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クルミットです♪
徐嗣諄の病は、喬蓮房の犬のせいだとはわかったものの、徐大夫人の贔屓と喬蓮房の言い逃れで済んでしまいました。しかしその後張氏が引き起こした米騒動は、徐家の存続にかかわる大問題に発展し、正室として羅十一娘が矢面に立って暴動を抑えるため戦うことに。
羅十一娘の頑張りを見て、次第に心を傾けていく徐令宜の変貌ぶりが微笑ましいですが、そんな夫婦の信頼関係を揺るがしかねない大事件も発生します。そんな事件も夫婦の距離を埋めるスパイスになってしまいかねないほど、徐令宜のスパダリモードが炸裂しますよ!
【恋心は玉の如き】(ネタバレあり)
第16話「夫の救援」
炊き出し所で暴動が勃発し、羅十一娘の上に看板が落下するのを、駆け付けた徐令宜が矢で射て逸らす。被災民の怪しい者たちを捕えさせ、「陛下のご意向の炊き出しを荒らすのは反乱だ」と威圧すると、被災民は自主的に片づけを手伝い始める。徐令宜は「徐家がある限り炊き出しは途切れない」と約束し、羅十一娘の怪我を見て、抱き上げて連れ帰る。
ようやく徐令宜がスパダリモード発動ですね!
区励行は徐令宜の帰還と作戦の失敗を知り、手下は捕まったものの、区家につながることはないだろうとみる。琥珀が米を届け炊き出し所は再開される。家に戻った徐令宜は、馬車から降りるのに手を預けない羅十一娘を抱き上げ、人目を気にするのを「我々は夫婦だ、かまわぬ」と押し切る。喬蓮房はその様子を見て涙する。
いつか羅十一娘が手を預けてくれる日が来るのでしょうか
羅十一娘は徐令宜が自ら薬を塗るというので困惑する。冬青は「奥様の照れるのは初めて見た」と冷やかしつつも、徐家の中で優しくしてくれる人は徐令宜が初めてだと喜ぶ。順天府に捕らえられた偽被災民のうち一人が急死し、徐令宜は「区家は馬脚を現さないだろう」とみる。さらに今回羅十一娘が嫁荷を米に換えたことの処置を白家職に命じる。
どんどん徐令宜がスパダリ化していきます!これまでダメ夫だったのが噓のよう
徐令宜は自室に戻る途中に歌声に気付き、徐令寛が役者を呼んで丹陽に芝居を見せていると知る。しかもこの数日観劇で外出していたというので、「徐家は滅びかけたのだ」と激怒する。帰宅した徐大夫人はその様子に驚くが、徐令宜は「区家の陰謀を羅十一娘が食い止めなかったら、徐家は陛下を欺く大罪を犯すことになっていた」と言う。
徐令宜以外のお出かけ組の呑気さは、知らなかったから仕方ないとはいえ…
徐大夫人らは不在の間何があったかを聞き、喬蓮房は「張氏の悪事を知らなかった」と弁明するが、徐家を危機に晒したと叱責される。徐令宜は張氏らを売り飛ばすことにし、喬蓮房から差配を取り上げ羅十一娘に任せることに。張氏は徐家を去るにあたり「今後差配の中で過去の事情に気付かれたら」と、喬蓮房が徐家にいられなくなる事態を心配し、喬蓮房も青ざめる。徐大夫人は自分が甘かったのかと、喬蓮房に与える罰を思い悩む。
喬蓮房は差配で何か不正を働いていたのでしょうか?これから楽しみです♪
徐大夫人の命で、喬蓮房は羅十一娘に鍵と帳簿を届けに来る。冬青はわざと喬蓮房に聞こえるように「あるべき場所に戻りました!」と嫌味を言う。徐大夫人の侍女・杜氏は家訓を持参し「明日、屋敷を仕切る職長たちを集めます」と言い、今後は羅十一娘がその者たちに指示することに。頼りの劉氏と張氏を失った喬蓮房は、失ったすべてを取り戻すと決意する。
