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『楽游原』第22話は、崔倚(さいい)の父娘の絆を断ち切る悲劇の一話。
柳承鋒(りゅうしょうほう)がついに本性を現し、崔家に毒を盛る――。
愛と嫉妬、忠義と裏切りが入り乱れる緊迫の展開に、息を呑む回でした。
それでは第22話を一緒に見ていきましょう!
楽游原 第22話のあらすじ
月は雲に隠れ、夜風が不気味に木々を揺らす。
その闇の中、崔璃(さいり)は木に縛りつけられ、もがいていました。
そこへ現れたのは――「崔琳(さいりん)」の姿をした人物。
だがそれは崔琳ではなく、柳承鋒の変装でした。
柳承鋒は、遊牧民族・揭硕(けいしょく)の毒を使って崔璃を支配下に置き、
彼を操り人形のように扱う計画を進めていたのです。
ここでの“崔琳”の仮面を被った柳承鋒の狂気が、背筋が凍るほど恐ろしかったです。
崔家と揭硕は代々の宿敵。
崔璃はその毒を一目で見抜き、「お前……柳承鋒か」と悟ります。
しかしその時にはすでに遅く、毒が回り、身体の自由を失っていました。
一方、崔倚は寝所でふと考えます。
「琳を男として育てたことは、間違いだったのかもしれん。」
娘の将来を思うと、心が痛む。
戦場を駆け回る人生ではなく、普通の娘として幸せになってほしい――。
そんな想いから、彼は「李嶷(りぎょく)ならば」と婿候補として考えていました。
この父の独白が、のちの悲劇をより深く、残酷に感じさせます。
そこへ兵が駆け込みます。
「将軍、林の奥で崔璃を見たとの報せです!」
崔倚は娘に知らせず、自ら部下を率いて現場へ。
すると木陰から現れたのは――柳承鋒と、彼に操られる崔璃。
柳承鋒は芝居を打ち、崔璃を「挟み撃ちにされている人質」と装い、
さらに「李嶷こそが裏切り者だ」と嘘を並べます。
崔倚は話を聞く耳も持たず、弓を引き絞りました。
その姿に、柳承鋒の脳裏に蘇る子ども時代の記憶――
あの日も、崔倚は自分たちに弓を教えてくれた。
「敵の矢を恐れるな。風を読め。」
その言葉通り、柳承鋒は矢の軌道を読むように身をかわし、
飛来した矢は、後ろの崔璃の喉元に突き刺さります。
崔璃は血を吐き、崔倚の名を呼ぼうとしますが、
声にならず、そのまま息絶えました。
恩人の技を使って恩人の息子を殺す――柳承鋒の闇が完全に崩壊した瞬間でした。
崔倚は柳承鋒を信じ、彼の傷を癒やすために邸へと連れ帰ります。
そして、「もうお前を“影”としてではなく、独りの人間として生きさせてやる」と告げました。
「琳には新しい人生を歩ませたい。
お前にも妻を迎えさせよう。そろそろ幸せになれ。」
この言葉に、柳承鋒の心はぐらりと揺れます。
表面では笑い、「ありがとうございます、義父上」と礼を述べながらも、
心の奥では燃えるような怒りと嫉妬が渦巻いていました。
「なぜ……崔琳を俺にはくれない。」
そして夜。
柳承鋒は甘い笑みを浮かべながら、
「疲れたでしょう。甘いものでも」と、毒入りの甘湯を差し出します。
崔倚は疑うこともなく、
「やはりお前は気の利く子だ」と微笑みながら飲み干しました。
そのわずか数刻後――崔倚の体は痙攣し、血を吐いて倒れます。
静かな毒殺の場面。柳承鋒の微笑が、かつての優しい義子ではなく“怪物”に変わった瞬間でした。
そこへ李嶷が訪れます。
「崔将軍、長州の戦の件で話が……」
言葉を終える前に、崔倚が床に崩れ落ち、血を吐きました。
李嶷は驚き、駆け寄って抱き上げます。
しかしその瞬間、柳承鋒の兵が飛び出し、
「李嶷が毒を盛った!」と叫び、包囲しました。
状況は最悪。
李嶷は必死に否定しますが、証拠は柳承鋒の手の中に。
そこへ崔琳が駆けつけ、
「やめて!李嶷はそんな人じゃない!」と叫びます。
柳承鋒は顔を歪め、「お前はいつまであの男を庇う!」と怒鳴り、
剣を抜きます。
崔琳は涙をにじませ、父の形見の剣を構え、
「これ以上、嘘を重ねるなら――私が止める。」
柳承鋒はその目を見て悟りました。
自分がどんなに求めても、彼女の心は決して振り向かないのだと。
それでも、
「放せ……放せと言っている!!」
叫びながらも、彼はついに部下に退くよう命じ、
李嶷を見逃します。
崔琳の必死の訴えが、柳承鋒の心の奥に残された“人間らしさ”をほんの一瞬だけ呼び覚ましたように感じました。
その後、柳承鋒は崔琳に新たな嘘を告げます。
「お前の父上は、俺にお前を託した。“お前を娶ってやれ”と。」
崔琳は絶句しながらも、すぐに冷静を取り戻します。
「……父上がそんなことを言うわけがない。」
彼女の言葉は静かでしたが、
その瞳には怒りと悲しみが宿っていました。
「あなたが下毒したのね。
父はあなたを息子と思っていたのに、どうしてそんなことができたの。」
柳承鋒の顔が歪みます。
「俺はあの人に“影”として生かされただけだ。
影は光を手に入れることは許されなかった!」
柳承鋒の絶叫は、狂気の裏に潜む哀れな魂の叫びでした。
その夜、柳承鋒は崔琳を自分の妻にするため、
無理やり婚礼の支度を進めます。
庭には灯籠が吊るされ、琴の音が響き、
昏睡する崔倚の体が屋敷の中央に安置されていました。
彼はその前で盃を掲げ、
「義父上、見届けてください」と酒を注ぎます。
しかしその瞬間――
崔倚の指がぴくりと動き、
ゆっくりと目を開けました。
柳承鋒の手をがっしりと掴み取ります。
まさかの“生還”――その手の重みが、まるで天の裁きのように感じられる衝撃のラストでした。
楽游原 第22話の感想まとめ
第22話は、『楽游原』でも屈指の緊迫感。
柳承鋒の完全なる闇落ちと、崔倚の父としての愛が交錯する、息を呑む展開でした。
崔倚が倒れ、柳承鋒が嘘で李嶷を陥れる構図は、まさに悲劇の頂点。
しかしラストで崔倚が目を覚ました瞬間、物語は再び希望の光を見せます。
「父の愛」「偽りの息子」「報われぬ愛」――
すべてが一つの毒杯に注がれたような苦く美しい回でした。
次回、第23話では、崔倚の生還が引き起こす大逆転。
嘘と裏切りの末に、真実の裁きが下されます。
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