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『三国志外伝 愛と悲しみのスパイ -風起隴西-』は、2022年に中国CCTV-8・愛奇芸(iQiyi)で放送・配信された歴史サスペンス・スパイスリラーのドラマです。舞台は三国時代末期――蜀漢(劉備政権)による曹魏への北伐戦争の陰で繰り広げられるスリリングな諜報戦が描かれます。伝説的な密偵(スパイ)・陳恭が送り出した一つの偽情報によって、国家の命運を左右する大敗北が生まれ、彼を巡る真実をめぐって名もなき密偵たちの運命が複雑に絡み合っていきます。ドラマは、歴史の表舞台をも揺るがす巨大なスパイ事件の真相、権力や野心がうごめく戦争の裏側、そして「本当の忠義とは何か」「裏切り者は誰か」を問い続ける登場人物たちの苦悩と葛藤を中心に進行していきます。被害者でありながら加害者にもなってしまう人間たち…ではなく、本作では忠義のために“裏切り者”の汚名を背負わざるを得ない密偵たちが登場し、無名の英雄たちが、一発逆転で乱世を救おうと奔走する中で“地獄”のような疑心暗鬼に陥っていく悲劇と再生の物語が、圧倒的なスケールとリアリティで描かれます。
一方で、どんなに裏切りに翻弄されても諦めずに真実と忠義を貫こうとする荀詡(じゅん・く)や、国家の闇に立ち向かう仲間たち“正義をあきらめない”密偵たちの姿が、壮絶な運命の中に温かな友情と希望をもたらします。諜報の世界に生きる陳恭の生き様と対比的に、どこまでも苦いけれど、人を信じたくなる「人間味」と「希望」を感じさせてくれるドラマでもあります。ただの戦争スリラーではなく、義兄弟の絆や夫婦・仲間との絆、復讐や犠牲、そして「自分の信念をどう貫くか」という問い――時にハラハラ、時にホロリ、時に考えさせられる場面の連続で、“スパイミステリー”や“骨太な歴史ヒューマンドラマ”“心に残る人間ドラマ”が好きな方には間違いなくおすすめの一本です。戦乱の裏側をリアルに描きつつも、ラストには小さな光が差し込む――ぜひ一度、当ブログと一緒に“真実”の結末をのぞいてみてください♪
ここでは『三国志外伝 愛と悲しみのスパイ 風起隴西(ふうきろうせい)』のあらすじ・見どころを余すところなく紹介し、その尽きない魅力に迫っていきます。
三国志外伝 愛と悲しみのスパイ -風起隴西- あらすじ
物語は、蜀漢を揺るがす一大スパイ事件「陳恭事件」から始まります。公元228年、蜀の丞相・諸葛亮による北伐作戦が、ある密偵からもたらされた偽の情報によって失敗に終わりました
かつて曹魏に深く潜入し、5年以上も敵国で諜報活動を行っていた伝説の密偵・陳恭――彼こそが偽情報を送った張本人「白帝」ではないかとの疑惑が浮上し、蜀の情報機関内部は騒然となります。事件は“陳恭の裏切り”という衝撃的な結末で一度幕を下ろしますが、間もなくして蜀にもたらされた新たな不穏な動きにより、密偵出身のエリートで陳恭の義兄弟でもある荀詡が、再びこの事件の渦中へと引き戻されます。彼は陳恭の真意を突き止めるため、自ら危険な潜入捜査に乗り出すことに。そして、影で暗躍する“生きているかもしれない陳恭”の存在や、蜀に潜む謎の超高度な間諜「燭龍(しょくりゅう)」の影まで浮かび上がり、誰もが策を巡らし、誰もが誰かの“餌”にされていく中で、それぞれの復讐、犠牲、そして「本当の裏切り者」と「本当の忠義」が交錯し始めます。ここから、絶望と希望が交差するスリリングな物語の幕が開けるのです。
「風起隴西 各話あらすじ」はこちらから
ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。
こちらはオリジナル24話で書いていますが、NHK BS版は全17話となりますのでご注意ください。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話
