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クルミットです♪
今回は、戦場で手柄を立てた宋墨と、実家へ呼び戻された竇昭の姿が描かれます。
親のために泥をかぶる息子と、親の思惑をきっぱり拒絶する娘。
同じ親子の話でも、二人の境遇はまったく違っていました。
特に宴席での竇昭の暴れっぷりは痛快そのものです。
それでは3話を一緒に見ていきましょう!
九重紫 3話のあらすじ
定国軍の少帥である宋墨は、自ら兵を率いて東渝の海賊船を奇襲しました。
捕らえた海賊から本拠地が舟島にあると聞き出します。
手柄を立てて名を残そうと、宋墨はすぐに舟島への進軍を決意しました。
兵糧が不足している過酷な戦いでしたが、見事な奇襲で舟島を攻め落とします。
福亭の町は勝利の喜びに沸き、民衆は大歓声で定国軍を迎えました。
ところが、側近の厳朝卿から思いがけない知らせが入ります。
父親である英国公・宋宜春が軍営に到着しているというのです。
急いで向かうと、宋宜春は蒋梅蓀によって縄で縛られていました。
大切な軍の情報を遅らせた罪で、今まさに鞭打ちの罰を受けそうになっています。
戦の邪魔をしておいて縛られてる父親の姿、情けなさすぎて言葉も出ません!
宋墨は寡兵で舟島を落とした大きな手柄を差し出し、父の身代わりを申し出ました。
周囲の兵たちも必死になって許しを請います。
蒋梅蓀は苦渋の決断として、宋墨に十回の鞭打ちを命じました。
本当は甥の宋墨を打つなんて、蒋梅蓀にとっても胸が張り裂けそうな罰です。
宋墨が危険を冒して舟島を急襲したのも、父を救う手柄を作るためでした。
傷口に薬を塗りながら、蒋梅蓀は宋墨の意図をすべて見抜いていました。
大切な妹を宋宜春に嫁がせてしまったことを、今でも深く後悔しています。
こんな身勝手な父親を持つ宋墨の境遇が、不憫でなりませんでした。
一方、趙思の娘である趙璋如は、毎日熱心に神様へ祈りを捧げていました。
五穀豊穣になって、たくさんのお金が儲かりますようにと手を合わせます。
しかし竇昭は、そんな神頼みなどまったく信じていません。
天に祈るくらいなら自分を拝んだほうがましだと笑いました。
今年の海賊は必ず一掃され、自分たちにも大金が転がり込むと言い切ります。
趙璋如は竇昭のことを女諸葛だとからかいました。
すると竇昭も負けじと、今年はお婿さんが見つからないと趙璋如を冷やかします。
姉妹のように二人がふざけ合っていると、侍女の素素が嬉しい知らせを持って駆け込んできました。
ところが三人で騒いでいる拍子に、素素の持っていた大切な紙幣が水の中に落ちてしまいます。
慌てて水から引き上げ、みんなで並べて乾かす羽目になりました。
素素は竇昭の先見の明に感心しきりです。
去年買いだめしておいたお茶や絹の値段が、今年は跳ね上がっていました。
この福亭で商売を続ければ、もっと大儲けできると素素は喜びます。
しかし竇昭は、手元にあるすべての荷物と船を売却するように命じました。
海賊が平定されれば、地方の役人が税金を重く課してくるに決まっています。
商売がやりにくくなる前に、別の商機を探すべきだと考えていました。
趙璋如は竇昭の商才を心から信頼しています。
竇昭が大富豪になれば、あの継母も済寧侯府もよだれを垂らして求婚してくるはずだと笑い合いました。
そこへ実家の竇府から使いの者がやって来ます。
父親の竇世英が重病で、娘の顔を見たがっているという報せでした。
竇昭は帰りたくありません。
でも、そばにいた師匠の陳曲水が静かに頷いたのを見て、実家へ戻る決心を固めました。
親の危篤を口実にして呼び戻すなんて、絶対に裏がありますよね。
その頃、宋墨も実家へ戻っていました。
弟のために珍しい戦刀をお土産として持ち帰ります。
しかし宋宜春は、帰ってきた宋墨を冷たい目で見下すばかりでした。
自分を縛った蒋梅蓀への恨み言を並べ、わざと目の敵にされたと怒りを露わにします。
母親の蒋蕙蓀は夫と兄の不仲を心配し、必死に間を取り持ちました。
宋墨を優しく慰めると、息子の好物を作るために厨房へ向かいます。
それでも宋宜春の愚痴は収まりません。
宋墨が蒋梅蓀の立場を少し庇うと、宋宜春は激高しました。
お前は一体誰の息子なのだと、冷酷な言葉を浴びせかけます。
耐えきれなくなった宋墨は、一人で寂しく街へと出ました。
通りを歩いていると、小さな子供に優しく付き添う父親の姿が目に留まります。
その温かな様子を見て、宋墨は父親が弟にだけ向ける慈愛に満ちた笑顔を思い出しました。
なぜ自分だけがこんな扱いを受けなければならないのでしょうか。
孤独と虚しさを抱えたまま歩く宋墨の耳に、講談師の語る声が聞こえてきます。
『昭世録』の影絵芝居を見せる露店の前には、大勢の人垣ができていました。
吸い寄せられるようにその場へ近づいた宋墨は、並んでいた仮面を一つ手に取って顔に着けます。
命がけで父を助けた息子に向かって「誰の息子だ」なんて、ひどすぎて怒りが湧きます!
