孤城閉-こじょうへい-あらすじ-16話-17話-18話-感想付きネタバレでありで!

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梁元生は、弟が県令と結託した叔父の妻に売られてしまったことを知り、助けを求められた韓琦が、県令をとりたてた呂夷簡の汚職を暴き宰相の座から引きずり下ろします。その弟・梁元亨は宦官となって皇宮に入っていましたが、避諱の罪を犯したのを、趙禎の長女・徽柔の誕生により救われることに。

曹丹姝との溝はなかなか埋まらず、政に関しても自分の思うようにはならない趙禎ですが、さらに西の辺境で西夏の謀反が発生したことが、様々な方面に影響を及ぼします。内憂だけでなく外患にも悩まされることとなる趙禎はどういう方向へ向かっていくのでしょうか。

【孤城閉-こじょうへい】(ネタバレあり)

第16話「理想の宰相」

趙禎は賈玉蘭と張妼晗を下がらせ、曹丹姝と話をすることに。曹丹姝は自分が厳格すぎたと自省したため、趙禎が腹を割って本音で語ろうとしたところ、激しい地震が皇宮を襲う。趙禎は曹丹姝を守ろうとするが、逆に曹丹姝が「陛下をお守りせよ」と命じ、的確に指示を出す。趙禎は目を配り続ける曹丹姝の後ろ姿に、先帝崩御の際、悲しみを見せずに指示を与える皇后・劉娥の姿を重ねていた。
趙禎が「太后に似ている」と思ってしまったのは、なかなか致命的だと思われます

梁懐吉は翰林書院で雑役として働いていたが、韓琦たちのもとへ使いに訪れる。富弼が目を留めて名前と年を聞いたことで、韓琦は彼が梁元亨だと気づき、目をかけて近くで手伝いをさせることに。
梁懐吉は韓琦のことは覚えていないかもしれませんが、再会できたことは幸運ですね!

趙禎は、最近晏殊が立場を慮って諫言を控えるようになったことを残念に思い、講義の場では永遠に師であって欲しいと言うが、晏殊は以前と同様では失礼に当たると考える。西夏の趙元昊の叔父・趙山遇が、趙元昊の謀反を申し立てて保安軍に投降したが、保安軍が追い返したため、山遇は元昊の待ち伏せで亡くなった。晏殊は対処を進言するが、二府(中書省と枢密院)が報告を放置したことに趙禎は大激怒する。
西夏の不穏な動きも問題ですが、内部の情報の伝達の遅れはさらに大問題ですね

晏殊は、宰相に就任した王随と陳堯佐は就任してまだ日が浅いから国事を把握できていないのだと擁護する。罷免するにしても後任を誰にするのかが悩ましい。韓琦は王随批判の奏状を書き上げて蘇舜欽と富弼に絶賛されるが、問題は誰が宰相にふさわしいかということだった。韓琦は晏殊が適任だと見るが、まだ時期ではないとも考えていた。
しょっちゅう左遷しているから、優秀な後継者が育っていないという悪循環でしょうか

「知者過之、愚者不及也」との言葉から、朝臣たちの不足を並べる趙禎に、晏殊は朝臣の長所を見て「陛下の朝堂はまさに多士済々、活気に満ちている」と評する。過不足を時と場に応じて使い分ける権限は趙禎にあるのだと説かれ、趙禎は現状を考え直す。韓琦は、今朝廷に必要な宰相は呂夷簡だと考えていた。左遷で呂夷簡の権力が強固でなかったことが証明され、富弼は「弾劾しても効果がなかったのは、陛下にその気がなかったからだ」と気付く。
やはり趙禎には、晏殊の導きはまだまだ必要なのかもしれません

夏竦は賈玉蘭と秘密の関係を持っていた。才覚で太后をしのぐとの評判の皇后を相手に張妼晗には勝ち目がないように見えるが、夏竦は「陛下の心など誰にもわからない」と言う。夏竦は雨の中帰っていく賈玉蘭を見送り、賈玉蘭は昔贈られた首飾りに思いを込める。若手文人たちは夏竦作の詩「鷓鴣天」を絶賛し、若い頃の別れを詠んだ作品は特に素晴らしかったが、本人に会ったら「権力に媚びる女好きの太っちょ」だったと酷評する。
この二人が愛人関係だとは…正式な婚姻ができなかった関係性なのでしょうね…