第11話
第12話
第13話
第14話
第15話
第16話
第17話
第18話
第19話
第20話
第21話
第22話
第23話
最終回(第24話)
見どころ
まず一番の見どころは、ただのスパイサスペンスにとどまらない、リアルな人間ドラマです。「英雄と裏切り者は紙一重」というテーマのもと、登場人物それぞれが“善”にも“悪”にもなりうるという複雑でリアルな心理描写に惹き込まれます。特に、陳恭のカリスマ性と人間的な弱さ、一見忠義の士なのにいつの間にか裏切り者になってしまう人々――一筋縄ではいかないキャラクターたちが本当に魅力的!陳恭は冷徹なスパイでありながら胸に熱い想いを秘め、仲間すら騙さざるを得ない苦悩を抱える人物。被害者にも加害者にもなりうるスリルと人間臭さが同居する姿に思わず引き込まれてしまいます。
さらに、密偵・荀詡と陳恭の“忠義”をめぐるドラマも胸を打ちます。義兄弟でありながら疑念に引き裂かれ、それでも互いを信じ抜こうとする固い絆。
自分の信じる正義を貫くためにどこまで戦うのか、時には「正しい行い」が誰かを傷つけてしまう苦しさ――彼らの葛藤と決断がストーリーをグッと深くしてくれます。二人の魂の絆が最後の最後まで試される展開には、思わず胸が熱くなるはずです。
そして、裏切りとどんでん返しの連続!「この人は味方?それとも敵?」と、信じていた人物に裏切られ、次々と明かされる“真相”に毎回ハラハラさせられます。巧妙に張り巡らされた罠と駆け引きの応酬で、一瞬たりとも目が離せません。スパイ同士のだまし合い、二重スパイ・三重スパイが入り乱れる超高度な頭脳戦に、あなたも翻弄されること間違いなしです。
一見ただのスパイの裏切り捜しに見える物語が、実は“歴史の裏の政治劇”や“大人たちの策謀”、そして“希望を諦めない心”まで描いているところもポイント。
見れば見るほど考えさせられる深みがあり、単なる諜報ミステリーを超えた人間ドラマとして楽しめます。ラストには、“暗躍する真の裏切り者にも必ず報いが訪れる”痛快さと、「それでも希望を捨てない者」の強さがしっかり描かれているのも見どころです。犠牲の多い結末ではありますが、それでも僅かな希望の光が差し込み、見終えた後には深い余韻が残ることでしょう。ぜひエンディングまでじっくり堪能してみてください♪
歴史スパイサスペンスが好きな方、義兄弟や仲間との熱い絆に胸が弱い方、「史実の陰でこんなドラマがあったのかも…」と想像するのが好きな方には、間違いなく刺さるドラマです!緻密な策略戦と人間模様が織り成す本作、きっとあなたの心を掴んで離さないはずです。
キャスト・登場人物 相関図
中国ドラマ『三国志外伝 愛と悲しみのスパイ -風起隴西-』のキャスト&主な登場人物一覧です。
陳恭(演:チェン・クン)

「伝説の密偵――闇から舞い戻ったカリスマ」 数年にわたり敵国・魏に潜伏して情報を集めていた蜀の伝説的スパイ。蜀軍惨敗の原因を作った「裏切り者」と疑われ、表舞台から姿を消しますが、死んだはずの彼が密かに復活し、再び暗躍を始める物語のキーパーソンです。カリスマ性と人間臭さをあわせ持ち、冷酷非情なスパイでありながら内心では妻や祖国への熱い想いを抱き続ける複雑な男。その二面性はまさに怪物的で、ヒーローでありながら危うい魅力を放ち、思わず目が離せなくなります。
荀詡(演:バイ・ユー)
「忠義と情の狭間で揺れる“密偵一家”のエージェント」 諸葛亮に代々仕える密偵の家系に生まれたエリート諜報員。義兄弟である陳恭の真意を確かめるため、自ら命懸けの潜入捜査に乗り出します。頭脳明晰で執念深く、任務に懸ける忠誠心は人一倍。しかし同時に人間らしい情にも厚く、仲間や愛する人を守りたいという想いとの間で葛藤する姿が魅力です。“本当の忠義”を追い求めて苦悩する熱血さとひたむきさに心打たれます。どんな危機に陥っても最後まで諦めずに踏みとどまり、信念を曲げないその姿は、まさに本作のもう一人のヒーローと言えるでしょう。
