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クルミットです♪
太后の死後、親政をスタートさせた趙禎ですが、問題を起こした郭皇后を廃し、大臣たちが一致して勧める曹丹姝を皇后に冊立します。しかし曹丹姝が「賢明だが醜女」との噂を聞いた趙禎は、曹丹姝との最初の出会いからかけ違いを引き起こすことになります。
次第に皇后として趙禎の信頼を勝ち取っていく曹丹姝ですが、どうも夫婦としては最初の失敗が尾を引いていくようです。朝廷の対立など皇帝としての悩みは尽きませんが、趙禎にとっては苦悩も喜びもまだまだ入り口といったところでしょうか。
【孤城閉-こじょうへい】(ネタバレあり)
第10話「切ない片思い」
蘇舜欽(蘇子美)は欧陽修を呼び止め自宅に誘う。曹丹姝の幼馴染・杜有蘅を娶ったことが自慢の蘇舜欽は、友人たちを招いていたのだ。その蘇舜欽の文章が趙禎の目に留まり、高く評価される。そして左遷されている范仲淹が地方で詠んだ詩を見た趙禎は、「范知州と接ぎ木職人」という人形劇の演目を用意させるよう韓琦に命じ、呂夷簡に見せようと考える。
蘇子美の祖父・蘇易簡の名が出ましたが、「大宋宮詞」での蘇義簡です。あの義簡の孫!
曹丹姝のもとに苗心禾らが挨拶に訪れる。互いに贈り物を交わすが、曹丹姝の贈り物が狩りの獲物だというので兪氏は驚く。しかも曹丹姝が書き写していたのは「餅子の作り方」で、料理に造詣が深いという意外性で苗心禾らの心をつかむ。
曹丹姝の後宮デビューは「つかみはOK」という感じですね♪
欧陽修は、王拱辰の舅・薛奎から娘の薛幼渓を娶せたいと申し込まれていた。蘇舜欽の家の宴で王拱辰からその縁談の意向を聞かれ、酔った欧陽修は薛家の姉妹を相次いで娶った王拱辰を「お古の婿を新品にする」と侮辱し、そのことが杜有蘅のもとに遊びに来ていた王拱辰の妻・薛玉湖の耳に入ってしまう。
欧陽修は妓楼好きなチャラ男ですが、出世の玉の輿より科挙合格まで支えた「胥学士の娘」を娶った義理堅い経緯があったので… でも結局この後、薛奎の婿になるのですけどね!
宮中で人形劇「范知州と接ぎ木職人」が披露され、それを見た呂夷簡は困惑する。范仲淹が左遷されたのは廃后に反対したからだったが、曹皇后のことは認めるだろうと、趙禎が呼び戻しを打診したため、呂夷簡は同意せざるを得ない。
人形劇を使わなくても、もうちょっと簡単に説得できなかったのかと
趙禎は坤寧殿に立ち寄り、曹丹姝と打ち解けようとする。曹丹姝が醸造した酒の力を借りて、次第に空気がほぐれていくが、夜が深まった頃に曹丹姝は趙禎をやんわりと追い返し、趙禎は「皇后は婚儀の晩の仕打ちを恨んでいるのか」と困惑しつつも、夜伽を強要したくないと思う。曹丹姝は交わした言葉の中に想い人(陳熙春)の影を読み取り、自分を娶れと迫られたせいでその女子が宮中を出されたことを知り、自分は嫌われていると思い込む。
この先も、この二人のじれったすぎるすれ違いは延々続いていくと思われます…
閻文応は、浄妃となった廃皇后が新皇后冊立を聞いて自害を図り、服薬を拒否するなど騒ぎばかり起こしていると曹丹姝に報告する。そして浄妃の狙いは「陛下の注意を引くこと」だと言う。しかし曹丹姝は、閻文応が自分を若くて掟も知らないと見下していることを見抜き、しっかりと釘を刺して見せる。
前の皇后がああだったから、なめてかかってたのでしょう。これは曹丹姝、手強い♪
趙禎は入内して1年経って福寧殿に初めて曹丹姝が来たことで喜ぶが、曹丹姝が来たのは浄妃の報告のためだった。二人が話し込む間、侍女の繯児は宦官の鐐子と雑談していたが、鐐子の名前の由来から趙禎の優しさを知り、繯児と鐐子は互いの主の長所を語り合う。
繯児は頑張って、曹丹姝に鐐子から聞いた陛下のいいところを伝えてほしいです
曹丹姝は浄妃の処遇について趙禎にゆだねたいと申し出る。そこで趙禎は二か月前に情に絆され、浄妃を後宮に戻そうとしたことを打ち明け謝罪する。曹丹姝はそれを当然のことと受け入れるが、浄妃を同じ立場の者として同情しているのだという言葉を聞き、趙禎は廃后の経緯を説明し、浄妃から「後宮に戻るには大義名分がいる」と言われたことを明かす。曹丹姝は浄妃の後宮復帰を受け入れる条件として、苗心禾たちの昇格をもちかけ、話が終わるとあっさり帰ってしまう。
すでに曹丹姝のじらしプレイになりつつあるような…
繯児は趙禎が寂しそうだったと言うが、曹丹姝は「留めたいならひと言おっしゃればいい」と思う。趙禎の優しい人柄を説かれても、曹丹姝は自分が「よい皇后」になると信頼されているからこそ、その信頼を裏切れないため、自分自身を抑えるのだと言う…
共寝問題についてなら、ちょっとくらい信頼を裏切ってもいいと思いますよ!
