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クルミットです♪
『楽游原』第27話は、愛と忠義、そして宿命が交錯する一話。
柳承鋒(りゅうしょうほう)による崔琳(さいりん)誘拐の結末、
そして李嶷(りぎょく)が命を懸けて彼女を救い出す展開は、まさに“英雄救美”の再来でした。
しかし救出の後に待っていたのは、ふたりのすれ違い――。
温かくも切ない余韻を残す、シリーズ屈指の感情回です。
それでは第27話を一緒に見ていきましょう!
楽游原 第27話のあらすじ
崔琳が柳承鋒に連れ去られたと知るや、
崔倚(さいい)は軍を率いて即座に追撃へ。
怒りに燃えるその目には、もはやかつての義子を思う情はありません。
一方、柳承鋒は崔倚の到着を察知し、
「崔倚とは正面から戦えない。逃げるしかない」と判断。
阿恕を残して崔琳を連れ出そうとします。
だが――。
李嶷は柳承鋒の逃走経路を読み切っていました。
「奴が向かうのは南の峡谷だ。そこに埋伏せよ。」
夜の帳が下りる中、崔琳は**昏睡したまま喜塌(婚礼用の寝台)**に寝かされ、
紅の布が彼女の顔を半分覆っていました。
柳承鋒が馬を進めようとしたその瞬間、
暗闇を裂いて李嶷の軍が突入――。
「柳承鋒、崔琳を返せ!」
銃声と共に、閃光が夜空を照らします。
混乱の中で李嶷は敵陣を突破し、崔琳を抱き上げました。
揭硕(けいしょく)兵は一時撤退。
彼らにとって柳承鋒はまだ利用価値のある存在。
戦場には、気を失った柳承鋒と崔琳、そして李嶷だけが残されました。
この救出シーン、嵐の夜に燃えるたいまつと、李嶷の焦燥した眼差しが印象的。
まさに「愛のために戦う男」の姿でした。
崔琳が目を覚ますと、見慣れた顔――李嶷がいました。
彼の手は彼女の手をしっかりと握りしめています。
「夢じゃない……?」
「いつも傍にいたさ。」
李嶷の言葉に、崔琳は安堵の息を漏らし、
「前にもこんな夢を見たわ」と微笑みます。
李嶷はそっと彼女の頭を胸に抱き寄せ、
「もう夢じゃない」と囁きました。
夜、焚き火を囲んで一行は戦の疲れを癒やします。
老鲍(ろうほう)が笑いながら語ります。
「豊迎楼から芹娘子と娘の小喜儿を助け出したぞ!」
仲間たちは酒を酌み交わしながら、
「天下が平和になったら、牢兰関に戻ってみんなで暮らそう」と夢を語り合います。
戦火の中にも友情と笑いがある――
この作品らしい人間味あふれる温かな場面でした。
その夜、崔琳と李嶷は河辺に座り、
月と蛍が舞う幻想的な光景を見つめます。
李嶷はそっと蛍を掴み、崔琳の手の中へ。
「もし俺が百匹の蛍を捕まえたら、
お前は俺の願いを聞いてくれるか?」
崔琳は一瞬ためらい、
「たとえ千匹でも、万匹でも、あなたの願いは聞けないわ。」
李嶷は苦笑し、
「じゃあ、俺の願いを当ててみろ。」
その言葉に崔琳は黙り込み、
ふと彼の頬に唇を寄せました。
“拒絶”と“愛情”が同居するキス。
崔琳の心が、理性と感情の狭間で揺れているのが痛いほど伝わりました。
一方、柳承鋒の手引きで揭硕軍が白水関を陥落。
朝廷に激震が走ります。
新皇は「崔家が裏で柳承鋒と通じているのでは」と疑いを強め、
「崔家を抑えられるのは李嶷しかいない」と結論づけます。
しかし肝心の李嶷は、すでに京を離れており不在。
焦る新皇は、「李嶷を早く呼び戻せ!」と命じました。
李嶷が崔琳を送り届け、急ぎ京へ戻ると、
なんと兄・李俊(りしゅん)の禁令が解かれていました。
「どういうことだ……?」
李嶷は問いただしますが、新皇は逆に怒りをあらわにし、
「お前は父に口答えするつもりか!」と叱責。
さらに「峝都を再び掌握せよ」と命じますが、
李嶷は毅然として頭を下げました。
「臣は、再び戦を起こすつもりはございません。」
新皇の顔色が変わり、
「勝手にせよ。二度と朕の前に出るな!」
こうして李嶷は、自ら牢兰関への帰還を願い出るのでした。
戦いに疲れた彼の姿には、かつて自由を求めた“十七郎”の面影がありました。
屋敷に戻った李嶷は、
崔琳との関係が遠のいてしまったことを裴源(はいげん)に漏らします。
「互いに想い合っているのに、太子になるかどうかで心が離れた。」
裴源は苦笑して言いました。
「殿下、恋と天下は同じです。どちらも欲張れば破滅します。」
李嶷は黙って杯を傾け、
「分かってる。だが、どちらも捨てられない。」と呟きました。
政治よりも愛を選びたい、でも背負うものがある――
李嶷の苦悩が静かに胸を打ちます。
数日後、老鲍が慌てて飛び込んできます。
「殿下! 崔琳殿が皇城に来られました!」
しかし李嶷は動かず、
「……俺に会いに来たんじゃない。」と呟き、再び横になります。
同じころ、崔琳も李嶷を訪ねる気配はなく、
ただ桃子と謝長耳を従えて食卓を囲んでいました。
桃子は少しでも主の気を晴らそうと、
「李嶷殿が殿下にこの干果を送られました」と嘘をつきます。
崔琳は微笑みながら、
「桃子、あなたは嘘が下手ね。」と呟き、
それでも干果を口に運びました。
互いに想い合いながら、歩み寄れないふたり。
笑顔の裏に沈む孤独が、とても静かで悲しかったです。
楽游原 第27話の感想まとめ
第27話は、柳承鋒の狂気と李嶷の優しさが対照的に描かれ、
まさに“愛の形”が三者三様に現れた回でした。
李嶷の救出劇は勇敢でありながらも、
崔琳との関係には深い溝が残り、
二人が「互いに一番近くて遠い存在」になってしまったのが切ないです。
萤火を手に語り合うシーンは、戦火の中の一瞬の夢。
それが儚く消えるのをわかっていながら、なお光を求める二人に涙がこぼれました。
そして、再び京に戻る李嶷を待ち受けるのは、
兄たちの陰謀と新皇の疑念。
崔琳は皇城で何を語るのか――
次回、第28話では、運命の歯車がいよいよ最終局面へと動き出します。
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