楽游原 第32話あらすじと感想|李嶷、天下を背負う決意――愛と責任の狭間で

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『楽游原』第32話は、李嶷(りぎょく)がついに“逃げることをやめる”回。
戦乱を経て、彼はようやく天下の安寧のために立ち上がり、
太子としての責務を受け入れます。
その姿を見守る崔琳(さいりん)との絆も深まり、
二人の愛は「運命を共に背負う覚悟」へと変わっていきます。

それでは第32話を一緒に見ていきましょう!

楽游原 第32話のあらすじ

長い戦乱を終え、李嶷は崔琳を伴い青雲観を訪れました。
目的は、萧氏(しょうし)に会って「立太子」の是非を相談するためです。

李嶷は苦しげに言います。
「私は……太子などなりたくありません。
でも、他にこの天下を支えられる者がいない。」

萧氏は優しく微笑み、彼の手を取ります。

「世の理は思うようにはいかぬもの。
私もかつて望まぬまま太子妃となったわ。
それでも、選んだ以上は“悔いなき一手”を打てばいい。
あなたならきっと、落子無悔よ。」

“落子無悔”――人生を将棋に喩えたこの言葉が、萧氏から李嶷へと受け継がれる瞬間。
運命を受け入れる強さが描かれていました。

そこへ韓将軍が、太孫(たいそん)を連れて現れます。
久方ぶりの母子の再会に、萧氏は涙を流しました。

「この子が生きて帰れたのは、あなたのおかげです。」

礼を述べる韓将軍に、李嶷は静かに頷きます。
崔琳もその姿を見つめ、
「本当の英雄は、名を求めずに人を守るものなのですね」と呟きました。

その言葉に李嶷は苦笑を浮かべ、
「私はただ、誰かがやらねばならぬと思っただけだ。」

かつて自由を愛した“牢兰関の十七郎”が、
責任を受け入れた瞬間。李嶷の心の成長を感じます。

京へ戻る道中、二人は川辺に馬を止めて語り合います。

「戦も終わり、人々が笑える世にしたい。」
「ええ。文官は清く、武官は勇敢で、民は豊かに――
それが叶うなら、私はどんな道でも歩めます。」

李嶷は崔琳を見つめ、
「ならば俺がその道を開こう。」

ついに、彼は自らの意思で“天下を背負う”と決めたのでした。

この静かな誓いこそ、李嶷という人物の本質。
「欲のためでなく、義のために立つ」姿が眩しいです。

やがて朝廷では、正式に李嶷を太子に立てる詔が下されます。
新皇は頭を抱えながらも、「他に適任はいない」と認めざるを得ませんでした。

同時に議題となったのが――“太子妃の人選”。
皇后が提案します。

「顧相(こしょう)家の千金はいかがでしょう。」

翌日の朝議では、「太子に良縁を」という大臣たちの声が上がり、
世家の娘たちを集める“広選良媛”が提案されます。

しかし李嶷は、即座に反対しました。

「今は戦の爪痕が残る時。
民を驚かせるような選妃の儀は、時機ではありません。」

新皇は表向き賛成しながらも、結局は顧婉娘(こえんじょう)を推し進める構え。
顧相は表情を作り、「恐れ多い」と辞退しながら、
内心では静かに笑いました。

裴献(はいけん)はいても立ってもいられず、
「太子妃にふさわしいのは崔琳将軍にございます!」と上奏。

しかし朝堂は再び大混乱。
誰も折れず、議論は持ち越しとなりました。

政治の場で“愛”が議題になる皮肉さ。
崔琳が武将としてではなく、一人の女性として議論されることの重みを感じます。

太子就任の報を聞いた萧氏は、
「やっと、あの人が自分の宿命を受け入れたのね」と微笑みつつも、
崔琳を思い複雑な面持ちを見せます。

「太子妃の座は栄光であり、牢獄でもあるの。
彼女がその苦しみを知る日が来ないように……」

その言葉には、かつての自分への哀しみが滲んでいました。

その頃、李嶷は筆を取り、二人の思い出を一冊の絵巻に描き始めていました。