梁懐吉の文字を見た富弼は「学んだ者の字だ」と誉める。韓琦も仕事に取り組む根気を評価し、任守忠に頼んで梁懐吉を御書院付にしてもらう。韓琦と趙禎は出会った頃のことを語り合い、商業の重要性の施策を行うには天地人が揃う時機が必要だとし、趙禎は韓琦がこの先必ず国の柱になると評価する。その後、韓琦は四人の宰相を弾劾し、趙禎はその協議を命じるが、韓琦は内心己の左遷を覚悟していた。
韓琦が初心を忘れていなくて、きっと趙禎は嬉しかったのではないでしょうか

地震の後の暴雨で眠れなかった曹丹姝は、風邪をひいていたが、侍医は呼ばずに治そうとする。趙禎がこのところ忙しくてどの妃嬪も召しておらず、繯児が「あの小娘も」と軽口をたたいたため、曹丹姝は外出禁止と世話から外す罰を与える。
繯児はあの夜の張妼晗のことがどうにも腹に据えかねていたようですね

夏竦は韓琦に声をかけ気を引こうとするが、冷たくあしらわれる。晏殊は弾劾で長引くと思われた朝議があっさり終わったのは、陛下が朝廷の体面と四人の宰相の面目を考えたのだと語る。張茂則は免職になった陳堯佐のもとに遣わされ、労いの言葉を伝える。陳堯佐は趙禎の慈悲深さに感じ入り、左遷された地方でも力を尽くすと誓う…
趙禎の気配りの細かさは、晏殊の指導の賜物なのか、それとも太后仕込みなのでしょうか

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第17話「親しみと恐れ」

鐐子は趙禎のもとに、地震騒ぎで忘れられた曹丹姝の「飛白体の書」を持ってきて、曹丹姝が風邪だという事をさりげなく耳に入れる。そこで趙禎は曹丹姝を訪れるが、ちょうど曹丹姝は「あるもの」を見つけて隠したところだった。一方、夏竦と賈玉蘭の連絡の仲立ちをしていた宦官の楊懐敏は、張妼晗に塩の豪商の子弟との縁談を持ち込む。しかし張妼晗は「陛下以外に嫁ぐなら尼になる」と騒ぐ。
これはきっと鐐子と繯児の連携プレーなのでしょう。曹丹姝が見つけたのは一体…?

曹丹姝を見舞った趙禎は、女官たちが噂していた「話本」の話として、自分たちの関係に似た話を語りはじめる。しかし趙禎は話の途中で繯児が罰を受けていることに気付き、曹丹姝は「繯児はもうすぐ外に嫁がせる予定」だと語る。最も身近な人間にすら妥協を許さない曹丹姝のやり方に、趙禎は息苦しさを感じて思わず非難してしまう。
この二人が腹を割って本音を打ち明けあえば、最強の夫婦になると思うのですが

趙禎は侍女たちを全員下がらせて二人だけになり、「坤寧殿で間違いを犯せば、范仲淹のように諫めてくるのではないかと不安になる」と言い、「まるで幼い頃に」と太后のことを言いかけて言葉を飲み込む。趙禎のために完璧になろうとする曹丹姝と、完璧な皇后に苛立つ趙禎は互いに行き詰り、趙禎は冷たく話を打ち切る。
まるで太后の呪いが二人の間にのしかかっているかのように見えます

縁談で苛立った張妼晗は、舞の稽古をしていた許蘭苕を「主役を奪おうとする恥知らず」と罵る。許蘭苕は賈玉蘭に訴えるが、野心を見透かされてたしなめられる。張妼晗はどうしても陛下以外は嫌だと言い張るが、賈玉蘭は好条件の縁談を受け入れるようにと説得する。
台詞の裏に賈玉蘭の過去や張妼晗の過去が巧みに語られていて、切なくなりますね…

曹丹姝は繯児に明日曹家に戻すと言い、部屋で見つけた文を火にくべるが、それは繯児が鐐子と交わした恋文だった。繯児は宮中に残りたいと訴え、鐐子と共に主を支えるのが喜びだったと言うが、それでも曹丹姝の決意は揺らがない。鐐子もまた、事情を知った張茂則から諭されていた。「私たちは手の届かぬ夢を見るべきではない」との言葉に、鐐子は「情は?」と尋ねる。張茂則は「ひっそりと心の中にしまえ」と答える…
今後の曹丹姝の孤独が心配です。張茂則の言葉は自分自身に言い聞かせているよう…