柳瑩(演:アンジェラベイビー)

「傷だらけの密偵――絶望の底でも諦めない希望の灯」 荀詡が想いを寄せる女性であり、その正体は蜀の密命を帯びた女スパイ。過酷な運命に翻弄され、愛する人にも言えない秘密を抱えながらも、どんなに傷ついても使命を果たそうとする芯の強さが印象的です。美しく聡明で、敵味方の間で揺れ動きながらも“真実”を追い求める強い意志を持つキャラクター。自らの命を懸けて諜報戦に身を投じるその姿は健気で、思わず共感とエールを送りたくなります。物語の中で数少ない女性の一人として、一筋の清涼剤のように暗い戦局に希望の光をもたらす存在です。
相関図
評価・レビュー
韓国ドラマ「三国志外伝 愛と悲しみのスパイ」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
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最終回では陳恭が命を賭して蜀を守り、荀詡が新たな任務へと旅立つという、悲しくも力強い結末を迎えましたが、作品全体を振り返ると「スパイ戦の緊張感」と「人間模様の切なさ」がこれほど見事に融合したドラマはなかなかありません。
それでは『三国志外伝 愛と悲しみのスパイ』全体を通しての感想をまとめます。
複雑に絡み合う謀略の面白さ
この作品の大きな魅力は、やはり「誰が敵で誰が味方か分からない」緊張感にありました。
烛龍という存在をめぐって、蜀・魏・五仙道の思惑が絡み合い、嘘と裏切りが幾重にも重なっていく展開。
視聴者も常に「これは本当の情報なのか、それとも罠なのか」と疑いながら見ることになり、最後まで気が抜けませんでした。
歴史ドラマでありながら、まるで現代のサスペンスやスパイ映画のような緻密さで、謀略の奥深さを堪能できました。
陳恭という人物の悲劇
全編を通して最も印象に残ったのは、主人公・陳恭の生き様です。
彼は任務のために偽りを重ね、妻・翟悦を失い、兄弟・荀詡をも裏切らねばならず、最後には自らの命を差し出すことになりました。
「大義のために個人を犠牲にする」というスパイの宿命を、これほど重く描いた人物はいないのではと思います。
彼の最期の微笑みは、絶望と救済が入り混じった忘れられないシーンでした。
荀詡の真っ直ぐさと希望
陳恭が「策士」として疑念と偽りにまみれていったのに対し、荀詡は常に真っ直ぐに「真実」を追い求めました。
不器用さゆえに危うさもありましたが、彼の存在がこの作品を重苦しいだけでなく「人の信念が最後に残る」という希望へと導いてくれました。
最終回で新たな任務に旅立つ姿は、悲しみの中でも未来へ続く光を感じさせました。
翟悦と柳莹、女性たちの切なさ
翟悦の犠牲は作品全体の中でも最も心に残る出来事でした。
夫を守り、蜀を守るために自ら命を絶つ強さと哀しさ。
柳莹もまた、愛と任務の板挟みで揺れ続けた人物。
荀詡への想いが真実である一方、魏の密偵として生きざるを得ない姿に「愛しているのに共に歩めない」という切なさを感じました。
諸葛亮と李严、政治の厳しさ
戦場の謀略だけでなく、朝廷での政治的駆け引きも緊迫感に満ちていました。
諸葛亮が「大義」を掲げ続ける一方で、李严は「権力」を追い求め、最終的には破滅へ。
「志の違い」が人の運命を分ける様を、これほど鮮烈に描いた歴史劇も珍しいと思います。
全体を見終えて
『風起隴西』は単なる三国志の一幕ではなく、スパイ戦・権力闘争・友情・愛情すべてが交錯する人間ドラマでした。
陳恭の犠牲はあまりにも大きく、見終えた後はしばらく言葉を失いましたが、荀詡が歩み続ける姿に救われました。
「誰もが裏切る世界で、最後に信じられるものは何か」――その問いを視聴者に突きつけて終わる作品でした。
重厚でありながら見応えのある傑作だったと思います!