第11話「暗闘」
「郭氏を賢妃に冊封し、苗心禾ら三名を昇格させる」というのが曹丹姝の案だというので、高若訥は三人の昇格に反対する。曹丹姝がかつて范仲淹の教えを受けたというので、太后並みのやり手だと呂夷簡らは危機感を抱く。
師が范仲淹だったせいで、曹丹姝は否応なく政争の一端に巻き込まれることに…
閻文応も浄妃の後宮復帰を受けて「準備」を命じられていた。ある晩遅くに、曹丹姝は任守忠から浄妃の急死を知らされ困惑する。張茂則が浄妃の亡骸を調べさせたところ、毒殺の痕跡はなかったが、閻文応が届けた薬は侍医が処方したものではなく、喘息を引き起こす薬だとわかる。趙禎は自分が殺したのも同然だと後悔するが、追い打ちをかけるように三妃の昇格に諫官たちが反対しており、曹丹姝への弾劾がなされていると聞き、愕然とする。
浄妃の復帰を拒みたいのは、呂夷簡の勢力ということになりますよね
趙禎は「三妃の昇格は自分の意志で、皇后は従っただけ」と説明するが、呂夷簡は「皇后であれば諫めるべき」と言う。多くの者が浄妃の死に呂夷簡の関与を疑っていたが、確証はなく、帰京が決まった范仲淹が呂夷簡と対立してまた罪に問われることを恐れ、趙禎は呂夷簡の弾劾の審理を取りやめ、親政になっても何一つ思うようにならないことに苦悩する。
呂夷簡を排斥すれば万事解決、というわけにもいきませんものね~
騒動は曹丹姝の耳にも入り、繯児は大臣たちの横槍に憤るが、曹丹姝は誰もが人の過ちが見えるが、己の欠点だけは見えないのだと語る。自分を皇后として見た場合、身勝手で掟を遵守しない存在に見えるだろうと気付き、焦りから妃嬪を籠絡しようとしたことを反省する。
あの程度の籠絡は誰でもやることでも、それにつけいる勢力があるから自重しないと…
景祐三年、朝堂に復帰した范仲淹が、自らが描いた「百官図」を献上し、呂夷簡による恣意的な任免権の乱用を指摘し、意に反する者を廃そうとするやり方を批判する。呂夷簡に近い高若訥が反論するが、次第に議論は熱を帯びる中、趙禎は話題をさらりと変える。
「百官図」は残っていなさそうですが、あの絵は実際に見てみたいですよね
韓琦や欧陽修たちは清風楼で酒を酌み交わすが、誰も呂夷簡批判について口にしないことに蔡襄は苛立ち、浄妃殺害への関係にも言及する。そこに料理を運んできた青年を見た韓琦は、彼が梁家の長男・梁元生だと気付く。梁元生は母と弟に仕送りをしているのだという。
やっと梁元生と韓琦が再会できました!梁元生も大人になりましたね♪
趙禎は「百官図」を眺めながら「大臣が宰相宅を再三訪れる件」という奏状を手に取り、この事態を打開する方法を考える。そんな中、程琳が先帝時代に持ち上がった西京への遷都問題を提起し、それに范仲淹が反対しているという。臨時の都の整備は必要だが、問題点もあるため、朝堂で提案してはと王曽が申し出るが、呂夷簡が范仲淹の意見には目新しいものはないと一蹴したため、趙禎はこの件については議論しないと決定する。
程琳は遼の席次の件で趙禎に嫌われた人物ですね。趙禎の笑顔がコワイ…
韓琦が范仲淹を訪れると、「帝王好尚論」をはじめとする「四論」を趙禎に献上するため準備されていた。その手厳しい内容に、韓琦は呂夷簡がどう出るかを心配するが、范仲淹は四論の感想を趙禎に求め、呂夷簡批判を展開する。呂夷簡と范仲淹は激しい議論を戦わせるが、趙禎は双方の意見を受け止めた上で、晏殊の復帰を提案し賛同を得る。