牢兰関の風景、夜空の蛍、篝火の笑顔――
そして余白をたくさん残しながら呟きます。

「この先も一緒に描こう。
歳を取ったら、ページをめくって笑えばいい。」

戦や政治に疲れた心が、ようやく“愛で満たされる”ような優しい場面でした。

一方で、裴献は急ぎ崔倚(さいい)のもとへ駆けつけます。
「今のままでは崔琳殿が太子妃にはなれません。
崔家軍を解散し、朝廷の疑念を断ち切るべきです。」

崔倚は黙って杯を置き、
「わしの兵を捨てるのは、命を捨てるのと同じだ。」

崔琳は静かに口を開きます。
「父上、朝も世も安定しました。
今こそ、戦うより“退く勇気”が必要です。」

父娘の視線が交錯し、
やがて崔倚は深く頷きました。

「ならば、お前が都に残れ。
わしは兵を連れて北へ戻る。」

戦う背中しか見せなかった父が、娘の言葉で初めて“退く覚悟”を見せる。
この親子の成長が感動的でした。

その一方で、顧婉娘は新たな策をめぐらせます。
彼女は李嶷のもとを訪れ、真っ直ぐに言いました。

「殿下、私は陛下の命令に逆らえません。
でも、あなたを苦しめたくもない。
もし太子妃の座を与えられるなら、私は尼になります。」

李嶷は驚きつつも、静かに微笑みました。
「婉娘、君の優しさは分かっている。
だが、誰が何を言おうと――私は崔琳を信じる。」

その言葉に顧婉娘の瞳がわずかに揺れ、
家に戻った彼女は父・顧相と密談を交わします。

「李嶷は私を選ばない。
でも、選べない状況にすればいい。」

顧相も静かに頷き、
「崔琳を排すのは“策略”であって“罪”ではない。」

愛と権力が交錯する“女の戦”。
顧婉娘がついに闇の側に踏み込む瞬間が描かれました。

その夜、崔琳が部屋に戻ると――
李嶷が彼女のベッドに寝転んでいました。

「いつもお前の部屋が落ち着くんだ。」

崔琳は呆れたように笑いながらも、
その手を握られた瞬間、ふと顔を赤らめます。

「これからは……子どもをたくさん産んでくれ。」
「もう、勝手に決めないで。」

二人が笑い合ったその刹那、
外から急使が駆け込みました。

「太子殿下、新皇がお呼びです!」

李嶷は崔琳の頬に軽く口づけし、
「すぐ戻る」と言い残して出ていきます。

しかし、宮廷の空気は凍てついていました。
大殿に現れたのは、捕らえられた揭硕人・加里(かり)。

「崔倚の首を……我らがもらう!」

再び立ちはだかる戦の影――
天下の安定と引き換えに、新たな嵐が幕を開けました。

楽游原 第32話の感想まとめ

第32話は、「李嶷が逃げずに立つ」決意を描いた節目の回でした。
太子という“権力の檻”を選んだ彼の姿には、
これまでの放浪と理想の果てに見つけた“責任”の重みがありました。

崔琳の「退く勇気」と李嶷の「進む覚悟」――
二人の成長が対照的に描かれ、互いを支える関係がより強くなったのが印象的でした。

一方で、顧婉娘と顧相の暗躍、
そして再び動き出す揭硕の陰謀が、
静かな幸福を飲み込もうとする不穏な影として際立ちます。

次回、第33話では、再び火蓋を切る戦と宮廷の策謀。
「天下を背負う」という言葉の本当の重みを、李嶷が知る時が訪れます。

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ご訪問くださりありがとうございます!中国ドラマ.com編集長のクルミットです!普段から韓国ドラマを見ていましたが、ふとしたきっかけで中国ドラマを視聴ときにスケールが大きに驚き、中国ドラマ、台湾ドラマにもハマりました(笑)子育て真っ最中ですが、読んでくださる方に伝わりやすい文章を心がけていますので、良かったらご覧になってくださいね♪よろしくお願いします!

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