同じ頃、竇昭を乗せた馬車が実家へ到着しました。
屋敷の前には豪華な馬車が何台も止まっています。
病気で伏せているどころか、身分の高い貴族の子弟たちを招いた華やかな宴会が開かれていました。
妹の竇明が駆け寄り、久しぶりの再会を素直に喜びます。
しかし竇昭の着ている服が地味なことに気づき、慌てて着替えさせようとしました。
そこへ継母の王映雪が現れ、着替えを遮って客たちに挨拶させようと急かします。
竇明は少し気が引けましたが、気の強い母親に逆らうことはできません。
父親の竇世英と一族の竇老五が、大勢の客を引き連れて広間から出てきました。
地味な身なりの竇昭を見るなり、竇老五は不快感を隠しません。
まるで妹の侍女のようではないかと、客の前で公然と竇昭を責め立てました。
すると竇昭は、表情を一切崩さずに切り返します。
近年は戦が続いているため、皇帝も皇后も率先して質素倹約に励まれていると言いました。
朝廷の役人である自分たちこそ、その姿勢を見習うべきだと説きます。
役人である竇老五は、この言葉に反論できませんでした。
自分がその配慮を欠いていたと認め、納得するしかありません。
竇世英はすぐに竇明にも地味な服へ着替えさせ、屋敷に飾られた派手な提灯も普通の提灯に替えさせました。
ちょうど屋敷へ足を踏み入れた鄔善が、この様子を感心したように見つめています。
一人になった竇昭は、庭にあるハクモクレンの木の下へ向かいました。
美しく咲き誇る白い花を見上げていると、父親の竇世英が静かに歩み寄ってきます。
自分が長年手入れをして、再び綺麗に咲くようになったのだと誇らしげに語りました。
しかし竇昭は、父親に冷ややかな視線を向けます。
先ほどの質素倹約という言葉は、ただの言い逃れに過ぎないと告げました。
本当は亡き母の命日が近づいているから、派手な服を着なかっただけです。
そして、この宴会が仕組まれた本当の理由も容赦なく突きつけました。
高官貴族に娘たちを引き合わせ、縁談を利用して朝廷に取り入るための集まりです。
自分を使って朝廷の人間と関係を作ろうなどと考えるなと突き放しました。
期待するなら竇明にすればいいと言い捨てられた竇世英は、胸を痛めて自責の念に沈みます。
庭の物陰へ移動した竇昭は、貴族の若者たちの下品なおしゃべりを耳にしました。
趙璋如のことをサトウキビの搾りかすだと小馬鹿にし、竇昭のことは財産目当ての獲物として品定めしています。
激しい怒りを覚えた竇昭は、雨量を測るために置いてあった竹筒をわざと倒しました。
溜まっていた水が、若者たちの頭の上から一気に降り注ぎます。
ただし竇昭は、あらかじめ銀貨を投げて鄔善の気をそらし、彼だけは濡れないように逃がしていました。
水を避けた鄔善は、物陰に隠れる竇昭の姿を目撃します。
機転の利く竇昭の振る舞いに、鄔善は好感を抱きました。
陰口を叩く若者たちに泥水をぶちまける竇昭、痛快で胸がすっとしました!