喬蓮房が本気になって、これから何をやらかしてくるのかドキドキですね~
羅十一娘は騒動で怪我をした秦柘榴を見舞うと、ちょうど徐令宜も見舞いに訪れ、三人で夕餉を共にすることに。しかし徐令宜の好みに合わせた食事は羅十一娘の口に合わず、気を使って羅十一娘は帰ろうとするが、徐令宜が送ると言い出し、秦柘榴は寂しく見送ることに。
せっかく来てくれたのに、自分の方は見てくれないというこの関係の難しさ…
羅十一娘を送りがてら、徐令宜は区家について説明する。今の区当主(靖遠侯)になってから権勢欲で海禁の利用を企み、海禁を解いて海賊を滅ぼそうとした徐令宜の父と兄は戦死に追い込まれ、徐家は全員投獄される羽目に。その際に羅当主の父が徐令宜の軍功で免罪を上奏したのだ。徐家は復興したが靖遠侯は証拠を残さず、長子の区励行は礼部侍郎、妻は周家の嫡女で失脚は簡単ではない。庶子の区彦行は人前に出ない人物だという。
羅十一娘が理解できると信用してくれたのですね。羅家との縁は祖父の代からでしたか
羅十一娘は徐令宜が泊っていったらどうしようと困惑し、帳簿を見ることで雰囲気を壊そうとする。徐令宜は羅十一娘の刺繍が「日々の支えになる」というのが理解できなかったが、寄る辺のない暮らしを送った経験に共感し、納得する。琥珀は「やっと来たのだから西跨院に引き留めなければ。奥様が軽視されなくなる」と意気込んだため、冬青は「旦那様はこちらで湯あみを?」と尋ね、羅十一娘は思わずはっとする…
さすが琥珀は羅夫人に仕えていたから、冬青の気付かない機微をわかっていますよね
第17話「銀子の誘惑」
冬青に湯あみのことを聞かれ、徐令宜は帰ろうとするが、羅十一娘がほっとして引き留めないため、照影に八つ当たりする。徐令宜が泊らずに帰ったと聞いた文姨娘は「差配役は得ても侯爵の心はつかめていない」と安堵し、喬蓮房を簡単に倒せたと上機嫌で、羅十一娘のことも「庶出は所詮庶出」と侮り、これで文家を建て直せると喜ぶ。
文姨娘、お菓子積み上げすぎです。喬蓮房だってこれからわかりませんよね~
翌日、職長の侍女たちが集められ、これまで羅十一娘を見下していた罰を受けるのではと怯える者もいるが、周氏は「どうせ私たちに頼るしかない」と強気。給金管理の李氏は明朗管理を賞され銀子を与えられるが、食材買い付けの王氏や衣管理の周氏は、費用を自分の懐に入れていたことを指摘され、職長を外される。羅十一娘は「不満なら大奥様に」と言い放つ。
寵愛はすぐに使用人に伝わり、簡単に侮り態度に出るということですね。比較的躾の行き届いている徐家の使用人ですらこうなので、喬蓮房はどう差配をしていたのやら…
差配を引き受けたのも犯人探しが目的で、帳簿から糸口を掴もうと考える。すると喬蓮房が差配後は仕入先を変更し、文家は大損失を被っており、羅十一娘は文姨娘がすでに仕返しをしたと気付く。例の布は丹陽、文姨娘、喬蓮房が受け取っていたとわかり、あの布は端午の節句で香り袋などに使われたとみて、徐令宜と徐令寛に贈られた品を見つければと考える。
徐令宜はまだしも、徐令寛の香り袋なんてどうやって捜索して見つけるのですか?
照影は徐令宜に八つ当たりされ、傅臨波に愚痴る。二人は羅十一娘と何かあったのかと案じていたが、傅臨波を琥珀だと勘違いした冬青は、驚かそうとしてもつれて倒れこみ、混乱した冬青は傅臨波を齧ってしまう。双方謝らず、互いの名誉のため他言しないことに。
なんともベタな恋の予感でしょうか?
