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クルミットです♪
承鄞の計略により、皇帝の手で高家は滅亡に追いやられます。しかし柴牧を死に追いやった皇帝は、明月の死の衝撃によって倒れ、承鄞はすべての復讐を果たしたことで小楓に芝居の終焉を告げますが、記憶が戻った小楓にはもう豊朝での生活は耐えられず、アドゥと脱出を図ります。そして小楓を追う中で承鄞はとうとう記憶を取り戻すことに…
とうとう最終話になってしまいましたが、ここからどう転んでもハッピーエンドになるような気がしません。それでも、二人の思いが少しでもいい形で結実するように祈りつつ、最後の瞬間まですべて見届けましょう♪
【東宮】(ネタバレあり)
第55話「最後の願い」
記憶を取り戻した承鄞は7日間眠り続け、ようやく目を覚ます。そこに軍から「高顕が西州王と結託し、謀反を起こした」との急報が入る。
空白の7日間、高右相はなく、皇帝も皇太子もこれで、豊朝大混乱だったでしょうね
西州は小楓の兄・曲天澤が即位していた。高顕は彼と手を組もうと、兵力の不足を趙北候・趙敬禹との協力で補おうとし、「小楓が切り札になる」とそそのかして逆に怒らせる。しかし高顕は、西州の威信を取り戻したいという曲天澤の野心に懸命に食い込もうとする。
曲天澤は父王時代も玉座のそばにいたイケメンです♪ 瑟瑟は錯乱したですって…?
小楓は豊朝との戦争の話を聞いて反対するが、兄王に「虐げられたお前の敵をとってやる」と言われる。両国の戦争など望んでいない小楓だが、自分の帰国が兄の戦意に火をつけたことを知り、愕然とする。
小楓の気持ちとか関係なく、兄さんは自分の野心に走っているだけなのではないかと
高顕は趙敬禹に協力を仰ぎ、和議に持ち込めば王として独立も可能であると持ち掛ける。さらに瑟瑟の件で承鄞への反感を煽り、趙敬禹は丹蚩から3万の兵を出すと約束する。しかし趙敬禹は高顕に協力せず、朝廷に恩を売り、高右相亡き後の覇権を狙うつもりだった。
狂った娘でも皇后は皇后とか言いつつ、父として娘の復讐を果たそうという事かも…
西州では「中原が攻めてくる」と聞いた民が脱出を始めていた。小楓は両親の墓に詣で、自分の帰還が中原と西州の戦争をもたらしたのかと悔やむ。アドゥに「もう記憶や愛のために苦しんではいけない」と諭され、小楓は西州の安寧のため自分の役目を果たそうと決意する。
小楓のせいではないのですが、小楓はどうしても自分を責めてしまいますよね
承鄞は趙敬禹を護国大将軍に任じ、出陣するが、病の皇帝は承鄞を引き留めるすべもない。
開戦前夜、覚悟のもとに高顕の部屋に潜んでいたアドゥが、寝台の下から高顕を刺す。高顕は瀕死で相打ちに持ち込むが、二人とも命を落とす。小楓は夜中に目覚めてアドゥがいないことに気付くが、高顕暗殺の刺客がアドゥとわかり絶望する。
アドゥもまた自分の役割を果たすため、丹蚩の民全員の敵を討って戦を止めようと…
いよいよ西州と豊朝の軍が対峙するが、小楓が高顕の首を持って両軍の間に割って入り、西州側の中原兵に「高顕の私心の犠牲となって同胞と戦う必要はない」と説く。この戦争は高顕の罠だと民のために訴える小楓に、両軍が心を動かされ兵は次第に武器を収めていく。
そして小楓は承鄞に「顧小五」と呼びかけて本心を伝え、西州の民のために戦いをやめてくれと訴える。小楓が顧小五に約束させた残り二つの願いは「生きているうちは中原軍に西州の土地を踏ませない」そして「生き抜くこと」だった。そして小楓は自らの命を絶つ…
最後の最後に想いが伝えられたけど、二国の平和のためにこんな犠牲はつらすぎる…
小楓の亡骸は曲天澤によって持ち去られ、それから数十年…
豊朝皇帝・李承鄞は、皇位を栄王・李承玟の長男へと禅譲し「太上皇」となり、ひとり東宮に佇んでいるところを裴照に見つけられる。長年朝政に打ち込み、豊朝初の無血譲位を成し遂げた承鄞だが、これから西州に小楓を探しに行くのだという。承鄞は今でも小楓の死を受け入れられず、裴照の説得にも耳を貸さない。承鄞はこれまでの記憶を背負い、いつしか忘川を探す旅に彷徨い続ける…
裴照はずっと承鄞を見守り続けていたのですね。皆さんお疲れ様でした!