だんだん趙禎が老獪に。范仲淹と呂夷簡を柔軟にコントロールしている感じでしょうか
いつのもように仲間と清風楼に繰り出していた韓琦のもとに、「呂夷簡が范仲淹の左遷を起草し、あとは皇帝の承認だけ」との知らせが入る。欧陽修の呂夷簡への弾劾は「陛下は却下するはず」と止められるが、韓琦は「それは何とも言いにくい」と考え込む。一方、趙禎は曹丹姝のもとを訪れ、先帝が買った交趾の占城稲を見せ、これが年二回収穫できるようになったのは范仲淹の功労だと語る。しかし趙禎はすでに范仲淹の左遷を決定していた。
范仲淹はまた左遷ですか。占城稲の件を見ても、ずっと地方に置いた方がいいのでは
曹丹姝は范仲淹の「南京書院題名記」の中で好きな段落を書いてみせるが、飛白体をまだ極めていないと謙遜したため、趙禎は曹丹姝の手を取って寄り添って書いてみせ、二人の距離はぐっと縮まる。しかしいざとなると曹丹姝は素直になれず、二人の空気は噛み合わない。
視聴者みんなが二人を応援してると思うのですが、なぜにこうなってしまうのか…
晏殊が范仲淹を訪れると、范仲淹は「また左遷か」と察する。晏殊は趙禎の真意をはかりかねるが、范仲淹はそれでも自分の責任として諫言はしなければならないと考え、報酬30万両に見合う働きをする責任を果たさなければ害虫の螟螣と同じだと言う…
倍の60万両もらっていても、范仲淹は今同様、質素な暮らしのような気がします
第12話「栄誉の左遷」
曹丹姝のもとで過ごせなくなった趙禎は、苗心禾のもとへ向かう。繯児は「陛下は種籾を口実にお嬢様に会いたかったのだ」と、趙禎がまるで話本の恋に落ちた書生のようだと冷やかし、国事以外にも夫婦の話をするべきだと勧める。曹丹姝は「残りたくないから帰るのだ」と、皇后の自分が策を弄して引き留めてはいけないと、繯児を叱る。
皇后が子供を産むことも国の安定のためになるだろうに、なぜに意地を張る~
范仲淹は呂夷簡の非難に巻き込まれる仲間たちを慮って、籍田の儀の日に左遷先に出立するが、李紘と王質が見送りに。8年前と3年前に続き、三度目の左遷をされる范仲淹は、今回の左遷は呂夷簡の悪事を暴くことができて栄誉だと語る。
范仲淹が左遷に凹まず仲間たちに支えられているので、どうも呂夷簡が負けている感が
范仲淹とは余り付き合いのない余靖が「范仲淹の朋党」とされ、趙禎の前で反論したと聞いた尹洙は「范仲淹と近い我こそが朋党だ」と憤り上奏する。曹丹姝は趙禎の「范仲淹と呂夷簡の両者を使いたい」という意志を汲んだ上で「余靖は公平を装いながら陛下の肩入れを望んでいる」と指摘する。趙禎は曹丹姝の見立ては正しいが、一か所だけ違うと言う。
こんな話ができるのは曹丹姝だけだとわかってきて、趙禎も楽しそうですよね
蔡襄の余靖擁護文は多くの共感を得ていた。蘇舜欽はこのところの仲間たちの降格に沈んでいたが、文人の気概に気を取り直す。本来ならば呂夷簡を諫めるべき高若訥が忖度して范仲淹の降格を支持したため「清流」の怒りを買い、欧陽修も高若訥に対し痛快な批判を展開していた。曹丹姝は「范仲淹は呂夷簡に対して力不足」と評したが、趙禎は「儒家の理想を貫く范仲淹は多くの文人たちに支えられ、どこであろうと力を発揮できる」とその本質を理解し、あえて地方に范仲淹を送ったのだ。
趙禎がすごく明君に見えてきましたが… 本当にそれで大丈夫なのかな?