衣擦れの音に羅十一娘が来たのかと期待した徐令宜だが、喬蓮房でがっかりする。喬蓮房につきまとわれて一緒に徐大夫人のもとへ行くことになるが、すっかり喬蓮房贔屓が復活した徐大夫人に早く子供をとせっつかれ、うんざりした徐令宜は食事を断って戻ることに。しかし徐令宜が徐大夫人と食事と聞いた羅十一娘は、その隙に徐令宜の部屋の調査を目論む。
羅十一娘も、まさか喬蓮房がいたから早々に戻ってくるとは予想できませんよね
徐令宜は羅十一娘が来ていると聞いて浮き立つが、探っていた羅十一娘は突然の帰還に驚き、咄嗟に「衣を作るので、今あるもので採寸を」とごまかす。徐令宜が今採寸すればいいと言い出したため、接近にどぎまぎしながら採寸することに。被災民の女子の受け入れ先についてよい手立てがないと聞いた羅十一娘は、繍坊に入れてはどうかと提案する。徐令宜がその提案を「男なら大業を成せた」と褒めたため、「女は成せぬと?」と返す。
我々は一体、何のプレイを見せられているのでしょうか。採寸プレイ?
傅臨波は米の件に区家が関与していると掴んだものの、証拠はない。靖遠侯が不在のため、徐家の信頼失墜を狙った区励行の仕業とみられたが、かびた米をどこから集めたかを考え、徐令宜の暗示で軍の兵糧ではないかと気づく。傅臨波はこのところ、徐令宜の機嫌のよしあしが羅十一娘に左右されていることを指摘し、「過去に過ちがあっても、今の奥様が侯爵を想うなら円満な関係を築ける」と助言する。
傅臨波いいこと言いますね。夫婦関係の達人であるかのような名言です♪
文姨娘は沢山の宝飾品や銀子を羅十一娘に贈り、羅家と文家の協力関係を申し入れてくる。しかし羅十一娘は「今の私は徐家の人間」だと受け取らない。文家は薬材の商いに食いこむため、かつては元娘も配当を受けていたと言うが、羅十一娘は拒否する。黴米を教えてくれたことに感謝しつつも「私は実を重んじる」と羅十一娘は言い切る。
所詮庶出と侮っていたのが、最も手強い人間が差配を握ったことに気付きましたね
文若夫人は羅十一娘に断られたと知り、自分で何とかしろと文姨娘を突き放す。徐嗣諭が将来都で独立するには文家の助けが不可欠なため、文姨娘は実家の言いなりになる必要があるが、羅十一娘には脅しもすかしもきかない。羅元娘の配当の件は徐令宜も承知していたが、徐令宜にとって所詮妾の自分を守る気はなく、文姨娘は途方に暮れる。
元娘も文姨娘と手を組んでいたのですね。文姨娘、これはかなりピンチでしょうか
白家職は、文家が羅十一娘に商いを持ち掛けた件を徐令宜に報告する。しかし興味がなさそうで断ったというので徐令宜は「元娘とは違う」とみる。そこで白家職に「徐家は薬材の商いに関与しない」と十二監(宦官による宮中の内政管理部門)に伝えさせ、徐家の名を勝手に使われないよう監視させる。
徐家の中のことは大抵筒抜けですね。母の仇を探していることはまだばれていない?
徐令宜は白家職に命じて、米の件での功で羅十一娘に日常の費用を渡させる。嫁荷の土地を買い戻した証書も渡されるが、徐令宜が周辺の土地を買い合わせ以前より増えていた。夕食を運ばせると、羅十一娘好みの甘い料理ばかりだが、徐令宜は甘酢あんかけを喜んで食べる。
そっと出てきたキャラの白家職、こんな面倒な家だけに仕事お出来になりますね
徐令宜は「新しい衣を楽しみにしている」と言うが、羅十一娘はでまかせだったことのため、内心慌てる。「たくましくて何でも似合う」と誉められた言葉を後から思い出し、徐令宜はひとりでにやにやする。照影が西跨院で食べた甘酢あんかけを出してきたものの「味が違う」と下げさせたため、照影に「共に食す人の存在では?」と冷やかされてしまう。
そこに傅臨波が問題の発生を知らせてくる…
好きでない食べ物でも、好きな人と一緒なら美味しいのですね、わかりやすい!
