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クルミットです♪
宣徳帝・朱瞻基が崩御し、若微の子・朱祁鎮が正統帝として即位しましたが、若微はつい口うるさく説教してしまい、まだ子供だからと政にも干渉しがち。次第に祁鎮は母を疎んじ、甘やかしてくれる祖母・太皇太后や宦官の王振に寄るように。
そこに、張克倹の問題が地雷となり、家族の間に入っていたひびが取り返しのつかない方向に大明帝国を傾けていきます。朱家の魅力的な男たちが去って、暗君に振り回されるつらい展開が続きますが、明にも見る側にも、しばらくは我慢の時期ですよ♪
【大明皇妃 -Empress of the Ming-】(ネタバレあり)
第46話「新たな戦いの始まり」
若微は、任地で周辺民族相手の強盗や、脱税で問題になっている張克倹を都に呼び戻すよう太皇太后に切り出すが、弟を庇って聞き入れない。怒りのあまり若微は思わず祁鎮の親政を認めることを口走ってしまう。辺境の状況が日々悪化する中、正統帝・朱祁鎮の親政の大典が行われ、責任も自覚もない皇帝は万歳の声に恍惚となる。
舅・夫・息子の三代に仕えた太皇太后はさすがに老獪ですが、弟はなんとかして…
祁鎮の親政で王振の専横はさらに悪化し、朝臣の中には礼部侍郎の徐有貞のように、蝋で髭を抜いて宦官風の容貌になるものまでいた。王振はあらゆる方面で朝臣たちに強い影響力を持つようになっていた。
徐有貞も史実の人物です。このクセ強めな髭無しオッサンは今後沢山出て来ますよ♪
張克倹の略奪に抗議し、大同の城門にエセン率いるオイラト軍が迫っていた。陳文栄が「皇太后が賠償に同意した」とエセンを納得させるが、オイラトの張克倹への怒りは深い。
この中途半端な対応に、過去三代の皇帝ならどう解決したか考えてしまうのですよね
朱祁鎮は三楊から辺境情勢について説明を受けるが、賠償には消極的。そこに王振の養子・喜寧が身を投げ出し「侵略者に天誅を!」と叫ぶ。朱祁鎮は褒美を与えようとするが、玉座の後ろにいた若微が聞きとがめて激怒したため、朱祁鎮は母に許しを請うことに。若微は息子に皇帝としてあるべき姿を説くが、朱祁鎮は説教を満足に聞いていない。
これから何度「なんでこう育っちゃったかなぁ」と嘆く羽目になるのでしょうか…
張克倹はまだ懲りずに略奪を行っており、オイラトの馬車を襲って中にいる娘に手を出そうとするが、娘は武術の達人で、張克倹の仲間たちを全滅させ、張克倹の捕縛に成功する。娘はエセンの孫娘・チムグだった。
困り果てた陳文栄はエセンに使者を送り、大同城の全財産と引き換えに張克倹の解放を求めるが、エセンはたとえ明に攻められても応じるつもりはない。
チムグ、かっこいいですね!こちらはマフムードの遺伝子が正しく受け継がれている♪
部族長たちは張克倹の引き渡しを要求するが、エセンは、張克倹を処刑して明が攻めてきたら、自分を支持して出兵するよう部族長たちに約束させる。
張克倹はこの期に及んでまだ「自分は明の太皇太后の弟だ」と繰り返していたが、エセンの合図で辺境の民たちが張克倹に襲い掛かる。そして大同城の門前に、張克倹に惨殺されたオイラト人の遺体と、箱がひとつ置かれていた。
深夜、若微は緊急の軍報だと起こされる。届けられたその箱は、張克倹の首だった。
まるでマフィアの報復のような草原の復讐法…
張克倹の無残な死に、朝議の席で正統帝は激怒し、明に対する侮辱だと朝臣に対して演説をぶつ。それに対して王振の息のかかった朝臣たちが煽るように賛同し、正統帝は次第に興奮を高めていくが、出征に反対の三楊たちはその場の空気に困惑する。
若微の敵は、オイラトでも太皇太后でもなく、実は王振なのではないかと思います
第47話「深まる溝」
