ご訪問いただきありがとうございます！
クルミットです♪
とうとう年羹堯の罪が告発されることとなり、そこに曹貴人からこれまでの華妃の罪が暴露されたため、年羹堯と華妃は共に自害を命じられてしまいます。そして年羹堯を追い落とした功臣、瓜爾佳鄂敏の娘が祺貴人として入宮し、後宮は皇后を中心に、新しい諍いの戦いの火ぶたが切って落とされることとなります。
華妃が去ってこれで寵姫の頂点に立つかに思われた甄嬛ですが、絶頂の瞬間、一気にどん底に突き落とされる事態に！甄嬛をみまう爆速の不幸の連鎖になかなか気持ちがついていかないかもしれませんが、これが後宮というものなのです…
【宮廷の諍い女】(ネタバレあり)
第４３話「純元皇后」
皇后は、弘暄への温情が甄嬛の提言だと聞き、甄嬛の行いは度を超えていると苦言を呈しつつ、父親に利用されるのではないかと心配して見せる。年羹堯の件以来、雍正帝は功臣の娘だからといって過剰に寵愛しないようにしており、隆科多に対する警戒感も皇太后に語ったため、皇太后は隆科多が用済みとして切り捨てられることを予感する。
陛下を知り尽くした皇后が不安の種を植えて、次の崩壊への誘導が始まったようです
雍正帝は禁書にした汪景琪の「西征随筆」を手元に置いていた。甄嬛は汪景琪の晒し首に民が怯えると心配し、一族への過酷な処分にも情をかけるべきだと言うが、雍正帝は女子の考えだと一蹴する。碎玉軒は建て直されたが、祺貴人は戻さず甄嬛が一人だけ住まうことに。
甄嬛の何気ない提言ですが、皇后の誘導のせいで、陛下の心に不安の芽が…
夜伽の夜、雍正帝はうなされ寝言で「嬛嬛」ではなく「莞莞」と呼んでいた。安陵容は雍正帝が甄嬛のことを「莞莞」と呼んでいるのを聞き、皇后に微笑ましい話として語る。甄嬛の妃への冊封の礼服は用意するのに時間がかかるため、皇后は冊封の当日届けさせると言う。
なぜ急に「莞莞」？ 皇后は理由を察していそうです
沈眉荘の火傷痕が消えないため、甄嬛は安陵容にもらった舒痕膠を使う。しかし温実初はそれを見て不審に思い持ち帰って調べることに。
ようやく安陵容の闇が暴かれることになるのでしょうか？
瓜爾佳鄂敏は、甄遠道が年羹堯の盟友である銭名世の「古香亭詩集」を自宅で鑑賞していたことを問題視して、雍正帝に報告する。その内容が年羹堯を称えるもので、銭名世の友人でなければ入手不可能な刊印なき詩集だったことと、甄嬛が十皇弟の子を封じるよう提言したことを関連付ける。実はこの報告は、皇后が祺貴人を通じて行わせたものだった。
甄遠道がただの古書好きだと知っていて、そこを狙って讒言してきたのですね
雍正帝は新しい碎玉軒に甄嬛を訪ねて「古香亭詩集」を読ませ、十皇弟らを称える内容のため、作者を罷免すべきだと語るが、甄嬛は「十皇弟の処分前に書かれたものであり、詩書を処分すればいいことで、所有者を罰すれば恐怖で混乱が起こる」と答える。甄嬛に「考えてみる」と答えた雍正帝だが、しかし心の中に猜疑心が渦巻く。
甄嬛は瓜爾佳鄂敏の予想通りの答えをしてしまったわけで、というかこれも全部皇后のシナリオ通りに事が運んでいる、という感じがします
甄嬛が妃に冊封される日、碎玉軒は祝福に包まれる。しかし届いた礼服が破れていたため、内務府の姜忠敏に助けを求めるが、繕うのに数日かかるという。そこで姜忠敏は皇后の宮が修繕に出した礼服を代わりに使うことを提案する。槿汐はその礼服に見覚えがあったが、急ぐためにそのまま甄嬛は着替えて皇后への挨拶に向かう。
華妃も似たような抜き打ちテストで落とされましたし、絶対それ着ちゃダメなやつ…
皇后は頭痛で雍正帝を景仁宮に待たせていた。甄嬛が挨拶に訪れ、雍正帝はその姿を見て「菀菀、戻ってきたのだな」と呼びかけるが、礼服を着ているのが甄嬛だとわかり「無礼者！」と激怒する。その礼服は純元皇后のもので、よりによって純元皇后と初めて会った時の思い出の衣装だったのだ。甄嬛は事情を説明するが、雍正帝の怒りは激しく、昇格は取り消されて謹慎を命じられる。