趙禎は張茂則に、曹丹姝の飛白体の詩を見せ、感想を求める。趙禎自身は曹丹姝に時々感じる親しみの正体がわからず、太后に似ていると思うが、張茂則は曹丹姝の想いを代弁してみせたため、「皇后の知己だな」と趙禎にからかわれる。呂夷簡は「西の辺境の平定について」という奏状を提出していた。韓琦は呂夷簡の治世の才のため過去の汚職は水に流して中書省にと推しており、呂夷簡自身は范仲淹を推しているというので「君子は和して同ぜず」だと趙禎と張茂則は笑いあう。
張茂則が今後、曹丹姝と趙禎との懸け橋になってくれるといいのですが

賈玉蘭から張妼晗のことでせっつかれた夏竦は「西の方で戦が起こるかもしれない」と口を滑らせる。賈玉蘭は心配するが、夏竦は大したことにはならないとなだめ、張妼晗は誰に嫁ごうと賈玉蘭に恩を感じて後ろ盾になってくれると言う。張妼晗の縁談は、陛下への気持ちを試したので、もし本気なら背中を押すというが、戦争も迫りことは急がねばならない…
夏竦にとっては、賈玉蘭の後ろ盾を作ってあげたいという気持ちもあるのですね

第18話「西の辺境」

趙禎から「呂夷簡と范仲淹どちらがいい?」と尋ねられた張茂則は、「朝廷の批評はできない」とごまかす。二人はかつて、一緒に太后のいない隙に遊ぶ策を練って風邪をひいた話を思い出し、趙禎は太后がいなくなっても自在になることはないとつぶやく。
張茂則は、未来の皇帝の遊び相手として選ばれたエリート宦官だったのですね♪

四人の宰相は罷免され、学士院は新たな大臣として昭文相が張士遜、集賢相が章得象に任じられると発表された。趙禎は新たに選ばれた張士遜と章得象を呼んでこれからの期待を示すが、張士遜が西の辺境について「中華の礼儀で教え導くべき」と意見を述べたため、韓琦は晏殊の意見を思い出し、異議を唱える。一方、富弼は舅である晏殊を訪ね、今こそ范仲淹を宰相に据えるべきだと熱弁をふるうが、晏殊は「范仲淹は衆望を担いすぎている」と言い、「陛下は大事な者を危ない環境にはおかない」と指摘する。
新宰相も若手からの突き上げは避けられず、またすぐに左遷される繰り返しでしょうか

蘇舜欽に会議の様子を聞かれた韓琦は、自分だけが西夏の脅威を主張したことに危機感を感じる。趙禎も情勢はわかっているのに、前例に従って防御に重きを置く対応で、蘇舜欽は「先帝の甘い対応が今を招いた」と憤り、趙禎の情にもろすぎる点を手厳しく批判する。
蘇舜欽も思い切ったことを言いますね。反対派が聞いていたら速攻で弾劾ですよ!

延州。武将の狄青は、兵卒たちが西夏の商人たちと物々交換で食糧を得ているのを見て、西夏との戦が近いことから止めさせる。その兵卒の中には梁元生もいたが、「趙元昊が皇帝になった」と知らせ、狄青は梁元生が西夏の言葉を理解すると知って、用いることに。
狄青は顔に烙印があるため仮面を外さないという、小説やゲームなどで人気の伝説の名将です♪ 演じているのは「燕雲台」の耶律喜隱役の季晨さんですよ!

宴の日、趙禎は徽柔の成長に目を細めていた。宴では教坊の舞姫たちも踊ることになっていたが、張妼晗は「陛下に嫁げないなら死ぬ」と絶食しており、主役は許蘭苕が踊ることに。賈玉蘭は楊懐敏に、張妼晗のことを趙禎の耳に入れるように頼む。張妼晗は神仏に「陛下にあの卑しい女の舞を見せないで」と祈りを捧げていた。
張妼晗の極端な行動は、趙禎の寵愛への道をむしろ遠ざけているように思えます