王振の取り巻きの臣下に乗せられ、開戦すべしと説く正統帝の演説を、三楊や若微は苦々しく見守る。そこに于謙が大殿に現れ「オイラトと戦をせずに解決できます」と、張克倹の死を口実に出兵してはならないと諫言する。于謙が張克倹を「賊」と言ったため、祁鎮は激高して杖刑を命じるが、見かねた若微が朝臣の前で一喝して阻止する。
かなり饒舌に演説していますが、文字にしてみると結構これ中身がないのですよね
若微は祁鎮に、于謙と二人で話し合うように勧め、太宗や先帝を引き合いに出して諭すが、逆に祁鎮は太皇太后を引き合いに出し、親政への干渉を疎んじる。
一方、王振は若微に対抗するため、養子となった朝臣たちに大金をばらまき、「親征を支持する」と奏上するよう根回ししていた。
朱祁鎮も王振も腹黒いことを考えているわけじゃなくて、この二人、本当にただあまり何も考えてなくて、皇帝ごっこと金儲けして気分良くなりたいだけなのですよね…
若微の勧めで祁鎮は三楊と于謙と会談するが、若微が意外にも三楊と于謙を厳しく叱りつけたため祁鎮は困惑する。若微は親征に理解を示すふりをして、三楊たちに反対させる策だったが、それに気づかず于謙が若微を非難し、祁鎮を怒らせてしまう。若微は于謙の反省を促しつつ守るため、北京から出すよう命じる。
于謙は本当に優秀なのでしょうか。彼は果たしてこれが何度目のしくじりなのか…
若微が太皇太后・張妍を訪ねると、部屋に白綾が吊られており、これから祖廟に挨拶して首を吊ると言う。二人は言い争いになり、若微は太皇太后から、祁鎮が母を女帝だと揶揄していると聞かされ、愕然とする。太皇太后の「あの子は朱姓よ、あなたは?」という言葉が、若微に棘となって突き刺さる。
あの部屋の乱れは、白綾を吊るために家具を積み上げたのかな?
その夜、太皇太后は祖廟にしつらえた祭壇で、祖先に若微を糾弾し、罰を与えるよう祈りをささげる。その声が聞こえているにもかかわらず、祁鎮は王振の故郷の話に夢中で聞き入り、真に天下の大元帥となる夢を王振と共に語り合っていた。
やがて激しい雷雨が降り出し、様子を見に来た若微に太皇太后は大笑いし「ご先祖様たちは激怒している」と言い放つ。
ご先祖が怒っているのはむしろ暗君とそれを甘やかす太皇太后に、じゃないかな…
若微は太皇太后に付き添って朝を迎えるが、目覚めた太皇太后はなおも若微が女帝になるつもりだと非難を続け、祖廟の前で泣いたのも、白綾を結んだのも祁鎮の提案だと言う。若微は母子を離間させるための嘘だろうと疑うが、太皇太后は、すでに若微と祁鎮は離間しており、これから母子の争いが始まるのだと不敵に笑う。
祁鎮も太皇太后も、国とか民の方を向いてないし見ていないから共感できないのですよ
若微は太皇太后の呪いのような言葉に混乱してしまう。
その頃、祁鎮は楊栄の講義を受けていたが、歴戦の唐の太宗が惨敗した話を通して、親征を思いとどまらせようとする内容に、屁理屈で反発する。しかしそこに若微が現れると、即座に態度を変えて講義を賛美してみせるのだった…
三楊もこのボンクラ皇帝の耳に念仏しないといけないのが、本当にお疲れ様です…
第48話「オイラトへの親征」
若微は息子・祁鎮に、太皇太后と自分の双方を挑発した件について問いただし、互いに腹を割って話そうとする。祁鎮は父や曾祖父のように軍を率いたいのだと訴えるが、若微はそれに対して「お前以外に皇帝はいないとでも?」と厳しい言葉を突き付ける。他の皇族たちがその座を狙っている現実に朱祁鎮は愕然とするが、「母上の愛は濡れた綿入れ」だとようやく本音を漏らす。それは着れば重く、脱げば寒い、と…
政治にはまるでセンスがなさそうな朱祁鎮ですが、なぞかけのセンスは抜群ですね♪
若微は息子の言葉に衝撃を受け、雨の中を泣きながら歩いたことで病に倒れた。目を覚ますと亡き夫・朱瞻基が帳の向こうに見え、助けを求めて寝台から起き上がると、その姿は消えていた。侍医から「陛下が己の血肉を裂いて煎じてくれる」と言われても、若微はただ呆然とするだけだった。
出た!ピンチの時の夢枕!…朱瞻基の夢枕は一番アテにならないじゃないですか~!