甄嬛は何も悪くないのに… わざと着るわけもないのは考えればわかるでしょうに
姜忠敏は死罪となり、新しい内務府総管が碎玉軒に封鎖を命じる。甄嬛は槿汐が忠義を尽くしてくれた理由が、純元皇后に似ているからだろうと問いかける。寵愛されたのは純元皇后に似ているせいで、そのせいで陛下の怒りを買った今、もう挽回もかなわないと甄嬛は絶望し、皇后の仕業だと気付く。そして自分は純元皇后の身代わりに過ぎなかったのだと…
秀女選抜以来匂わされてきた純元皇后の影が、ここにきて明かされることに
雍正帝の怒りは収まらず、皇后は瓜爾佳鄂敏の提言や純元皇后への想いを利用した策がうまく行ったことでほくそ笑む。安陵容は陛下の怒りが一時的だったらと案じるが、甄嬛は自分が身代わりだと知ったら納得しないだろう、と皇后は見る。沈眉荘が甄嬛のためにとりなしにきたものの、追い返されて皇太后を訪ねる。しかし皇太后も頭を冷やすようにと言って帰らせる…
ようやく安陵容が前髪を上げました！安貴人となったからですね♪
第４４話「命を懸けて」
碎玉軒は再び冷遇され、食事も腐りかけが配給されるなど嫌がらせを受ける。甄嬛は意欲を失って体調を崩すも、侍医すら呼んでもらえずとうとう倒れる。なんとか侍医を呼ぼうと小允子たちは外に出て訴えようとするが遮られ、流朱が侍衛の刀に身を投じる。
流朱にはもっと輝かしい未来が待っていたはずなのに！
甄嬛が倒れたと知った雍正帝は激怒し、すぐに温実初を碎玉軒に遣わす。すると甄嬛の懐妊が判明し、温実初は「挽回の唯一の機会」と言うが、謹慎も解かれず陛下の配慮もない現状、甄嬛は喜ぶ心境になれない。しかし甄嬛は子供のために雍正帝に許しを請い、皇后に子を委ねるという手紙を書く。そうすることで皇后は子を守らざるを得なくなるのだ。だが甄嬛はまだ流朱の悲劇を知らない…
このタイミングで懐妊というのは、幸運なのか不運なのかわからないですね…
沈眉荘は皇太后に碎玉軒の件を訴えるが、「火に油を注ぐような真似はやめなさい」と諫められる。今許されたところで、甄嬛のこの先は安泰ではないのだ。甄嬛が姿の見えない流朱を心配して様子を見に行こうとしたため、浣碧は隠しきれず、流朱が侍衛を呼ぶために犠牲になったことを打ち明ける。槿汐に「将来敵を討つため、耐えてお子を守りましょう」と説かれた甄嬛は、悲しみの中で生き抜く決意を固める。
甄嬛の側に槿汐がいて本当に良かったです。浣碧は甄嬛の心配の種を増やしすぎ！
皇后は皇太后から、甄嬛が「皇后に子を守って欲しい」と言ってきたことを聞かされ、甄嬛の子に手を出すなと暗に釘を刺される。沈眉荘は雍正帝に直接、甄嬛を許してほしいと訴えるが聞き入れられず、沈眉荘の見舞いも許さない。皇后も甄嬛を見舞うように勧めるが、雍正帝は子が生まれるまで会うつもりはないと断言し、御花園に行くことだけは許す。
「子が生まれるまで～」っていうのは、子になら会ってやってもいい、っていう意味で…
甄嬛は五か月になったものの、いまだに雍正帝は会いに来ようともせず、安陵容からも何の慰めもなかった。沈眉荘は温実初に託した菓子に「心が縛られなければ自在なり」との文を寄せ勇気づける。甄家の家族には影響がないというので、甄嬛はひとまず安堵する。安陵容は産まれる前に手を打つべきだと皇后に訴えるが、世話を命じられたために皇后は手出しできない。そこで自業自得に追い込み、臨月の頃に母子ともに葬ろうと考える。
皇后は手下に安陵容を得たことで、闇に突っ走る歯止めが利かなくなった感じですね
雍正帝は銭名世を詩集による冒涜で罷免しただけでなく、官吏に銭名世の所業を誹らせた文集を全国に頒布するよう命じる。その中で銭名世に同情的な内容を書いた者にまで罷免や流刑を命じる。甄遠道がその批判の詩を書くことを辞退したというので、瓜爾佳鄂敏は甄遠道に異心があるのではと讒言する。そこで雍正帝は３日の猶予を与えて甄遠道が批判の詩を書くよう命じる。
君主として反論や批判は許せないのかもしれませんが、これはあまりに器が小さい…