悲劇的な結末でありながら、「希望を託す」ラストに深く心を動かされました。
撮影の舞台裏
渋くリアルな映像美の秘密
『風起隴西』は従来の武侠ドラマのような派手な演出を避け、重厚で写実的な映像を追求しています。路陽(ルー・ヤン)監督は「ワイヤーアクションで俳優がひらひら飛ぶような武侠感は出さない」と決め、アクションシーンでも手持ちカメラを極力使わず固定撮影を徹底しました。全体に光を落として色味を抑えた渋い画作りで、三国時代の陰鬱な空気感を再現しているんです。照明も現代の強いライトではなく、炎や蝋燭、自然光に近い柔らかな明かりを活かしているのが特徴です。とはいえ本物の蝋燭の光だけでは撮影には暗すぎるため、燭台に小さな電球を仕込むなど工夫も凝らされたそうですよ。屋外撮影では太陽光の向きで影の位置が変わってしまうため、なんとセット全体を黒い布で覆い、太陽の動きに合わせて布を移動させながら光量を調節したとか。10分のシーンに丸1日かけることもあり、スタッフの苦労が伺えますね。
ロケ地と巨大セット
撮影の大半は浙江省の「象山影視城」(シャンシャン映画村)で行われました。主要な舞台となる蜀漢の諜報機関「司聞曹(しぶんそう)」の本部や、五仙道の祭壇、妓館「紫煙閣」など重要な建物は、すべてスタジオ内に新しくセットを建造しています。70~80人もの美術スタッフが約100日かけて作り上げた力作で、特に司聞曹の本部セットは敷地面積が5~6000平米(!)にも及ぶ巨大セットになったそうです。室内外とも徹底して作り込まれたセットのおかげで、ドラマ全体にリアリティが増していますよね。さらに、美術面では蜀漢と曹魏の地域ごとの風土の違いも表現されています。雨が多く湿気のある蜀では屋根は草葺き、日用品も竹や木製なのに対し、乾燥し黄砂が舞う魏では瓦屋根に陶器や漆喰を用いるといった具合で、両国の暮らしぶりの差が画面から伝わってきます。衣装も煌びやかな宮廷劇とは異なり、麻や綿といった自然素材にくすんだ色合いを使い、装飾を控えたデザインになっています。戦乱の世らしい質実剛健さを感じますね。
劇中の鎧(よろい)はほとんど本物を使用!ある出演俳優が試しに本物の剣で自分を刺してみたところ、ちゃんと鎧が刀剣を通さず防いだそうです…
こだわりのディテールあれこれ
小道具や殺陣(たて)のディテールにも注目です。登場人物の男性たちは皆、時代考証に基づいた様々なひげ面で登場します。当時、ひげは男性のおしゃれであり礼節でもあったため、各キャラクターの個性に合わせて形状を変えてデザインされているんですよ。アクションも、ふわふわ宙を舞うのではなく地に足の着いた渋い戦闘描写でした。特に剣術シーンは印象的で、第23話の陳恭vs黄預の対決シーンは手に汗握りましたよね!殺陣指導でも“三国時代当時には『武術』という言葉はなく『技撃』と呼ばれていた”という史実にならい、「二度刺しせず一撃で仕留める」「重心をぶらさずきびきび動く」リアル志向の剣さばきが追求されたそうです。さらに音楽にも驚きの事実が。なんと劇中音楽を手掛けたのは日本人作曲家の川井憲次さんなんです!
川井憲次さんといえば映画『イップ・マン』シリーズやアニメ『攻殻機動隊』などで有名で、中国作品の音楽も多く担当されています。本作でも重厚なスコアで物語を盛り上げてくれました。
劇中登場する空飛ぶ竹の鳥「竹鵲(ちくじゃく)」は、古代中国の飛行伝説にヒントを得た小道具です。紀元前の賢人・墨子が木製の鳥「木鳶」を飛ばしたという記録もあり、竹鵲のエピソードはまんざら架空でもないんですよ。
原作と史実の違いは?
ドラマの原作は、中国の人気作家マー・ボーヨン(馬伯庸)さんによる同名小説『風起隴西』です。もともと歴史好きの彼が「三国志の裏で活躍した無名のスパイたち」の物語を描いたもので、2006年発表のデビュー作だとか。馬伯庸さんの他の代表作には、テレビドラマ化された『長安二十四時』や『風起洛陽』などがあり、ご存知の方も多いでしょう。ただし、『風起隴西』はあくまでフィクション。舞台背景こそ三国志の史実に沿っていますが、諜報機関「司聞曹」や間諜(スパイ)たちのエピソードは創作になります。史実では諸葛亮(しょかつりょう)の第一次北伐(228年)の際、蜀軍は「街亭の戦い」で大敗し、責任を取らされた将軍・馬謖が処刑されました。いわゆる「泣いて馬謖を斬る」の逸話ですね。ドラマではこの敗因を「蜀側スパイ(白帝)からの情報が燭龍によって偽情報にすり替えられていたため」という設定に変え、ここから物語が展開していきました。史実の裏にこんなドラマがあったかも…と想像させてくれるのが本作の醍醐味です。実際の歴史では蜀漢はこの後も北伐に苦戦し、諸葛亮亡き後に滅亡してしまいますが、それだけに「漢の復興」に人生を捧げた間諜たちの悲哀が胸に迫りましたね。竹鵲(ちくじゃく)のようなガジェットも含め、フィクション要素と史実背景のバランスが絶妙で、歴史ファンでも引き込まれる物語だったと思います。
