楽游原 第16話あらすじと感想|崔琳の心、李嶷の愛――二人の間に広がる深い溝

ご訪問くださりありがとうございます!
クルミットです♪

『楽游原』第16話は、前回の柳承鋒(りゅうしょうほう)の死をきっかけに、崔琳(さいりん)と李嶷(りぎょく)の関係に決定的な“裂痕”が生まれる回。
愛しているからこそ伝わらない、すれ違いの痛みがひしひしと胸に迫ります。
静かな場面が多いのに、言葉にならない感情があふれ続けた切ない一話でした。

それでは第16話を一緒に見ていきましょう!

楽游原 第16話のあらすじ

柳承鋒の死から日が経ち、崔琳は自室にこもり、ひたすら石を磨いていました。
それは生前、柳承鋒に「今度会えたら、一緒に棋を打とう」と約束したから。
彼のために、彼の好きだった棋子を自分の手で作る――その思いだけが彼女を支えていました。

血がにじむほど石を磨く崔琳の姿に、彼への深い罪悪感と哀惜がにじんでいました。

過去の記憶が蘇ります。
幼い頃、命を狙われた崔琳を救ったのは柳承鋒。
孤独な彼女に初めて「生きていていい」と教えてくれた人でもありました。
彼はずっと“崔公子”という偽りの名のもとで、彼女を守り続けてきたのです。

その想いを知っているからこそ、今の崔琳は前を向けず、ただ過去に縋るしかなかったのかもしれません。

裴源(はいげん)は繰り返し李嶷に忠告します。
「崔琳との関係は、これ以上深めてはいけません。」

しかし李嶷の心は止められませんでした。
気づけば彼女の部屋の前に立ち、扉を開けてしまいます。

そこには、血がにじむ手で石を磨き続ける崔琳の姿。
李嶷は慌てて駆け寄り、彼女の手を取ります。

「もうやめろ! お前の手が……」

崔琳は涙をこらえ、怒りと悲しみを混ぜた声で叫びます。
「私はずっとあなたを欺いてきた。
私が好きなのは……柳承鋒なのよ!」

自分を遠ざけるための言葉と分かっていても、李嶷の表情は痛みで歪みました。

李嶷は静かに問います。
「俺を責めるのか? 信じられなかったことを後悔している。」

崔琳は冷たく笑い、
「後悔なんてしない。あなたを好きだったことなんて一度もない。」

そう言い放ちながらも、目の奥には涙が浮かんでいました。
李嶷はただ一言、「俺は違う」とだけ答えました。

「お前が誰を想っていようと、俺の気持ちは本物だ。」

夜。
崔琳が眠れずにいると、天幕の影がゆらめきます。
李嶷が木の葉で作った小さなネズミの人形を手にしていました。

「子どものころ、母上がこうして歌ってくれたんだ。
眠れぬ夜は、このネズミが夢を連れてきてくれる。」

彼は微笑みながら、歌を口ずさみます。
崔琳は目を閉じたまま、何も答えません。
李嶷はため息をつき、
「蜂蜜を持ってきた。……薬が苦いだろう。」とそっと言葉を添えます。

彼女が沈黙を続ける中、李嶷は小さなネズミを枕元に置き、
「怒りを抱えたまま眠ると、明日が曇る」と優しく言い残して部屋を出ました。

外へ出た李嶷は、振り返って扉を見つめます。
部屋の中からは物音ひとつ聞こえません。
彼は少し笑みを浮かべました――が、その直後。

小さなネズミは、崔琳の手で火にくべられていました。

炎の中で燃える葉のネズミ――その火が、二人の関係の終わりを象徴しているようで胸が痛みました。

李嶷は外でその匂いを感じ取り、慌てて戻ります。
焼け焦げたネズミを拾い上げ、そっと吹き消しました。
彼の目には、もう言葉にできない寂しさが広がっていました。

その頃、泺陽では梁王が「自ら帝位に就く」と宣言し、
李嶷を**溱王(しんおう)**に封じ、西長京討伐の大都督に任命します。
まさに「利用するための称号」。

進めば不忠、退けば不義。
追い詰められた李嶷は考え抜いた末、これを受け入れます。

父への複雑な感情を飲み込み、あえて“駒”になる李嶷の決意に胸が締めつけられます。

その後、彼は西長京内部で「孫靖が百越遠征に失敗した」「井戸に毒を入れようとしている」など、
混乱を招く流言を流させ、都を混乱へ導きました。

怒り狂った孫靖は、噂を広めた者たちを次々と捕らえ処刑。
民心はますます乱れ、都の空気は不穏さを増していきます。

ある日、李嶷は河辺で釣りをしていました。
裴源が来て報告します。
「崔倚(さいい)は共闘を承諾したものの、動きが鈍い。
このままでは好機を逃します。」

李嶷は余裕の笑みを浮かべました。
「心配いらん。彼は必ず動く。」

その夜、桃子がやって来て「崔琳が魚を食べたがっている」と伝えます。
李嶷は思わず微笑み、自ら魚を調理。
けれど、それは崔琳に近づきたい一心からでした。

翌日、桃子は「薬が合わない」と文句を言い、
謝長耳(しゃちょうじ)に薬材の買い出しを頼みます。
李嶷は薬方を見て何かを悟ったようでしたが、
何も言わず、静かに見送ります。

それからの日々、李嶷は山で花を摘み、崔琳の部屋の前に置き続けました。
けれど、扉が開くことはありません。
やがて花は枯れ、雨に濡れて落ちるばかり。

ある日ようやく崔琳が扉を開け、花を拾い上げます。
桃子は思わず口にしました。
「公子は、何度も何度も花を届けていました。
一度くらい話してあげてください。」

崔琳は目を伏せながら答えます。
「わかってる。崔璃のことは彼のせいじゃない。
でも……李嶷は、私にとって“ただの他人”じゃないの。」

愛してはいけない相手に心が傾く――その複雑な想いが、崔琳の表情ににじんでいました。

やがて、謝長耳が駆け込んできます。
「桃子が説得しました。崔琳様が……公子と会うと。」

長い沈黙の果て、ようやく再会の時が訪れようとしていました。

スポンサーリンク

楽游原 第16話の感想まとめ

第16話は、心の痛みを静かに描いた回でした。
柳承鋒を失った崔琳の喪失と、李嶷の報われぬ愛。
どちらも不器用で、どちらも純粋だからこそすれ違ってしまう。

燃え尽きた小さな木の葉のネズミが、二人の壊れた関係そのもののようで胸が苦しくなりました。

李嶷は策士として成長する一方で、人としての孤独を深め、
崔琳は過去を断ち切れず、目の前の愛を拒んでしまう。
この物語が「戦と愛」を同じ重さで描いていることを、改めて感じさせる一話でした。

次回、第17話では二人の再会が実現。
果たしてその言葉は和解か、それとも決別か――
嵐の前の静けさが、すでに胸をざわつかせます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ご訪問くださりありがとうございます!中国ドラマ.com編集長のクルミットです!普段から韓国ドラマを見ていましたが、ふとしたきっかけで中国ドラマを視聴ときにスケールが大きに驚き、中国ドラマ、台湾ドラマにもハマりました(笑)子育て真っ最中ですが、読んでくださる方に伝わりやすい文章を心がけていますので、良かったらご覧になってくださいね♪よろしくお願いします!

コメント

コメントする