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『楽游原』第11話は、戦場の駆け引きと心の交流が同時に描かれた知略回。
李嶷(りぎょく)が戦略を大きく転換し、泺陽(らくよう)を放棄して峝関(どうかん)を攻める一方、
崔琳(さいりん)との“文通”がロマンチックな彩りを添えます。
激動の中にも静かな想いが溢れる、印象深いエピソードでした。
それでは第11話を一緒に見ていきましょう!
楽游原 第11話のあらすじ
崔家軍の中で、またもや内乱の火種が。
崔璃(さいり)は「崔琳が鎮西軍と内通している」との口実で、彼女を捕らえようとします。
その場に現れた柳承鋒(りゅうしょうほう)は冷静に状況を見抜き、
崔璃に突きつけられた“証拠の文”は、実は桃子の手によるものだと暴露。
この一件は崔琳と柳承鋒の内部粛清作戦だったのです。
策略の中にも信頼関係が光る、崔家軍の頭脳プレイでした。
崔璃は計略に気づき愕然とし、そのまま軍権を剥奪されます。
一方、孫靖は李嶷を牽制するため、
これまで囲んでいた李嶷の二人の兄をわざと解放。
「兄弟同士の争いで消耗させよう」という魂胆でした。
しかし李嶷はその裏をかき、
なんと泺陽城を兄たちに譲り渡し、自らは峝関へ進軍するという大胆な決断を下します。
峝関は北に渭水、南に秦嶺、東に中原、西に関中を望む要衝。
つまり、ここを制すれば西長京(せいちょうけい)へ一直線。
李嶷は泺陽を捨て、峝関を取るという奇策で一気に形勢を逆転させようとしていたのです。
同時に、崔家軍も別路を進軍し、戦場は二手に分かれることに。
その夜、崔琳は郊外で月を仰ぎながら手紙をしたためます。
「月光の下で食べる干果は、
まるで夜の星を嚙むような味がします。
あなたもきっと好きでしょう。」
李嶷はその手紙を河辺で読み、
文字の一つ一つに滲む彼女らしい素朴な優しさに目を細めます。
ほどなくして、彼も返信を。
「俺も果脯を添えて食べてみた。
一緒に食べたら、きっともっと旨いな。」
崔琳はその文面を見て小さく笑い、
李嶷の言葉通り果脯と干果を合わせて口にします。
確かに美味しい――そうつぶやく彼女の頬は、いつになく柔らか。
遠く離れても心は寄り添っている――
戦乱の中の恋文が、まるで春風のようでした。
やがて李嶷は桂花(けいか)を摘み、
「この香りを、いつか一緒に嗅ぎたい」と書き添えて送ります。
崔琳は月明かりの下で、その桂花を数えながら香りを胸いっぱいに吸い込みました。
彼女の指先が震えるのは、戦の疲れか、それとも恋の実感か――。
峝関はまさに天下の咽喉。
李嶷は裴源(はいげん)とともに六日間の激戦を繰り広げ、ついに城を攻略。
峝関を制したことで、西長京への道が開かれます。
しかし李嶷の真の狙いは別にありました。
彼は兄たちに「共に西長京を攻めよう」と書簡を送り、
実はその裏で彼らの動きを封じようとしていたのです。
案の定、二人の兄は「弟が我々の力を借りたいだけ」と高をくくり、
李嶷の提案を拒否。
その隙を突き、崔璃が再び彼らへ接触しようと動き出します。
そのころ、孫靖の使者がやって来て、
「三日以内に峝関を明け渡せ、さもなくば梁王府を焼き払う」と脅迫状を手渡します。
李嶷は予想通りだと冷静に受け止めますが、
同じ内容の書簡が泺陽の兄たちにも届いていました。
彼らは“孝”を盾に取り、泺陽を放棄して帰順する構えを見せます。
こうして李嶷は進退窮まる立場に。
峝関を守れば“不孝”、捨てれば“無能”。
まさに二重の罠に追い込まれます。
そこへ現れたのが顧婉娘(こえんじょう)。
彼女は「自分が京へ赴き、孫靖と交渉して梁王を救い出す」と進言します。
旧族の人脈を使い、宮中に潜む忠臣たちを動かすつもりだというのです。
しかし、危険すぎる作戦に李嶷は即座に反対。
「命を捨てに行くようなものだ」と諭します。
それでも顧婉娘の瞳には迷いがなく、
「私はあなたのために動ける場所を見つけたいの」と静かに答えました。
この場面、顧婉娘の健気さと覚悟が胸を打ちました。
一方、京の宮中では萧氏(しょうし)が李嶷からの手紙を受け取ります。
文面には作戦の詳細はなく、
ただ「窓の下に蘭花を置け」とだけ記されていました。
萧氏はすべてを悟り、
翌朝、侍女に命じて蘭花を窓辺に並べます。
それは李嶷との“密かな合図”であり、
宮廷内に新たな連携の火が灯る瞬間でした。
楽游原 第11話の感想まとめ
第11話は、軍略と恋心が美しく交錯した回でした。
泺陽をあえて手放し、峝関を制する李嶷の決断力――まさに策士の面目躍如。
同時に、崔琳との手紙を通じた交流がとても印象的で、
戦火の中にも“生きる希望”が感じられました。
干果、桂花、そして短い言葉。
二人の距離をつなぐのは、剣ではなく手紙――この静けさが本作の魅力ですね。
また、顧婉娘の京行きや萧氏との密通など、政治戦線も動き始め、
物語はいよいよ宮廷と戦場が交わる段階へ。
次回は、峝関の勝利の裏で何が待っているのか。
そして、蘭花の合図が導く“新たな同盟”に注目です!
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