温実初は甄嬛の食事などにも事細かに気を配るが、安陵容からのものについて歯切れ悪く注意を促してきたため、甄嬛は真意を問う。そこで温実初は、舒痕膠にかなりの量の麝香が入っていたことを明かす。甄嬛は衝撃を受け、沈眉荘には伏せて「皇后と陵容を敵に回すな」とだけ伝えさせる。落ち込む甄嬛に、槿汐は「たとえ優しくしても、相手が恩を感じるとは限らない」と言う。甄嬛は槿汐の的確な言葉に救われ、宝だと感じる。
いつか舒痕膠のことで、安陵容と皇后を追い詰められる日が来るといいのですが
雍正帝は甄嬛が毎晩眠れずにいると聞いて、人目を避けて碎玉軒を訪ね、弱って食も細くなっているのを見て、芳若に付き添いを命じる。甄嬛はそれを監視と受け止め、陛下は子のことだけが心配なのだと考える。欣貴人と祺貴人が通りかかるが、祺貴人は「寵愛を失った罪人」と甄嬛を嘲り、礼儀を尽くす必要はないと言う。甄嬛はそれを見て「後宮の女は御花園の花と同じ、一人老いても新たな女が入る」とつぶやく…
欣貴人が誠実？いやいや、これまで後宮で毒舌の上位ランキングじゃなかったですか？
第４５話「永遠の訣別」
甄嬛は御花園を散歩するうちに、「果郡王」を名乗った雍正帝との出会いの鞦韆を見つける。鞦韆の横に咲く杏の花を見て、最後の種が苦ければ美しさに意味はなく、ならば松のように生涯葉を付けたいと思うのだった。
出会いの頃の無邪気な甄嬛の笑顔が悲しすぎます
甄遠道は銭名世の件の追及はこれ以上必要ないと訴え、言官の任務として、詩書が問題となれば自由に発言できなくなることを危惧する。しかし瓜爾佳鄂敏が反省のない甄遠道の厳罰を求めたため、甄遠道は解任の上投獄され、家族は屋敷に監禁されることに。
甄遠道は、自分を陥れたのが瓜爾佳鄂敏だとは思っていなかったのでしょうね
重陽節で甄嬛は皇太后に贈り物をしたため、竹息が見舞いに遣わされる。しきたりでは８か月になれば母の入宮が許されるため、竹息は内務府に頼んでおくと言う。芳若と竹息は甄遠道の処罰に困惑し、ずっと隠すことは無理でも、お産が終わるまで絶対に知らせてはならないと申し合わせる。しかし甄嬛は竹息の様子に不審を抱く。
さすが竹息、芳若を超える古参の貫禄で、不穏な質問にも動じませんね♪
皇太后は、甄遠道を擁護して巻き添えで投獄された者が出たというので、後宮への影響を心配し、皇后に「子こそが何より大切」と言い聞かせる。皇后はすでに三人皇子がいるからともう必要ないと考えていたが、皇太后は先帝の例を挙げて「皇子が少ないのは皇后の責任」と断言し、螽斯門に立って皇太后の苦労を考えるよう命じる。
先帝も子が多いからこそ揉めて「九王奪嫡」だったわけで、適正人数はあると思います
皇后は、「螽斯門」とは皇族の子孫繁栄を祈って「螽斯（イナゴ）」の門と名付けられたのだと安陵容に語り、病で亡くなった皇子のことで心を痛め、次々に懐妊する後宮の妃嬪たちを見て苦しんできたと吐露する。安陵容はそれに対して「天下の母である娘娘に疎まれる子も、妃嬪も必要ない」と言う。皇后は安陵容に「臨月の莞嬪が悲しむから、甄家の没落を漏らしてはならない」と意味ありげに命じる。
「いいか押すなよ、絶対に押すなよ」というダチョウ倶楽部方式ですね…
甄嬛は８ヶ月になっても母の入宮を許されないことを不審に思い始める。そこに内務府の新入りの宦官・小貴子が易産石を届けてきて、甄遠道が瓜爾佳鄂敏に弾劾されて投獄されたことを話す。甄嬛はすべてを察して苦しむが、小貴子は安陵容が遣わした者だった。さらに安陵容は小貴子に命じて牢獄の甄遠道に鼠を送りつける。
安陵容がここまで黒くなれるのかと思うほどに真っ黒です
甄嬛に問い詰められた温実初は、甄家の状況を明かす。事の発端は瓜爾佳鄂敏が「逆族に同情した」と甄遠道を弾劾したせいだというので、雍正帝が瓜爾佳鄂敏の讒言を信じたのだとわかる。小貴子も新入りではなく、誰かの差し金で送り込まれたのだと察し、甄嬛は子を守るために陛下に会わなければと考え、温実初に同心結びと書状を託す。
１９話で、甄嬛への想いを託して贈られた同心結びが、こんな悲しい形で返されて…
