楽游原 第34話あらすじと感想|崔琳と李嶷、愛と権力のはざまで結ばれる悲しき婚礼

ご訪問くださりありがとうございます!
クルミットです♪

『楽游原』第34話は、ついに二人が“成親”――。
長い試練の果てに結ばれたはずの崔琳(さいりん)と李嶷(りぎょく)の婚姻。
しかしそれは祝福とは程遠く、政治と犠牲の上に成り立つ哀しき結婚でした。
「愛しているのに、心は遠く離れたまま」――
第34話は、そんな二人の心の断絶を痛烈に描いた一話です。

それでは第34話を一緒に見ていきましょう!

楽游原 第34話のあらすじ

崔倚(さいい)の“通敵疑惑”で京中が揺れる中、李嶷は大殿前で雨の中ひとり跪き続ける。
傷が癒えぬ身体に冷雨が打ちつけ、血が混ざった鼻水が頬を伝います。
裴献(はいけん)・裴源(はいげん)父子が駆けつけ、
「殿下、今は身体を大切に」と必死に止めるも、
李嶷は首を振り、忠義を貫く意志を曲げません。

やがて力尽き、口から血を吐き昏倒――。

この“倒れる太子”の場面、涙と血と雨が溶け合うような美しい演出。
彼が抱える「国への責任」と「愛の痛み」が一瞬にして伝わりました。

一方その頃、崔琳は不安に苛まれていました。
「なぜだろう……胸騒ぎがする。」
桃子を裴源のもとに遣わしますが、音信なし。
彼女の脳裏には、父の崔倚と李嶷の姿が交錯し、不安が広がっていきます。

やがて李嶷が現れ、全てが終息したことを伝えました。
「新皇も朝臣たちも、崔将軍の清白を信じた。
それに……陛下は、お前を太子妃に迎えることを許してくださった。」

崔琳は驚きますが、次の言葉で表情が凍ります。
「ただし、崔家軍は――解散せねばならぬ。」

崔琳は思わず叫びました。
「崔家軍は父の命そのもの!あなたは父を殺せと言うの?」

李嶷は唇をかみ、静かに答えます。
「お前が太子妃になれば、父上の命も守れる。
お前を守るためだ。」

その言葉は優しさでもあり、冷酷な現実でもありました。

「守るために壊す」――二人の愛が、運命に押し潰されていく瞬間でした。

やがて崔倚もすべてを悟ります。
「戦は終わった。だが、わしらの戦いもまた、ここで終わらせねばならぬ。」

彼は軍を集め、
崔家軍の旗を自らの手で降ろします。

「これまで共に戦ってくれたこと、誇りに思う。
だが、崔家軍は今日をもって解散だ!」

風に翻る旗。
兵たちは涙をこらえながらひざまずき、
崔倚の髪は一夜にして白く染まりました。

崔琳は震える手で父を支え、
「父上、もうやめて……!」

しかし崔倚の目は虚ろで、ただ呟き続けます。
「崔家軍……崔家軍……」

このシーンは本作屈指の名場面。
“忠義の象徴”だった崔倚の背が小さく見えた瞬間、時代の終わりを感じました。

そして――
崔琳と李嶷は、ついに成親(婚礼)。
だが、そこにあるのは喜びではなく、
「義務」と「生存」のための契り。

花嫁の紅衣も、祝福の太鼓も、
どこか哀しい音色に聞こえました。

夜。
洞房花燭のはずの部屋には、沈黙が満ちていました。

崔琳が「あなたも計算のために私を娶ったのね」と吐き捨てると、
李嶷は怒りを堪え、剣を手に取ります。

二人は一瞬、本気で刃を交え――
やがて李嶷が剣を引きます。

「……これで一度、お前に譲った。
約束の“あと二度”も、いつか使う。」

崔琳は顔を歪め、
「ならいっそ、今殺して!」と叫びます。
李嶷は答えず、ただ床に被布を敷いて眠りにつきました。

“愛しているからこそ憎む”――二人の激情が痛いほど伝わる新婚夜。
この冷え切った情景が、逆に二人の想いの深さを浮き彫りにします。

翌朝。
まだ陽も昇らぬうちに、宮女たちが新婦の部屋を訪ねます。
李嶷は慌てて自分の布団を崔琳の寝台に投げ込み、
彼女の隣に滑り込んで“仲睦まじい演技”。

崔琳は驚き、「出て行って!」と小声で叱りますが、
李嶷は満面の笑みで「昨夜はよく眠れた」と芝居を続け、
宮女たちの前で“新婚夫婦の演出”を完遂。

この茶目っ気あるシーン、緊張続きの中の一瞬の救い。
思わずクスッと笑ってしまいました。

そして宮中の儀礼へ。
二人は新皇と皇后へ挨拶。
崔琳は顔を伏せ、形ばかりの礼を終えます。

皇后はにこやかに言いました。
「新婦の傍には女官が必要。
我が手配した“趙女使”を遣わそう。」

李嶷は察します――それは監視役。
「皇后のご厚意はありがたいが、崔琳には侍女も多く――」
遮るように皇后が笑みを浮かべ、
「新婦に信頼できる者を置くのも陛下の御心です。」

崔琳は沈黙。李嶷は拳を握るも、
結局、頭を下げて従うしかありませんでした。

宮を出たあと、李嶷は問い詰めます。
「どうして何も言わない。
あの女使は皇后の目となる。危険なんだぞ。」

崔琳は冷ややかに笑いました。
「皇后も心配してくださっているのよ。
あなたは考えすぎ。」

李嶷は何も言えず、ただ立ち尽くします。

崔琳は一歩離れて呟きました。
「もしあなたが、あの牢兰関の“十七郎”のままなら……
私は今も、きっとあなたを愛していた。」

李嶷は目を伏せ、声を震わせます。
「俺は……変わってなどいない。」

崔琳は背を向け、
「あなたは太子。
太子を愛するほど、私は愚かじゃないの。」

二人の距離が、ゆっくりと離れていきました。

“十七郎”と“太子”。
同じ人なのに、もう別の世界にいる――
この対比が切なすぎて涙が出ました。

スポンサーリンク

楽游原 第34話の感想まとめ

第34話は、“成親”という幸福の儀式を政治と哀しみの象徴に変えた回。
結ばれても心は離れ、愛が責任に押し潰されていく――
これほど痛ましい結婚はありません。

崔倚の軍旗が下ろされるシーンはまさに時代の幕引き。
そして洞房の剣、翌朝の演技、皇后の監視――
「愛」「権力」「信頼」「疑念」が一話に凝縮されていました。

“愛しているのに、愛せない”――
この矛盾こそが『楽游原』の核心であり、二人が背負う宿命の重さです。

崔琳の冷たい言葉の裏に、
本当は李嶷を守るための決意があるのが分かるからこそ、
見ていて胸が締めつけられます。

次回、第35話では、太子妃となった崔琳が宮廷という檻の中でどう動くのか。
そして、彼女と李嶷の心は再び通じ合えるのか――。
物語は、静かに新たな戦場へと移っていきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ご訪問くださりありがとうございます!中国ドラマ.com編集長のクルミットです!普段から韓国ドラマを見ていましたが、ふとしたきっかけで中国ドラマを視聴ときにスケールが大きに驚き、中国ドラマ、台湾ドラマにもハマりました(笑)子育て真っ最中ですが、読んでくださる方に伝わりやすい文章を心がけていますので、良かったらご覧になってくださいね♪よろしくお願いします!

コメント

コメントする