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クルミットです♪
第39話はいよいよ最終章直前。
風筝に託された愛、宮廷に渦巻く陰謀、そして迫りくる“天寿節”――。
花芷と顧晏惜、それぞれが別々の場所で命を賭けて真実を掴もうとする姿が描かれます。
静かな優しさと、張り詰めた緊迫感が交錯する見応えたっぷりの回でした。
それでは第39話を一緒に見ていきましょう!
惜花芷 第39話のあらすじ
慎閣に幽閉された顧晏惜を想い、花芷はひそかに風筝を作ります。
そこには「南風知我意、吹夢到西洲(南の風よ、私の想いを運び夢を西洲に届けて)」の詩。
天文院の片隅から、そっと空へ放ちました。
慎閣の窓辺でその風筝を見つけた顧晏惜。
冷たく閉ざされた宮廷の中で、わずかな風と共に届いた花芷の想い。
彼の頬を伝ったのは、涙か、それとも安堵の笑みか――。
風筝が結んだ“言葉にならない手紙”。
会えなくても、想い合う二人の距離が確かに繋がった瞬間でした。
天文院では、皓月が花芷に歩み寄り始めていました。
「花家の男たちは北地に囚われていると聞いた。…恨んでいるのか、皇帝を?」
花芷は穏やかに首を振ります。
「恨んでも何も変わりません。
金を稼いでも家族は帰らず、それでもその金が民のためになったなら、それでいいんです。」
皓月はしばし沈黙し、
「あなたのように生きられたら……羨ましい」と呟きました。
一方、顧晏惜のもとに陳情から報告が入ります。
皓月が大量に買い集めているのは法器・薬材・紅い粉末。
医官の張医正にも毒性の判別がつかず、顧晏惜はその粉を芍薬のもとへ。
芍薬も初めて見る物質でしたが、「もしこれを突き止められたら、花姐姐と哥哥を救える」と聞くと目を輝かせ、
沈焕と共に古い薬方を片っ端から調べ始めます。
ろうそくが燃え尽きるまでページをめくる二人。
沈焕は「もう休もう」と言いながらも、芍薬の必死さに何も言えません。
その夜、花芷は皓月と共に観星台へ。
皓月が星図を読む最中、花芷は一箇所の誤りをそっと修正。
「あなた……星の学にも通じているのね」と皓月は目を丸くします。
二人はふと打ち解け、皓月は故郷の話を始めました。
「私の故郷には“氷海”がある。」
その言葉に花芷はハッとし、彼女が北地出身であることを察します。
皓月は目を細め、「口を慎め。深入りは命取りよ」と警告。
翌朝、夜空に月華がかかると、本当に雨が降り出しました。
顧成焘は大いに喜び、皓月に恩賞を与えます。
皓月は「五日後の天寿節、煙火を奉り再び甘霖を」と進言。
陛下の千秋を祈るという名目のもと、ある企みが静かに進行していきます。
皓月は自ら火薬作りに参加。
花芷は漂う硫黄の匂いに気づき、嫌な予感を覚えます。
彼女はこっそりその情報を顧晏惜へ伝信。
慎閣の暗闇で手紙を受け取った顧晏惜は、すぐに陳情に調査を命じます。
一方その頃、芍薬がついに紅粉の正体を突き止めました。
それは雄黄――火薬と混ぜれば爆発力を増す危険な成分。
彼女は慌てて街の薬鋪に駆け込み、全ての雄黄を買い占めます。
皓月の侍女がその様子を尾行。
芍薬が凌王府へ入るのを見て「計画が漏れる」と判断し、火を放ちます。
炎が屋敷を包む中、芍薬は煙に咳き込みながら倒れ込みます。
その時、沈焕が駆け込み、
「芍薬!」と叫びながら彼女を庇います。
燃え落ちる梁を背に受け、足を挟まれながらも、沈焕は芍薬を突き飛ばしました。
過去の記憶がよぎります――母が火の中で自分を守ってくれたあの夜。
芍薬は震える手で水に濡らした布をかぶり、沈焕を抱えて炎の中を突き進みます。
外に飛び出した瞬間、二人の体は煤にまみれていました。
そこに駆けつけた陳情。
芍薬は息を整えながら告げます。
「この粉……“雄黄”です。皓月は爆薬を作ってます!」
陳情はすぐに報告書を作成しましたが、官位が低く上奏できません。
顧晏惜も軟禁中、太后だけが残された希望。
すると六皇子が前に出ます。
「私なら太后に会える。」
天寿節当日。
宮中は絢爛な灯と歌舞で飾られ、
惠王・顧宴睿が笑顔で酒を差し出します。
顧成焘は何も疑わず一気に飲み干しました。
一方その裏で、六皇子と芍薬は太后のもとへ。
「皓月が爆薬を仕込んでおります!」
太后は顔色を変え、即座に懿旨を下します。
「陳情を呼べ。私の名で皇宮へ戻れ。」
やがて夜。
吉時が訪れ、皓月が観衆の前に立ちました。
「天に捧ぐ、煙火の礼――」
掛け声と共に、無数の火筒が点火され、夜空に華が咲き乱れます。
人々は歓声を上げ、顧成焘も満足げな笑みを浮かべました。
だが次の瞬間、太后からの使者が現れます。
顧成焘はゆっくりと立ち上がり、
「皓月、朕は知っているぞ。
七宿司が入れ替えぬままの“火蒺藜”――お前の手にあるそれが何を意味するかも。」
皓月の顔が蒼白になりました。
顧成焘は冷笑を浮かべ、
「七宿司が動かずとも、朕の許可なく誰も朕を焼けぬ。」
――宴の場に、張りつめた沈黙が走りました。
天寿節の華やかさの裏で暴かれた陰謀。
花芷の警告も、芍薬の勇気も、すべてがこの一瞬に収束します。
惜花芷 第39話の感想まとめ
最終回目前、第39話はまさに**「風筝から炎へ」**――愛と危機が一線で交わる回でした。
花芷が風筝で届けた想い、芍薬と沈焕の命懸けの救出、そして皓月の企み。
すべてが織り重なって“真実の夜”へと向かっていきます。
顧成焘の「見抜いていた」発言には鳥肌が立ちました。
神をも利用し、愛すら支配しようとする皇帝――対して花芷と顧晏惜は“人として信じる力”で抗っています。
次回、いよいよ最終回。
風と星と雨――すべてを見届けた二人が、どんな結末を迎えるのか。
最後の祈りがどんな空を描くのか、胸を締めつけられながら待ちたいです。
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