于謙は郊外の石灰窯の労役送りになり、楊士奇がわざわざ送り届けた。于謙は、幼い皇帝に何も言えない三楊を揶揄するが、楊士奇は皆が国のために耐えているのだと諭し、于謙が生き延びていつか重用されることを期待している、と言って別れる。
若微も三楊も、みんなが于謙に期待しているのに、本人が一番わかっていない気が…
若微は三楊を呼び、祁鎮の親征を受け入れると言う。それは若微が権力掌握しているとの悪評を防ぎ、祁鎮に広い世の中を見せるための配慮だった。そこで三楊に、実際に戦にならないように周到な計画を練るようにと依頼する。
楊士奇は于謙を送って来たことを報告する。若微は于謙のことを、国のために命をささげる者だと評価していた。だから祁鎮のために于謙を生かすのだと…
結局若微は祁鎮の帯を掴んだまま離せないのですよね。その気持ちはわかるけど~
朱祁鎮はこのままでは母に帝位を廃されてしまうと焦り、自分の肉を削ごうとするが、王振は危険だと止める。その騒ぎの最中に、皇太后から「親征に行ってもかまわない」というお達しがあり、祁鎮と王振は大はしゃぎする。
出征当日、若微は自ら手綱を引いて祁鎮を門まで見送る。「私がお前を愛するように民を愛しなさい」と、万感の思いで跪拝して、若微は息子を戦に送り出すのだった。
明正統14年、公元1449年、正統帝・朱祁鎮は北征に出発する。
この子は戦を修学旅行か卒業旅行か何かだと思っている節がひしひしと感じられ…
兵部はオイラト軍と遭遇する確率が低い行程を考え、永楽帝に仕えていた樊忠ら老将たちによって編成された50万の軍勢を見ればエセンも逃げだすだろうと想定していた。しかしそんな思惑を知らず、祁鎮は勝手に王振の故郷に予定を変更してしまう。
王振は大事にため込んだ全財産を戦場まで持参し、養子の宦官たちに護衛させていたが、金銀財宝を積んだ重い馬車は、雨でぬかるんだ道に車輪がはまり、非力な宦官たちは王振の叱責を恐れて、必死に馬車を押す。
「宦官の会」の歌が気になって、気になって…
若微はずっと徐浜の行方を探させていたが、市舶司から報告が届き、大港に停泊の船から上陸した者の中に徐浜がいたという。若微は喜び、すぐに来るように伝えさせる。
困ったときの徐浜!朱瞻基は崩御したから都に戻っていいのに20年も行方不明!