最終話の感想
小楓にはずっと西州からの知らせがなく、王が壊れたまま統治を続けているのだろうかと思っていましたが、兄の曲天澤が即位していたのですね。兄王は豊朝の介入をはねのけたいという強い野心の持ち主でした。もし小楓が戦争を回避させなかったら、勝ち目のない戦いに突入して国を滅ぼした暗君となっていたことでしょう。
結局小楓は、西州に帰っても己の背負うべき責任から逃れられず、一命を賭して戦争を止めることで民を救うしかなかったのですね。明遠でもそんな犠牲は望まなかっただろうと思うのですが。丹蚩が滅びたことで危うい状態で保たれていたバランスが崩れ、朔博と西州はどう豊朝と慣れあっていくかしか生き残りの道がない状態なのに、兄王はやる気満々。小楓が遅かれ早かれ犠牲を払う道しか残っていなかったようにも思われます。小楓の流した血の重みが後世まで伝わるといいのですが。
そして承鄞は、他の妃嬪(というより娶ってすらいなさそう)との間に皇子を作ることがないまま晩年を迎え、そのまま禅譲したのですね。三兄といえば、母・魏修儀に説得され未練たっぷりに都落ちしていった栄王ですが、彼の息子の代で執念が実ったことになりますね。魏修儀も、もし生きていれば太皇太妃として天下をとったのかもしれません。
とはいえ、朝臣たちにとっては王朝の継続というのは死活問題ですから、承鄞もずっと在位中は「妃を娶って子をなせ」「誰を皇太子にするかはっきりしろ」という圧と戦ったのではないでしょうか。それとやる気満々で朝廷の主導権を掌握したであろう趙敬禹との戦いなど、なかなか壮絶な皇帝ライフだったのではないかと思われます
そのすべてから解放された承鄞の旅立ちが、第1話冒頭の「忘川を探して放浪する老人」につながっていくわけですが…小楓の死を受け入れられない気持ちと、重すぎる記憶を忘れたい気持ちと、すべての記憶を背負って自分を罰し続けたい気持ちと… 国を担う重い責任から解放されても、承鄞が背負い続けるものの重さははかり知れません。それでも、小楓から「生き抜いて」と言われた約束を果たし続けるという…
小楓が後を追うことを許さなかったのは、承鄞への復讐だけではなく、豊朝の民が主を失って混乱に陥ることを恐れ、彼の責任を果たさせることでもあったと思います。承鄞は最終的に小楓との約束はちゃんと果たせたのだと思います。その律義さを生前にわかる形で小楓に伝えていればよかったのですが、人生は皮肉ですね。
…ところで、このドラマには続編があるのを御存知ですか?
といっても、ショートドラマの形で、二人が現代に転生しているという設定で、4話制作されています。あまりにつらいエンディングに耐えられなかった皆さんは、ほのぼのとした「もうひとつの終わり」で心を休めてください♪ 裴照とアドゥも登場しますよ!
アップされている動画は「東宮 彩蛋」で検索してみてくださいませ。
全55話、お付き合いいただきありがとうございました。
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