そこに、西の辺境の異変を知らせる早馬が到着し、重臣たちは招集される。趙元昊が皇帝と称したとの知らせは大臣たちを激怒させるが、曹丹姝は宴を取りやめれば西夏の夷狄をうぬぼれさせるが、宴を行えば大臣たちを怒らせると困惑する。張妼晗は、宴が始まってすぐさま趙禎が席を立った、と聞いて「陛下は私の舞以外は見ない」と大雨の中で舞った許蘭苕を嘲笑する。しかし賈玉蘭は張妼晗に、西夏の謀反発生を告げ、その時勢に皇帝が舞姫を娶れば大臣の諫言を受けるため、張妼晗に縁談を受けるよう説得する。
西夏の謀反が早かったため、張妼晗にとってのチャンスタイムが消えたのですね

趙禎は西夏の謀反に激怒し、ちょうどやってきた鐐子に茶碗を投げつけ怪我をさせたため、傷をいたわって休みを与える。曹丹姝は自分に何ができるかを考え、父が自分に残してくれた鎮戎軍の甲冑を手に「曹家最後の一人になっても宋の地を守るのだ」との教えをかみしめる。大臣たちは西夏の謀反に関して分析しあうが、予想外の事態に、朝廷内にも怒りと動揺が広がっていた。
この時代に娘に甲冑をしつらえる父、というのも、なかなかレアな父娘ですよね♪

曹丹姝は甲冑を着けて剣の鍛錬を行うが、灯籠を破壊する激しさに張茂則が引き留め、曹丹姝は「皇后はもうやめたい」と漏らす。趙禎との語り合いは、苗心禾をめぐる議論と繯児の件で途絶えてしまい、曹丹姝は夫婦として歩み寄ろうとしてもすれ違う現状に疲れ果てていた。廃后を申し出て一兵卒として戦う方が生涯宮中に閉じ込められるよりましだと考えるほど、曹丹姝は思いつめていた…
曹丹姝のバックに流れていたのは李白の「關山月」に曲をつけたものです。

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16~18話の感想

北宋は皇帝に権力を集中させるため、文官による国家統治「文治主義」を進めたことで、多数の官僚を生み出し、それで軍事力を削減したことから、遼や西夏という辺境民族の脅威にさらされることとなります。そこで先帝・真宗が遼との間に1004年「澶淵の盟」という屈辱的ともいえる和議を結んだことが、外交、財政、軍事、様々な面で北宋をじわじわと蝕んでいくことになり、趙禎の悩みの大半は父である先帝のやらかしが原因なのではないかと、生母の件に引き続き、ここでもまた思ってしまうわけですが…
そもそも謀反をしようとしている勢力に対して宰相が「中華の儀礼でわからせる」とか言うようでは、どんな明君が頑張っても国は衰退していくしかないですよね。

そして曹丹姝の追い詰められた状況が、次第に限界に達してきています。曹丹姝が皇后として完璧であればあるほど、それが趙禎を息苦しくさせるという悪循環は、誰も悪くないだけに、その逃げ場のなさが苦しく感じます。曹丹姝は趙禎のために完璧な皇后になろうとし、趙禎はそれが太后を彷彿とさせるから嫌悪を感じ、太后だって趙禎に安定した国を渡すために強く振舞ってきたわけですよね。これはめぐり合わせの悪さなのでしょうか。
曹丹姝のことを張茂則が理解して支えてくれても、趙禎自身がちゃんとわかってくれなかったら何も意味がないですよね。

そんな曹丹姝の苦悩に、さらに張妼晗の執着と、それを利用しようとする者たちの闇が忍び寄ってきます。幼子のようにただひたすら趙禎を求める張妼晗の欲求に、今はまだ許蘭苕だけが傷つけられるだけで済んでいますが、この先彼女が後宮に入ってきたらどうなってしまうのか、曹丹姝の苦悩が深まりそうです。西夏問題に目が行っているうちに、張妼晗の縁談が決まるとかして欲しいですよね!

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ご訪問くださりありがとうございます!中国ドラマ.com編集長のクルミットです!普段から韓国ドラマを見ていましたが、ふとしたきっかけで中国ドラマを視聴ときにスケールが大きに驚き、中国ドラマ、台湾ドラマにもハマりました(笑)子育て真っ最中ですが、読んでくださる方に伝わりやすい文章を心がけていますので、良かったらご覧になってくださいね♪よろしくお願いします!

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