将軍・樊忠は、先鋒隊の進行が遅いのは、王振が畦道を通れと命じているせいだと知る。このままでは敵の奇襲から皇帝を守れないため、樊忠は皇帝に進言しようとするが、王振が自分の故郷の地は決して踏み荒らさせないと言い張り、樊忠を追い返す。そこに喜寧が「お宝」の車が進まないことの報告にやってきたため、王振は激怒して蹴り倒す。
朱祁鎮の思い出作りと、王振の故郷に錦のためだけに、無駄に怨恨が蓄積されていく…
オイラトの陣営では、張克倹殺害時の約束の出兵を果たさないウリヤンハイの族長を、エセンが激しく非難していた。そこに早馬が明軍の情勢を報告してきた。朱祁鎮が行き先を変更したため、明軍は雨で足止めされ、火器とは距離ができ、援軍も間に合わない。エセンは百年に一度の好機が来たと喜び、草原の部族たちも明打倒に意気が上がる。
百戦錬磨のエセンでも、この行程変更の理由は理解できないでしょう。ああ明軍ピンチ!
宣徳帝に罵られる悪夢を見て飛び起き、「殉葬されていれば悩み事などなかったのに」と自嘲する若微を、「今はあなた様が国の支え」と双喜がなだめる。降りやまない雨を見つめ、息子を思う若微だったが、祁鎮は自分に迫る危機も知らず、王振と遊びにふけっていた。そこに樊忠と大将たちが雨の中、外で跪いているとの報告が…
樊忠は何かと不幸なキャラですが、この危機には本当に同情してしまいます…
46~48話の感想
イケオジ天国から一転、ドラマの趣旨が子育てお悩み相談と嫁姑バトルになってしまいましたが、皆様大丈夫ですか?朱瞻基と若微の間に生まれた息子なのに、なんであんなにダメなのでしょう。鬼姑と化した太皇太后も、これまではあんなじゃなかったのに…
思春期の我が子がどんなにドラ息子でも、姑に息子を三文安にされて、母親の悪口を吹き込まれて母子関係が断絶しようとも、悪い友達に引っかかって家が破産するような浪費をされようとも、普通の家ならどうにか建て直しがきくかもしれませんが、それが皇帝一家の抱える問題なら、民の命がそこにかかってくるので大問題です。
なのに、皇帝自身がその自覚も責任感もまったくなくて、戦場がどんなものかも知らずに「戦争行って勝てばボクは名君だぞ!」っていう…本当に頭痛いですね。
そりゃ若微もクドクドと説教したくなる気持ちもわかります、言わないとわからないだろうし、相手は本当にわかってないし、国のためわからせないといけないし。でも、その説教が「濡れた綿入れ」だと言われてしまったら、もう何も言えなくなってしまいますよね。もっと早くから言えばよかったのか、言い足りなかったのか言い過ぎだったのか、若微ひとりでは背負いきれない重荷を見ると、「もうそれ捨てちゃっていいよ」って言ってあげたくなります。捨てられないけど♪
そして太皇太后ですが、これまでカラっとした人柄だったので油断していましたが、そういえば彼女も結構な後宮脳なのでした。後宮脳だと、自分が生き残り、のし上がるにはどうすれば、という発想でしか物事が考えられず、その結果国に打撃を与えるとか、多くの命が犠牲になるとか、そういう想像力が完全に欠落しているようです。ただ、皇宮という牢獄に一人生き残り、信頼できる周囲の人をすべて失った孤独の中で、彼女がこれからも生き続けるには、若微という敵を設定して闘い続けるしかなかったのかもしれません。
王振も、太皇太后も、彼らなりに言い分があり、仕方のない部分もあるとは思うのですが…
でも、多くの民を巻き添えにしていいことではないですよね。
さて、次回は大明帝国最大の黒歴史、「土木の変」になります。こいつ痛い目に遭わないとわからないだろうという朱祁鎮が、本当に痛い目に遭ってしまいます。曾祖父、祖父、父が頑張って積み上げてきたものを、一瞬で台無しにするのは暗君と宦官のお遊びだという、なかなか残酷なお話です。つらい展開が続きますが、多分、徐浜が戻ってきますから!そう、徐浜なら、徐浜ならなんとかしてくれる… かな?
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