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クルミットです♪
今回の大奉打更人35話は、優しさが裏目に出てしまう場面から始まります。許七安が用意した巾着を、鎮北王妃がまるごと乞食の親子に渡してしまうんです。良かれと思ってやったことなのに、金額の重みに気づいていない王妃の様子には、見ていてつい心配になりました。そして後半では、ずっと隠されていた大量殺戮の記憶にまで話が及びます。重い展開ですが、王妃の境遇にも胸が痛くなる回でした。それでは35話を一緒に見ていきましょう!
大奉打更人 35話のあらすじ
許七安は青衣の侍従に、西口郡の封印が解けた件について尋ねます。ところが相手はまったく心当たりがない様子で、これはおかしいと感じます。どうやらこの土地では、多くの人の記憶が自在に書き換えられているようです。
部屋に戻ると、鎮北王妃の姿がありません。許七安はまた逃げ出したのかと思い、法術を使って居場所を探ります。すると王妃は屋敷の裏で、乞食の親子に施しをしているところでした。
許七安は事前に、巾着の中身は気持ち程度渡せばいいと伝えていました。ところが王妃は、中に入っていた金瓜子を全部、乞食の親子に渡してしまいます。
まさか全部渡しちゃうとは、こっちがびっくりしました
乞食は目を見開いたまま、手を震わせて動けません。許七安が、この金瓜子は世間でも珍しい代物で、白銀にすれば数十万両にもなると教えても、王妃はぴんときていない様子でした。ひ孫の代まで生活に困らないと聞いて、ようやく事の大きさを理解します。
王妃、お金の重みをそもそも知らずに育ってきたんだろうなと思いました
この日、許七安は魅族の者と遭遇します。手がかりを得るため、まず逃げ出した二人の下働きを捕らえるのを手伝い、そのうえで王妃を囮に使い、「血屠三千里」の意味を聞き出そうとします。
敵わないと悟った魅族の男は、鎮北王が本当に欲しいのは王妃自身ではないと明かします。王妃の体には霊韻が宿っていて、それを吸い取れば二品仙階に昇れる。霊韻がなくても、二品の術士から大量に気精を奪えば同じことができるというのです。
王妃はただの道具として見られていたんだと分かって、嫌な気持ちになりました
男は「賢い者は時勢を知る」と言い、今のうちに王妃を鎮北王に差し出せば、今後の栄華も官位も約束されると持ちかけてきます。しかし許七安はその話に乗らず、そのまま男を追い払いました。
夜、許七安はわざと外で長い時間過ごしてから部屋に戻ります。すると王妃はまだそこにいました。許七安は、もう真実を知ったのだから、いつ出て行ってもいいと伝えます。誠実な目でそう言われても、王妃は自分がずっと品物のように扱われてきたと振り返ります。幼い頃に親から皇帝の元へ送られ、そこから鎮北王へまた贈られた身の上です。籠を開けても、逃げた先に行く場所がないと話す王妃の言葉が重かったです。
籠を開けても行き場がないって、一番つらい言葉だと思いました
許七安は粥を作って王妃に食べさせます。そこへ玉石の小鏡から合図が届きます。李妙真が重要な容疑者を捕まえたとの知らせで、その人物は許七安に会わなければ真実を話さないと言っているようでした。
許七安は王妃を任せると、馬を飛ばして三日三晩かけて李妙真の泊まる宿までたどり着きます。到着するなり体力が尽き、そのまま眠り込んでしまいました。
夜になり、李妙真が連絡していた人物が約束通り現れます。その人物は、「血屠三千里」の現場は布政使・鄭興懐が治める地域で起きたことだと打ち明けます。
許七安も李妙真も驚きます。鄭興懐は宮中に仕えているはずなのに、と二人とも困惑します。人物によると、それは偽者で、本物の鄭興懐はすぐ近くの崖の洞窟に身を潜めているとのことでした。
実際に洞窟へ案内されると、そこにいた鄭興懐はぼろぼろの服をまとい、髪もひげも荒れ果てた姿でした。李妙真は感情的にならないよう声をかけ、法術を使って許七安と鄭興懐を共感させ、あの日の出来事を一緒に追体験させます。
事件当日、鄭興懐は家族と食事をしていました。何でもない一日のはずが、護衛が慌てて駆け込んできて、城内の民衆が護国公によって城門に集められていると告げます。鄭興懐が駆けつけて何をするつもりかと問い詰めると、護国公はいきなり殺戮を始め、丸腰の民衆を次々と斬り捨てていきました。血が川のように流れる、目を覆いたくなる光景です。
丸腰の人たちをここまで容赦なく…読んでいて手が止まりました
この護国公は、密かに巫神教に寝返っていたのです。剣を抜いて鄭興懐に迫りますが、息子が自分の体で父をかばい、身代わりになって命を落とします。この記憶を思い出すたび、鄭興懐は息子を失った悲しみから逃れられずにいます。共感はここで終わります。
こうして事件の真相が明らかになりました。許七安もこの重さに引きずられます。これほど大勢の死者が出た事件が、ほとんど知られていないのはおかしい。背後には別の一族の力が働いていて、多くの人の記憶を消し去っているようです。その力は強大で、あの魏淵ですらつかみきれていないようでした。
大奉打更人 35話の感想まとめ
一番心に残ったのは、鎮北王妃の「籠を開けても行き場がない」という言葉です。許七安はちゃんと自由を差し出したのに、それを受け取れるだけの居場所を王妃は持っていません。ずっと物のように扱われてきた人が、急に好きにしていいと言われても困ってしまうのは当然だと思います。この人の孤独が、他の誰よりも深いところにある気がしました。
金瓜子を全部渡してしまった場面も忘れられません。王妃に悪気は全くなくて、むしろ優しさから出た行動なんですが、お金の感覚がそもそもずれているところに、育ちの異常さが透けて見えました。乞食の親子が固まって動けなくなる姿と合わせて、王妃の孤立がよけいに浮かび上がった気がします。
そして後半、鄭興懐の記憶を追体験する場面は重かったです。ただの日常が一瞬で地獄に変わって、丸腰の人たちが理由もなく殺されていく。息子が父をかばって死んでいくところは、正直つらくて読み進めるのに少し時間がかかりました。この護国公、完全に一線を越えています。
しかも記憶が改ざんされていて、これだけの事件がほとんど知られていないという事実が不気味です。魏淵ですら把握しきれていない力が背後にあるとなると、事件は思っていたよりずっと根が深いんだろうなと感じます。鄭興懐が洞窟でひっそり隠れて生き延びていた、あの丸くなった背中がしばらく頭から離れません。
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