起きを要求し、李瑋は一緒の夕餉で妥協する。
梁懐吉はほぼ心の恋人状態になりつつあるのでは?

趙禎は地方から10年ぶりに戻ってきた韓琦と、久々に共に釣りをする。韓琦も大病を患い互いに老いたが、それでも立太子の諫言だけはと切り出す。趙禎はまたかと怒るが、実は「軽々に立太子はすべきではない」との進言だった。宮中に書院を設け皇族の子弟を教育し、そこで趙禎が近しい子弟と触れ合うのは趙禎と子弟の互いに利点があるというのだ。
書院の設置だと、宗実は太子候補から除外、みたいなニュアンスを感じますが…

このままでは家を継ぐ男児が生まれないと嘆く楊氏に、侍女の夏荷が「男児を産むのは公主でなくてもいい」と側室を置くことを提案する。そこで夏荷の提案で、徽柔に探りを入れてみるが、徽柔は世話係の若い娘という名目の側室を置くと聞いて、一も二もなく賛成する。しかし李瑋は反発し、楊氏に泣き叫ばれ脅されても側室は娶りたくないと言う…
この夏荷は、自分で李瑋を寝取る気満々な野心が漂っている感じですが…

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58~60話の感想

富弼、韓琦、欧陽修など、趙禎と同年代の才人たちが若い皇帝と切磋琢磨していた時代から20年近くが経過し、科挙の改革で若い蘇軾という若い才能が登場してきました。范仲淹や晏殊が生前なしえなかった改革を欧陽修が引き継ぎ、蘇軾の登場へとつなぐ構図が味わい深いですね。蘇軾といえば高校漢文で主に「赤壁賦」などで大いにお世話になったのが思い出されますが、彼は号から「蘇東坡」と呼ばれ、「東坡肉」(トンポーロー)の産みの親としても名が残っている人物です。その次世代才人を次世代イケメン「花の都に虎われて ~The Romance of Tiger and Rose~」のディン・ユーシーが演じているのが眼福ですね♪

そして今や老い衰えを感じさせるようになってしまった趙禎ですが、最も献身的に尽くしてくれている曹丹姝と張茂則に謀反疑惑をかけてしまうという最大級のやらかしからなんとか和解しました。趙禎はかつて「どこの夫が、生き菩薩の妻を望んでいる?」とか言っていましたが、曹丹姝が菩薩レベルの心の広さと深い愛の持ち主でよかったですよね。普通あれを許す妻はいませんからね…

そんな「理想の夫婦」から学ぶことなく、望まない結婚生活をスタートさせた徽柔ですが、案の定駙馬と同衾せず、姑を兄嫁扱いでやりたい放題です。徽柔が李瑋を好きになるポイントでもあれば解決するのかもしれませんが、李瑋にあの母親が付いている限りそれは難しそうです。李瑋だけだったら、一緒に暮らしていれば人柄にいつかは絆される可能性もあったかもしれませんが、曹評の姑が楊氏でも、百年の恋が冷めるレベルだと思います。
趙禎は徽柔を幸せにしたつもりかもしれませんが、破綻しかなさそうな未来を見守っていくのが非常に怖くなってきました。徽柔がどうすれば幸せになれるのか、それは皇帝陛下にさえどうすることもできないことかもしれません…

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ご訪問くださりありがとうございます!中国ドラマ.com編集長のクルミットです!普段から韓国ドラマを見ていましたが、ふとしたきっかけで中国ドラマを視聴ときにスケールが大きに驚き、中国ドラマ、台湾ドラマにもハマりました(笑)子育て真っ最中ですが、読んでくださる方に伝わりやすい文章を心がけていますので、良かったらご覧になってくださいね♪よろしくお願いします!

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