曹丹姝が知らせに来たのは、実は苗心禾のおめでただった。それを聞いて舞い上がった趙禎は、曹丹姝のことなど目に入らなくなり、曹丹姝は自分の立場に寂しさを感じる。王医官の診察で妊娠が確定し、趙禎は大喜びで「6年前母を失って以来やっと心が晴れた」と語る。
皇帝はこういう特殊生物なので仕方ないのですが、これは曹丹姝にとってはキツイ…
妊娠で不安定になった苗心禾は、大臣たちに「皇家の長子であれば我々が補佐する」と赤子を取り上げられそうになり、「この子は女子よ!」と抗おうとする悪夢を見る。苗心禾は以前、世継ぎを望んでいたが、今はその重圧に耐えられないと感じる。一方、趙禎は晏殊に講義を一緒にずる休みして、公主の名前を考えて欲しいとお願いする。本音では責任を負わなくてもいい公主を望んでいた。しかし百以上も考えても満足する名を考えられない。
ここで公主フラグをガンガンに立てられてしまったのですね
曹丹姝に朝餉に誘われた苗心禾は、顔色が悪いことで心配される。実は苗心禾の母や姉が名家の夫人たちに招かれ、お腹の子に高価な贈り物をしたり、趙禎の考えに探りを入れたりされたため、家族が政争に巻き込まれると恐れていたのだ。曹丹姝は、最初の子を産むということは面倒もあるが幸せなことだと説き、「あなたを信じる陛下を信じて」と励ます。
これ以上の皇后はいないのではと思うくらいの安定感… それなのに…
夏竦は、朝堂で泗州通判・陳恢の上奏を採り上げ、蔡襄が朝政批判の詩を作り市で売りさばいていることに厳重な処罰を求める。それに対して韓琦は「泗州通判なのに諫言するのは越権行為」と批判し、呂夷簡も参戦した議論を趙禎が諫めて朝議を締めくくろうとする。ところが呂夷簡が長子出産前に苗心禾の昭儀への昇格を提案し、王曽が呂夷簡の申し出は職権乱用にあたるのではと批判する。
呂夷簡派を越権行為砲と職権乱用砲で打ち返しましたが、屁理屈ですよね♪
昼をかなり過ぎての散会で疲れた趙禎は、曹丹姝の元へ軽食を取りに寄るが、出されたのが苗心禾お手製の菓子だと気づく。最近苗心禾からの菓子が届いていないことから、後宮の主が皇后なのだと実感し、朝臣が宰相におもねるように後宮の妃も同様だなと冗談を言う。
趙禎の冗談は、微妙すぎて笑っていいものか考えてしまいますね~
散会の後、蘇舜欽は呂夷簡のしっぺ返しに溜飲を下げるが、富弼と韓琦は逆に危機感を抱く。趙禎の生母の身分のことがあるため昇格は必至で、苗心禾の子が世継ぎとなれば、昇格させた呂夷簡に恩義を抱く恐れがある。しかしこれまで黙していた高位の王曽が呂夷簡に対抗したことで、今後の朝廷の戦いは大きく変化していくだろうと見られる…
生母の件がいまだに影を落としているという…
10~12話の感想
このドラマでは、若干、呂夷簡が旧態の象徴で悪代官風に見える描かれ方をしていますが、呂夷簡はその人心把握術が朝臣をまとめ上げ、仁宗の親政の序盤が安定した功労者であることは間違いありません。若手を中心にした范仲淹派と、保守的な呂夷簡派の対立の構図になっているため、後世の評価の高い范仲淹に演出の贔屓が偏っている感じに見えますが、趙禎は双方の長所をうまく使おうとして、それゆえの苦悩もうかがえます。
呂夷簡を演じている譚希和さんは、「琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~」で太監の高公公役が印象深い俳優さんですが、あの役も今回の呂夷簡も、動きや台詞が少ないのにオーラで感情を伝えるのが非常に巧みですよね。
苗心禾の懐妊が久々の趙禎の喜びとなっていましたが、朝廷の水面下で蠢く力関係が、母体の不安定さに影響しているようです。若手から見ると呂夷簡が政治的な主導権を握るための謀略のように思われていましたが、趙禎の苦悩を繰り返さないための気配りともいえるのですよね。ただその気配りは、曹丹姝が太后化しないようにという牽制にもなっており、どの道苗心禾の出産は政治的な思惑からは逃げられないということに。
それにしても、趙禎が廃皇后を宮中に戻そうとしたり、苗心禾の懐妊に浮かれていたり… 曹丹姝は皇后として完璧であろうとするものの、女としては夫の不実な態度は辛すぎます。ずっと想ってきた意中の人なのに、見ていて切ないです。早く素直になって夫婦としての絆を固めないと、後悔することになってしまいそうですよね…
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