第18話「隠し子騒動」
仙綾閣に被災民の女子が弟子入りし、繍女として働くように。一方羅十一娘は差配に追われ思うように刺繍ができないでいたため、簡師匠は羅十一娘に繍女たちへの指導を依頼する。喜んで引き受けるが、侯爵夫人だとはわからないよう未婚の娘の姿で働くことに。琥珀は「大奥様は賛成しない」と心配するが、羅十一娘は女子も外に出るべきだと考える。
これは心配ですね。せめて徐令宜に許可を取るべきなのではないでしょうか
羅十一娘が指導しているところに林世顕が仙綾閣を訪れ、二人は再会する。あの日待ち合わせに来なかった理由を聞かれ、「急用が」と言葉を濁す。林世顕は琥珀とも再会し、米が買えたのは彼のおかげと知って感謝する。さらに仙綾閣にも出資していると知る。
仙綾閣で区家ゆかりの殿方に会っていると知られたら、これが弱みになりそうな…
帰宅した羅十一娘は徐令宜に呼ばれ、薄汚れた幼い少年に引き合わされる。しかしその身の上については尋ねるなと言われ、口の堅い者をつけて半月泮で内密に世話をすることに。少年の名前は「鳳卿」だという。冬青と琥珀をつけることにするが、冬青は鳳卿が徐令宜に似ているのではと疑うが、誰にも知られないようにと口止めをはかる。
徐家は次から次へと問題ばかり起こる家ですね!
しかし口止めしたにも関わらず、文姨娘に「侯爵が隠し子を屋敷に入れた」との噂がすぐさま伝わる。秦柘榴もすでに知っていて、憤慨している文姨娘の態度に「歓迎していないように思われる」と釘を刺す。その二人の様子に喬蓮房も聞き耳を立てていた。
徐家情報網、漏れ漏れじゃないですか…
さらに羅家にも隠し子の噂は伝わり、心配した羅振興が訪ねてくるが、羅十一娘は「私は従うだけ」と答える。しかし兄は「お前の息子にするのは嫡子になるから、それだけは承知してはならない」と言う。羅十一娘の実子が不利になることまで心配し、秦柘榴に育てさせてはどうかと提案する兄の優しさに、羅十一娘は「羅家の再興は兄が頼り」だと思う。
徐家の中どころか、もう都内で隠し子の噂がもちきりになっている感じがしますね
羅十一娘は徐令宜に鳳卿は徐令寛の子ではとかまをかける。「侯爵ならあんな薄汚れた境遇に子を置くはずがない」と推測したのだ。丹陽との縁談前の子だが、今発覚すれば丹陽の身体に差し障るという。羅十一娘に「侯爵ならどんな女子を見初めても子供をあんな目に遭わせない」と言われ、徐令宜は三月三日の宴の時も、何も知らず静安軒で休もうとしただけと説明し、羅十一娘は「信じますとも」と答える。
確かにあの丹陽に今知られたら、大変なことになるのは間違いなさそうです
徐令宜は徐令寛を放って戦地で過ごすことが多く、母が溺愛して放蕩者に育ったことに責任を感じていたが、羅十一娘に「まず隠そうとすることから改めては」と助言され、徐大夫人との前に徐令寛を呼び出し、かつて恋仲だった役者の妹「月梅」を覚えているかと聞き、徐令宜は責任を取らずに来たことを叱責する。実は徐大夫人が訪ねてきた月梅を大枚はたいて追い返していたことがわかる。徐令宜は鳳卿を自分の子として育てるつもりだと言う。
徐令寛らしい逃避の結果という感じですね。月梅は育てられなくなったのでしょうか
秦柘榴が羅十一娘に「鳳卿をお任せください」と懇願する。もう懐妊できない秦柘榴には人生の希望となるというのだ。羅十一娘は「伝えるが、決めるのは侯爵と大奥様」と答える。
一方で喬蓮房も徐大夫人に「自分が育てたい」と申し出、「鳳卿がいれば侯爵に会いに来てもらえる」と訴えられた徐大夫人は、その思いにほだされる。
この二人の二択なら、利用したいだけの喬蓮房には任せたくないですよね~
徐家の家族会議が開かれ、鳳卿の養母について話し合われる。徐大夫人に意見を求められた頂怡真は喬蓮房を推し、羅十一娘は秦柘榴を推して、それに徐令宜が賛成する。そこで徐大夫人は「二人を子供と過ごさせて、なついたほうに決めよう」ということに。
