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『楽游原』第37話は、ついに再び柳承鋒(りゅうしょうほう)が牙をむく回。
崔琳(さいりん)が仕掛けられた罠で倒れ、
愛と権力、忠義と裏切りが渦巻く中で、物語は大きな転換点を迎えます。
前話の幸福な余韻が一瞬で崩れ去り、再び“戦いと陰謀の物語”へ――。
緊迫感と痛み、そして愛の予感が交錯する一話でした。
それでは第37話を一緒に見ていきましょう!
楽游原 第37話のあらすじ
霧の立ちこめる庭で、崔倚(さいい)は亡き妻・賀敏の姿を見ていました。
香の煙がたなびく中、彼女は穏やかに微笑みます。
「あなた……来てくれたのね。」
しかし、その幸せな再会は長く続きません。
突如、背後から揭硕(けいしょく)人が襲来。
鋭い刃が賀敏の胸を貫きました。
崔倚は絶叫し、血を吐きながら剣を握ります。
「貴様ら……赦さぬ!」
大刀を振るい、敵を真っ二つに。
刃の先に散ったのは煙――
彼が斬ったのは幻でした。
そこへ慕仙鶴(ぼせんかく)が現れ、
「これで、心の枷が解けましたね。」
李嶷(りぎょく)と崔琳が駆けつけると、崔倚の瞳はようやく澄み、
「やっと、夢から覚めたようだ……」と微笑みました。
長年の心の傷を癒す、まるで“赦し”のような名場面。
老将が再び父として戻る瞬間に、胸が熱くなりました。
父の快復を聞いた崔琳は涙をこぼしながら李嶷の手を握ります。
「あなたがずっと支えてくれたのね。」
李嶷は照れたように微笑み、
「お前が笑えば、それでいい。」
しかし、崔琳の表情はすぐに引き締まります。
「柳承鋒の“死”が、あまりに不自然。
それに、ウロの弟・ウ延が京に潜んでいるそうよ。」
李嶷も即座に反応。
「今日入京した者の名簿を洗い出せ。」
こうして、二人は再び同じ“敵”を見つめるのでした。
その裏で、揭硕の大帳には不気味な笑いが響きます。
ウロの前に現れた“使者”――その正体は顧相(こしょう)。
「柳承鋒は信じられぬ。
だから私が直接来た。
お前たちが太子妃を殺せば、望むものはすべて与えよう。」
ウロは声を立てて笑い、
「面白い。朝廷の宰相と敵国の将が手を組むとは!」
顧相も微笑み返し、
「敵の敵は味方――ただそれだけのこと。」
ついに明かされた“黒幕”。
顧相がここまで暗躍していたとは……その冷徹さに背筋が寒くなります。
時を同じくして、揭硕が再び大裕の国境を侵犯。
新皇は頭を抱え、
「誰に任せる……李嶷は太子、出陣はできぬ……」
裴献(はいけん)は自ら名乗り出ますが、
顧相がすかさず口を挟みます。
「裴献は年老いすぎた。裴源を同行させるべきです。」
新皇は深く考えもせずに承認。
裴源が遠征することとなりました。
この決定に李嶷も動揺しますが、
「国のためには仕方がない」と静かに頷きます。
その夜。
崔琳が眠る傍らで、李嶷はそっと掛け布を直します。
灯の下で見せる崔琳の安らかな寝顔――
李嶷の唇には、静かな微笑が浮かびました。
翌朝。
二人は青雲観を訪れ、崔倚と太孫・玄澤の穏やかな姿を見て安堵します。
「父上の笑顔を見るのは久しぶりね。」
その帰り、二人は豊迎楼へ。
慕仙鶴を招き、感謝の宴を開きました。
李嶷は笑いながら杯を掲げます。
「お前の幻術のおかげで父上が戻った。」
慕仙鶴は照れくさそうに笑い、
「お礼ならこの料理で十分です。」
食後、彼は小さな袋から粉を取り出し、
「ほら、見ていてください。」
吹きかけた瞬間、無数の萤火虫が夜空に舞い上がりました。
崔琳が思わず息をのむほど幻想的な光景。
“萤火虫”は二人の愛の象徴。
過去の記憶と重なり合う演出がとても美しかったです。
一方その頃、
崔家軍の残党が残る孛州では、過酷な現実が待っていました。
官吏たちは兵を奴隷のように扱い、
食糧も与えず、鞭で打ち据えます。
「こんな仕打ち、黙っていられるか!」
怒りに燃える将士たちは、
副将・譚を推し立て、逃亡して西長京へ向かいました。
彼の目的は――崔倚、あるいは崔琳への直訴。
崔琳はこの報を受け、
「父上を煩わせたくない」と単独で解決に向かう決意を固めます。
夜。
李嶷はふと絵巻を開きました。
そこには――“自分が跪いている絵”。
「これは……?」
崔琳が描いた悪戯絵に、彼は苦笑。
「俺はそんなに跪く男に見えるか?」
「今は違っても、いつかそうなるかもね。」
ふたりは笑い合い、
小競り合いの末、またも李嶷が崔琳を抱き寄せ、
唇を重ねます。
わずかな幸福。
戦乱の嵐の中で、ほんの束の間の“夫婦の温もり”が描かれました。
翌朝。
李嶷を朝堂へ送り出した崔琳は、桃子を連れて豊迎楼へ。
そこに現れたのは、逃亡兵・譚副将。
彼の顔には無数の傷跡。
「太子妃様……孛州の兵たちが……!」
崔琳は落ち着いた声で促します。
「話して。」
譚副将は匣を差し出しました。
「皆の血書です。どうか陛下に――」
崔琳が蓋を開けた瞬間――
数本の毒針が飛び出し、彼女の腕を刺しました。
桃子が悲鳴を上げる間もなく、二人は意識を失い、
床に崩れ落ちます。
暗がりから現れたのは――柳承鋒。
「やっと……捕まえた。」
冷たい笑みを浮かべ、部下に命じました。
「この二人を、連れ出せ。」
やがて李嶷が崔琳の不在に気づき、
慌てて豊迎楼へ駆けつけます。
そこに残っていたのは、
床に刺さった針の跡と、微かな香の匂いだけ。
李嶷の顔が蒼白になります。
「……柳承鋒。」
即座に命令を下しました。
「禁軍を動かせ!城門を封鎖せよ!」
雷鳴のような怒声。
愛する人を奪われた李嶷の怒りが、静かな宮城を震わせます。
楽游原 第37話の感想まとめ
第37話は、“幸福の絶頂から地獄への転落”を描いた回でした。
萤火虫の宴で描かれた穏やかな時間が、
終盤の毒針事件で一気に切り裂かれる構成が見事。
顧相がついに黒幕として姿を現し、
柳承鋒との再タッグで物語は再び最大級の陰謀モードへ突入。
「萤火虫の光」と「毒針の闇」――
光と闇の対比が象徴的で、まさに“運命の分岐点”を感じさせました。
崔琳と桃子の誘拐、柳承鋒の復活、そして顧相の裏切り。
次回、第38話では、李嶷の怒りが爆発し、
愛と復讐が交錯する“救出篇”が幕を開けます。
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