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クルミットです♪
『楽游原』第15話は、まさに愛と忠義が交錯する衝撃の一話。
崔琳(さいりん)を救うために柳承鋒(りゅうしょうほう)が身を挺し、
その最期はまるで燃え尽きる炎のように儚く美しかったです。
一方、李嶷(りぎょく)は冷徹な決断を下し、
彼女の心をさらに引き裂いていきます。
それでは第15話を一緒に見ていきましょう!
楽游原 第15話のあらすじ
李嶷が激情に駆られ、崔琳の言葉を信じられず剣を抜く場面から始まります。
怒りのままに突きつけた刃が、崔琳の首筋をかすめ、赤い血が一滴。
その瞬間、李嶷も我に返り、慌てて剣を引きました。
「……出て行け。」
崔琳は震える唇をかみしめ、何も言わずに背を向けます。
その瞳には、悲しみと絶望が混ざり合っていました。
信じたい相手に刃を向けられる痛み――この瞬間の崔琳の表情が忘れられません。
崔家軍が再び合流。
柳承鋒は崔琳の無事を聞いて安堵しますが、彼女の第一声は叱責でした。
「どうして孫靖と結託して峝関(どうかん)を奪ったの?」
柳承鋒は言葉を詰まらせつつも反論します。
「すべては営州を守るためだ。あの城は一時の盟約に過ぎん。
いずれ鎮西軍も敵になる。」
それでも崔琳は怒りを隠せません。
柳承鋒は苛立ちまじりに問い返します。
「お前がそこまで怒るのは、李嶷を庇いたいからか?」
崔琳は沈黙を選び、背を向けて去りました。
柳承鋒の嫉妬に満ちた眼差しと、崔琳の冷たい沈黙――すれ違う二人の関係が痛々しいです。
一方、峝関を失った鎮西軍は泺陽(らくよう)へ退却。
裴源(はいげん)は兄たちの動きを警戒しますが、
李嶷は落ち着いた様子で「心配無用」と言い切ります。
「裴献が後軍を率いている限り、兄たちは動けない。
どうせ取り繕うために、物資でも送ってくるだろう。」
予想どおり、李峻と李崃の二人の兄は食糧と物資を送り、
李嶷は笑みを浮かべてそれを受け取りました。
兄弟同士の静かな駆け引き――李嶷の一歩先を読む知略が光ります。
しかし、李家兄弟の狙いは別。
「李嶷の兵権を奪う口実ができた」とほくそ笑み、
次なる標的を崔家軍に定めます。
崔璃(さいり)と再び手を組み、崔琳を伏兵で討ち取るつもりでした。
ちょうどその頃、孫靖が南征に失敗したという噂が広がります。
表向きは隠されていましたが、各地で不満の声が噴き上がり、
朝廷の均衡が崩れつつありました。
李嶷は崔琳と語り合いながら、冷静に分析します。
「これは囮かもしれない。だが、魚が動くなら、網を仕掛ける好機だ。」
崔琳も静かに頷きました。
二人の息の合った会話に、かつての信頼の影がほんの少し戻った気がしました。
そこへ老鲍(ろうほう)が駆け込んできます。
「李家の兄弟が崔璃と組み、崔家軍を襲うつもりです!」
李嶷は短く答えます。
「……放っておけ。」
けれども、夜が更けるころ、彼はひとり馬を走らせ、
伏兵が待ち構える谷間へと向かいました。
闇の中、崔家軍が突然の奇襲を受けます。
炎が爆ぜ、木片が飛び、崔琳の頬をかすめました。
痛みに顔をゆがめながらも、彼女は剣を構え応戦。
火の粉と汗が混じる中、敵の剣が迫ります。
その刃が落ちる寸前、矢が飛び込み、敵の腕を貫きました。
崔琳が振り向くと、遠くに馬上の李嶷の姿。
炎の中に現れた李嶷――この再会の瞬間は、まるで運命の導きのようでした。
しかし、戦いはまだ終わらず、別の刺客が横から迫ります。
崔琳が気づく間もなく、柳承鋒が駆け寄り、
その体で彼女を突き飛ばしました。
鋭い刃が彼の背中を貫き、赤い血が夜空に散ります。
崔琳の叫び声が谷に響き渡りました。
柳承鋒は崩れ落ちながら微笑み、
「……お前が無事なら、それでいい。」と呟いて息絶えます。
嫉妬も誤解もすべて消えた瞬間――彼の愛は最後に、命を賭した真実へと変わりました。
戦いが終わると、崔琳は柳承鋒が落ちた崖を呆然と見つめ、
その目から涙が溢れ出ます。
そこへ李嶷が現れました。
崔琳は怒りと悲しみに震えながら叫びます。
「どうして来るのが遅かったの!」
李嶷は静かに目を伏せ、
「遅れたんじゃない。……わざとだ。」と冷たく言い放ちました。
その言葉に、崔琳の表情は凍りつきます。
彼女を救った男が倒れ、愛した男の口から出たのは冷たい真実――胸が張り裂けそうな場面です。
その夜、李嶷は筆を取り、崔倚(さいい)に書状を送りました。
「阿萤(あけい)を人質に取る。共に西長京を攻めよ。」
崔倚は激怒しますが、情勢の不利から渋々承諾。
ただし一つ条件を出しました。
「崔璃を生け捕りにせよ。奴をこの手で裁く。」
楽游原 第15話の感想まとめ
第15話は、柳承鋒の犠牲がすべてを塗り替えた回でした。
彼の死によって、崔琳の中で信頼と愛情が複雑に絡み合い、
李嶷への感情にも新たな影が落ちます。
戦乱の中で咲いた愛が、同時に別れを告げる――その皮肉さが胸に刺さりました。
一方の李嶷は、冷静さの裏に激情を隠し、
敵も味方も駒のように動かす策士へと変わっていきます。
柳承鋒の命を代償に、彼らは再び西長京を目指すことに。
しかし、その旅路に待つのは希望か、それともさらなる悲劇か。
次回、第16話では、崔璃との対決、そして崔琳の覚悟が描かれます。
柳承鋒の想いが、彼女の胸でどう生き続けるのか――見逃せません。
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