なんだか頂怡真の表情が晴れないのですが、彼女は候補に上がらないのですよね
林世顕は仙綾閣で羅十一娘の姿を探すが、簡師匠は「家で何かあったようで」と答え、素性がわかると厄介だと思い、自宅を知らないと言う。林世顕は仙綾閣の使用人に金を握らせ、「羅さんが来たら教えてくれ」と言い含める。
早いところ人妻だとわかっちゃった方がいいと思うのですけどね~
徐令宜は傅臨波に「私の子ではないと見抜いた、元娘とは違う」と羅十一娘を誉め、彼女を喜ばせるものを市で探そうとする。同じ場所で林世顕も羅十一娘への贈り物を探し、二人はすれ違うが、傅臨波と安泰は「贈り物ではなく行動や言葉で示すべき」と主に助言する。
全くタイプの違う二人ですが、似たようなことで想いを伝えられず足踏み状態ですね
半月泮では秦柘榴が鳳卿の気を引こうと苦心していたが、そこに喬蓮房が槍の玩具を与えて喜ばせ、しかし放り投げた槍が鳳卿にまっすぐ落ちてきたため、秦柘榴が咄嗟にかばう。泣き出した鳳卿を頂怡真がなだめ、実は一番扱いが上手だった。喬蓮房は買ってきた繍櫞に八つ当たりし、これも羅十一娘の罠だと怒りのやり場をぶつける。
喬蓮房はこうやって金で気を引こうとして、毎度やり方が雑なのですよね
鳳卿に付き添ってうたたねした羅十一娘を見て、徐令宜は寝台に抱き上げて寝かせる。実は目覚めていた羅十一娘は、緊張で体をこわばらせていた。主に付き添う傅臨波と冬青は、お菓子を分け合い、傅臨波は冬青の笑顔に心ときめくものを感じる。そして朝、目覚めると羅十一娘は目の前に徐令宜がいて、抱きしめられていることに気付く…
傅臨波と冬青のかわいい恋の始まりが、このまま幸せに実るといいですよね
16~18話の感想
徐大夫人の贔屓があれば、とことん罪から逃れられるように思われた喬蓮房ですが、さすがに米騒動で差配を取り上げられたことは大きかったようです。正室と側室という立場の格差は、差配の有無で意外と簡単にひっくり返せるのだなと実感させられたのですが、正室が差配を握った上に、主人の寵愛があると無敵なのですね。
素直じゃない愛情表現を一生懸命にくりだす徐令宜の不器用さが、周囲の微笑みを誘っているのが実にかわいらしいです。これまで正室や側室といまひとつだったご主人様が、急に恋する少年のようになって、若い新妻相手にジタバタしているのを見ると、傅臨波と照影は心配ながら楽しそうです。
でも「元娘とは違う」という点で信用を得た羅十一娘ですが、差配や徐令宜からの愛情、配当に関してはそもそも彼女にとっては「興味がない」だけなのですよね。羅十一娘にとって大事なのは母の死の真相で、結婚も差配も、それを暴くために必要だから手にするしかなかったから必死に執着しなかったわけで。隠し子の出現も気にならなかったわけです。羅元娘や側室たちのように、必死にしがみつかなければいけない立場とは前提が違うのですよね。
これから羅十一娘にとっても徐令宜が「失いたくない存在」になるのかもしれませんが、徐令宜が羅十一娘の真意に気付いてしまったら、双方傷つくことになってしまうのでは。
そんな危うい地雷の上で生活しているのにも関わらず、内緒で仙綾閣の繍女を教え始めたのは大丈夫なのでしょうか。林世顕という恋敵の登場も不穏です。羅夫人に刺繍を売ったことで散々詰められたのに、婚家の人間になってから人前に出るようなことをしたら、また差配を取り上げられるような騒動になりそうで心配です。
傅臨波と冬青のような無邪気な恋心のままみんなが幸せになれればいいのに、守りたいものが出てくると、ひどく執着したり傷つけあったりするようになるのが悲しいですね…
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