宴席では、男と女の席が屏風によって厳格に隔てられていました。
竇昭は趙璋如の隣に座り、ただご馳走を食べて耳が遠いふりをしていようと耳打ちします。
ところが男たちの側から、詩や対句を競い合おうという提案が出されました。
指名された妹の竇明は、教養が追いつかずに言葉に詰まってしまいます。
見かねた竇昭が屏風越しにそっと答えを教え、竇明に見事な返句を言わせました。
周囲から喝采を浴び、竇明は鼻高々です。
すると鄔善が屏風の向こうへ声をかけました。
ぜひとも竇昭の詠む詩や対句を聞いてみたいと求めます。
目立ちたくない竇昭は、きっぱりと拒絶しました。
代わりに趙璋如が筆を執り、即興で詩を書き殴って屏風の向こうへ放り投げます。
その詩を受け取った龐昆白という男が、下品極まりない対句を返してきました。
場にいた客たちも思わず眉をひそめるほど、最低な内容です。
筆跡を見た竇老五は、すぐにそれが趙璋如の字だと気づきました。
龐昆白を趙家の婿殿に迎えてはどうかとからかい始めます。
慌てた龐昆白は必死になって頭を下げました。
別の客が横から口を挟み、田舎育ちの娘だから詩が下手なのも仕方がないと趙璋如を侮辱します。
大切な親友を愚弄された竇昭の怒りは、ついに頂点に達しました。
勢いよく屏風の前に姿を現すと、傍らにあった扇子を奪い取ります。
滑らかな手つきで扇子に詩を一首書き付けると、男たちの前に突きつけました。
陳世元や龐昆白を名指しにし、権力者にへつらうだけの卑しい連中だと罵ります。
群がるハエや害虫と同じ存在だと、大勢の前で完膚なきまでに叩きのめしました。
呆然とする男たちを睨みつけ、竇昭は趙璋如の手を引いて堂々と宴席を後にします。
傲慢な若者たちを一喝した竇昭の才気と度胸に、鄔善は深い賛嘆の眼差しを向けていました。
屋敷の門前では、師匠の陳曲水が侍女の素心や素蘭と一緒に待っていました。
本当は才能を隠して目立たぬように過ごしてほしかったと口にします。
しかし怒りに満ちた竇昭の表情を見て、陳曲水は隠しきれなかったのだと察しました。
竇昭も師匠の真意は百も承知です。
でも、才能を隠せなかったことは決して悪い結果ではないと笑いました。
今日の騒ぎを見れば、もう誰一人として自分に求婚などしてこないからです。
見知らぬ家に嫁いで家政を取り仕切り、夫の側室やその子供たちの面倒まで見させられる生活など御免でした。
屋敷を離れて賑やかな街を歩いていた竇昭は、背後に怪しい気配を感じます。
誰かが自分を尾行していると直感しました。
咄嗟に露店に並んでいた仮面を買い求め、素早く顔を隠します。
そのすぐ近くの街角には、同じように仮面をつけた宋墨が佇んでいました。
九重紫 3話の感想まとめ
屏風の奥から堂々と飛び出して、取り巻きの若者たちを「ハエや害虫」と言い切った竇昭の啖呵が痛快でした。
親友の趙璋如が田舎者だとバカにされた瞬間、迷わず表に出ていく姿は本当に頼もしいですね。
自分の評判なんて気にせず、大切な人を傷つけられた怒りをそのままぶつけられる強さがありました。
他人の家に嫁いで側室や子供の世話なんて絶対に御免だと笑い飛ばす結婚観も、胸のすく思いがします。
一方で、宋墨の境遇にはやりきれない思いが募りました。
命がけで敵の拠点を攻め落とし、わざわざ手柄を父に差し出して身代わりに鞭打たれたのに、あの宋宜春の態度は何でしょうか。
感謝するどころか、助けてくれた蒋梅蓀の悪口ばかりで、宋墨の気持ちをこれっぽっちも考えていません。
弟には慈愛に満ちた笑顔を見せるくせに、宋墨には「誰の息子だ」と怒鳴りつける理不尽さには心底イライラします。
街中で優しい親子連れを見つめていた宋墨の背中があまりにも寂しそうで、胸が痛くなりました。
素顔を隠した二人が街中ですれ違う幕切れには、不思議な縁を感じずにはいられません。
家族の中で孤立して深い孤独を抱える宋墨と、窮屈な家から自分の力で飛び出した竇昭。
互いに素性を知らないまま、同じように仮面を顔に当てて同じ通りに立っている姿が深く心に残りました。
あの冷たい父親のもとへ戻らなければならない宋墨の行く末を思うと、どうしてもやりきれなさが残ります。
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