キャストの裏話あれこれ
主役コンビの化学反応にも注目!諜報員・陳恭(ちんきょう)を演じたチェン・クン(陳坤)さんと、相棒の荀詡(じゅんく)を演じたバイ・ユー(白宇)さんは、本作が初共演とは思えない息の合った演技を見せてくれました。実はチェン・クンさんはバイ・ユーさんより一回り以上(12歳以上)年上なのですが、それを全く感じさせないコンビネーションでした。チェン・クンさんは映画『さよなら僕のシネマハウス』(邦題:『小さな中国のお針子』)で知られ、日本でも20年来活躍している実力派俳優です。40代とは思えない若々しさと圧巻の演技で、謀略渦巻く陳恭という男の哀愁を見事に体現していましたね。「永遠の男神」と称される端正なルックスも相まって、本作で改めてファンになった方も多いのではないでしょうか?一方、バイ・ユーさんは中国で近年人気急上昇中の俳優で、現代ドラマからコメディまで幅広く出演しています。本作では荀詡の誠実さと葛藤を熱演し、特に義兄弟である陳恭への厚い信頼と、その裏切りに揺れる複雑な心情を細やかに表現してくれました。終盤で荀詡が涙ながらに陳恭を問い詰めるシーン、迫力があって胸を打たれましたね。
女性キャストにも意外な顔ぶれが揃っています。蜀に潜入する曹魏の女スパイ・柳瑩(りゅうえい)役を演じたのは、なんと中国トップ女優でモデルのアンジェラベイビーさん!艶やかな舞姫に扮しながら実は冷酷な間者という難しい役柄でしたが、妖艶さと凜々しさを兼ね備えた佇まいで物語に花を添えていました。柳瑩は荀詡への淡い想いも抱くキャラクターで、最後は彼女なりに陳恭と荀詡の絆に感じ入る場面もありましたね。アンジェラベイビーさんは普段バラエティなどでも明るいイメージですが、本作では新境地とも言えるシリアスな演技を見せてくれました。また、陳恭の妻・翟悦(てきえつ)を演じたスン・イー(孫怡)さんも要注目。実は彼女も蜀の密偵で、敵対勢力・五仙道に潜入していたという設定でした。翟悦は信念のため自ら命を絶つという悲劇的な最期を遂げ、彼女を失った陳恭が心折れてしまう重要なターニングポイントになりました。若手ながら堂々とした演技で視聴者に強い印象を残しましたね。
ベテラン勢の活躍も見逃せません。蜀の丞相・諸葛亮(しょかつりょう)役にはリー・グアンジエ(李光潔)さんが特別出演していますが、実はチェン・クンさんより5歳も年下なんです!それを感じさせない貫禄で知略の軍師・諸葛亮を演じ、「泣いて馬謖を斬る」の名場面も重厚に再現してくれました。また蜀の上司・馮膺(ふうよう)役のニエ・ユエン(聶遠)さんは、別の人気作『エイラク~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』で皇帝役を務めた大物。今回は一転して腹黒い黒幕的存在を怪演し、ドラマに深みを持たせています。そして楊儀(ようぎ)役のユー・ハオミン(俞灝明)さんにも触れたいです。彼は元々オーディション番組出身の歌手ですが、2010年に撮影中の事故で全身に大火傷を負い生死の境を彷徨った過去があります。そこから見事カムバックして本作に出演し、中盤までは影の薄い官僚と思いきや終盤で物語の鍵を握る重要人物となりました。ユー・ハオミンさんの存在感ある演技と、俳優として再起を果たした姿に胸を打たれた視聴者も多かったのではないでしょうか。
さいごに:もう一度見返したくなる!
いかがでしたでしょうか?『三国志外伝 愛と悲しみのスパイ -風起隴西-』の裏側を知ると、あの名シーンの見え方も変わってきて、また1話から見直したくなりますよね♪ 私は、陳恭と荀詡がお互いを想い合うラストの展開に改めて涙してしまいました…。史実の結末を知っているからこそ、無名のスパイたちの献身がより一層せつなく感じられるドラマでした。ぜひ皆さんももう一度ドラマを振り返ってみて、お気に入りのシーンや驚いたトリビアがあればコメントで教えてくださいね。それではまた~♪
基本情報
| タイトル | 三国志外伝 愛と悲しみのスパイ 風起隴西(ふうきろうせい)※中国語:风起陇西 |
|---|---|
| 英語タイトル | The Wind Blows From Longxi |
| 配信/放送 | CCTV-8(中国中央電視台)・愛奇芸(iQiyi) |
| 放送年 | 2022年 |
| 話数 | 全24話 |
| ジャンル | 歴史サスペンス・スパイスリラー |
| 演出 | ルー・ヤン |
| 脚本 | ジン・ハイシュー、ジン・ユー |
| 主な出演 | チェン・クン(陳恭役) バイ・ユー(荀詡役) アンジェラベイビー(柳瑩役) ニエ・ユエン、チャン・ユエン、スン・イー、イン・ジューション ほか |







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