雍正帝は亡き純元皇后を想って文を書き綴り、この世で「宛宛」だけが自分の理解者だと思っていた。そこに甄嬛からの書状が届き、雍正帝は添えられている同心結びに釘付けになり、養心殿に甄嬛を呼ぶ。甄嬛は「一方の意見だけで決めつけてはいけない」と訴えるが、雍正帝は「純元皇后への不敬は故意でなかろうが罪に変わりはない」と断じ、甄遠道も濡れ衣ではないと聞き入れず、甄遠道夫妻をすでに寧古塔への流刑に処したと言う。
これが帝王というものなのかもしれませんが、陛下にムカつきますね！
甄嬛は雍正帝が投げつけた紙の中に、純元皇后への文を見つける。そこには甄嬛が純元皇后に似ているものの、到底及ばないと書かれていたため、自分は一体何なのかと詰め寄るが、雍正帝は「面影があるだけでもそなたは幸運だ」と突き放す。甄嬛はここ数年の愛や時間がすべて無駄だったと絶望する。そこに甄遠道が鼠の疫病で危機的状態だとの知らせが入り、甄嬛は父の治療を求め、すべての罪は自分が負うと訴える。
「巫山の雲」は唐の詩人・元稹が妻の死を悼んだ詩「離思」からの引用で、「巫山の雲以外に雲はない」すなわち「亡き妻以外に心を動かされる女はいない」とうたったものです
碎玉軒に着いた甄嬛は出血しており、早産になる。沈眉荘は付き添うために駆け付けようとするが敬妃に止められ、沈眉荘は温実初に頼んで甄遠道を救ってもらうことに。雍正帝は知らせを待ちわびていたが、無事公主が生まれたと聞いて喜び、甄嬛を見舞いに碎玉軒へ向かう。皇后は公主と聞いて安堵し、雍正帝が心変わりしても甄嬛が受け入れないと見る。
これが皇子だったら、甄嬛の運命はさらに違ったものになったことでしょうね
甄嬛のもとに雍正帝がやってきて、「公主を産んだのだ、もう意固地になるな」と和解を切り出し、妃への昇格をも提案する。しかし甄嬛はもう以前には戻れないと拒絶したため、甄嬛の性格は後宮にそぐわないと、仏堂行きを命じられる。甄嬛は公主の名前だけは自分がつけたいと、「綰綰」と名付け、敬妃に公主の養育を託して後宮を出ることに。公主の封号は朧月と名付けられ、甄嬛は永遠の訣別を雍正帝に告げる…
陛下は何にもわかっちゃいない、と全視聴者が突っ込む場面だと思います
４３～４５話の感想
まるで華妃と年家の没落は前座だったかのように思えるほど、甄嬛と甄家はあっという間の転落でした。皇后が雍正帝の年羹堯への猜疑心を再利用して、「甄遠道だって同じ」とつついて、うまいこと操ったわけですね。そんな風に簡単に操られているのに、自分は明君ぶって過剰な罰を与える陛下にモヤモヤが募りっぱなしでした。
そして最初からかなり匂わせていた純元皇后の意味が、甄嬛の最悪の事態と共に明らかになりました。雍正帝にとって妃嬪は、純元皇后を思い出させるアイテムでしかなく、思い出補正がかかって最強になっていく存在を決して超えることなどありえない、らしいです。妃嬪全員が純元皇后の身代わりなのですね。安陵容などはそれを承知した上で、自分の声の良さを消してまで純元皇后に似せていたわけですが、知らずにいた甄嬛にとっては、今更知らされたことでかなりショックですよね…
甄嬛が雍正帝に突きつけた卓文君の「訣別書」ですが、有名な「白頭吟」に添えられていたものです。実は「白頭吟」は７話で登場していました。大晦日の倚梅園でし忘れた三つ目の願い事「一つの愛を持つ方に共白髪となるまで寄り添えること（願得一心人 白頭不相離）」が、「白頭吟」からの引用だったのです。陛下との出会いになった雪の倚梅園での願い事の他の二つは「家族の幸せ」「後宮で無事に余生が送れること」だったのですが、現時点で一つとしてかなっていない… 「一つの愛」は皇帝相手には無理な願いだとしても、せめて家族の幸せくらいはかなっても良さそうなものなのに、なんとも非情です。
これで甄嬛は子を託して後宮を出ることを決意しましたが、それで穏やかな生活を掴むことができるのでしょうか。ここが本当にどん底の最底なのか、まだまだ落ちる先があるのではないかと、心配は尽きません。
コメント