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クルミットです♪
趙盼児は、周舎に虐待された宋引章を助けるため、周舎を誘惑して宋引章と離縁させようとしますが、周舎に企みがばれて役所に訴えられる事態に。趙盼児が知県の偏見から刑を受ける危機を助けたのは、駆け付けた顧千帆でした。顧千帆は皇城司の仲間にも裏切られ、絶縁していた実の父・蕭欽言に助けを求めて命を繋ぎ、趙盼児も助けることができたのです。
趙盼児たちは、欧陽旭の本心を確認するため東京にやってきましたが、案の定逆玉に乗った欧陽旭の裏切りを知ることになってしまいます。傷つきながらも、これからどう生きていくかの選択に迫られた趙盼児に、厳しい東京の洗礼が降りかかることになりますよ!
【夢華録】(ネタバレあり)
第7話「父の愛」
欧陽旭は、先に高家の娘と婚儀を挙げ、そこから半年待ってくれと言いだす。趙盼児の出自が元賤民であることは許されない「汚点」になると言われ、趙盼児は徳氏の話が本当だったと知る。しかも生まれた子供は本妻の子にできると言われ、欧陽旭のやり方に失望する。
いっそあっさり捨てられる方がマシだったかもしれませんよね
傷心の趙盼児が涙をこらえて帰る途中、蹴鞠の連続記録を競っていた池蟠一行にぶつかって難癖をつけられる。しかし趙盼児は「たった32回?」とそれを超える回数を難なく蹴って見せ、さらに球門に見事に蹴り込んだため、池蟠は機嫌を損ねる。孫三娘と宋引章は、戻ってきた趙盼児が倒れたため、欧陽旭との間に何かがあったと察する。高熱の趙盼児はうなされるが、いつしか夢の中に現れた顧千帆の言葉に慰められるのだった。
絶望中でなければ盼児はもっとやりこめたでしょうから、池蟠は幸運でしたね♪
蕭欽言は鄭青田が遺した財産の処分先について、顧千帆の名で皇城司の遺族に贈るように命じ、それを隠れて聞いていた顧千帆は一瞬見直す気持ちになるが、財産の多くを皇后の兄・劉太尉に贈り、残りを自分のものとするように言うのを聞いて複雑な思いを抱く。家令の忠氏の息子は、顧千帆の正体に疑問を抱き、都の夫人に知らせようとして叱責される。
蕭欽言は顧淑娘との離縁後に正室を迎えているわけで、正室にとっては顧千帆の存在は青天の霹靂ですね。家令の息子の動きに家庭内の力関係が垣間見えます
雷敬は、蕭欽言によって顧千帆が保護されたと聞く。于中全は顧千帆への私怨が捨てられず「二人を亡き者にしよう」と提案して叱責される。雷敬は、蕭欽言がこれを機に江南の官界の反対勢力を一掃し、背後の皇后の力で宰相に返り咲こうとしているとみる。そこに蕭欽言から宝玉と文が届き、江南の件で雷敬を無関係とするという文に、雷敬は安堵する。
蕭欽言は雷敬に恩を売りつつ、顧千帆に何かあったら許さんと脅しをかけたのですね
顧千帆は銭塘で、賈江をはじめ今回の任務で命を落とした皇城司の配下たちの墓に参る。墓参についてきた忠氏は、蕭欽言が顧千帆のことでどれだけ奔走しているかを語り、雷敬への対処も楊一族の後処理も行ったと聞かされたため、顧千帆は「楊家のおばの供養が終わったら蘇州へ戻る」と渋々了承する。
楊知遠の夫人が顧千帆の「おば」なら、一家惨殺をはかった雷敬は仇も同様ですよね
趙盼児はまだ目覚めずにいた。宋引章は欧陽旭に怒って暴露しようと考えるが、孫三娘は縁談に宮中の妃が絡んでいるからと止める。看病を交代した宋引章は孤月を奏で始め、その音色は客桟の人々を驚かせる。そこには趙盼児の似顔絵を持った杜長風という男がいた。
孫三娘の一歩引いた落ち着きがあってよかったです。このチームプレイは最強ですね
目覚めた趙盼児は、自分が傷ついていないと思うため、しっかり食べて見返す方法を考えることに。そこに杜長風が「欧陽旭の頼み」だと言ってやってくる。杜長風は趙盼児が妾になるのを断ったことを「傲慢」だと断じ、分をわきまえるよう説得しに来たのだ。孫三娘が杜長風を追い出した勢いで目の悪い杜長風の靉靆が池に落ちる。さらに孫三娘は杜長風を川に突き落とし「妹に妾になれと言った」と騒いだため、周囲の人々は杜長風を非難する。
杜長風の言い分が、当時の読書人たちの価値観を代表する考え方なのでしょうね
池蟠は川に落ちた杜長風の騒ぎを聞きつけるが、助けるのを拒んだため、池蟠のことを「十三少」と罵倒する。池蟠は「東京十二商業組合の会頭」で、「十三少」とは「頭が足りない」と揶揄する意味だったため、杜長風をいたぶろうとするが、杜長風は今回の科挙に合格した官吏で、官吏への攻撃はご法度だったことから、川から助けて解放することに。
池蟠が会頭で無事に回っている商業組合というのは、どういう集まりなのか謎ですね
酷い目に遭った杜長風は、趙盼児とは二度と関わるなと忠告するが、欧陽旭は趙盼児をいまだに愛しており、孫三娘も東京に来ていると聞いて「これは渡りに船」と考える。そこに欧陽旭の許婚・高慧が訪ねて来る。婚儀は皇太子が病になったために延期されたのだ。しかし高慧から「屋敷の前で女子と話していた」との話を切り出され、欧陽旭は顔色を変える…
高慧が語った「皇后の実子ではない皇太子」は、「孤城閉」の主人公・仁宗になります
第8話「3つの条件」
屋敷の前で話していた女子について聞かれた欧陽旭は、「間借りしていた王府の王さんでは」と嘘をつく。高慧は側室を迎えることを容認してみせるが、欧陽旭は「欧陽家の家訓として二心は持たない」と約束する。
高慧の「仲良くします」も、欧陽旭の「二心は持たない」も、どっちも信用できませんね
杜長風が置いていった趙盼児の絵は、かつて欧陽旭が描いたものだった。その時に夫婦になったら「旭様」と呼ぶ、と約束をしたことを趙盼児は思い出す。その呼び名「旭様」で高慧に呼ばれる欧陽旭は、杜長風が考えるようには高慧が側室を受け入れないだろうと言う。実は欧陽旭に好意を見せた女子たちは、その後ことごとく悲惨な事故に遭っていたのだ。
高慧の闇コワイ!趙盼児は離れて正解かもしれませんね~
趙盼児は絵を燃やし欧陽旭への想いと決別するが、これからどうするのか何も考えられずにいた。一方、看病疲れで眠っていた宋引章が周舎の悪夢とこの先の不安に怯えて興奮したため、孫三娘が失神させる。高慧は父と叔母の威光を笠に着ているため、寒門出身の自分が意に背いたら趙盼児が犠牲になるため、欧陽旭はわざと趙盼児を怒らせて去らせたのだ。欧陽旭は趙盼児が別れに病んだと聞いて駆け付けようとするが、高慧に知られるからと杜長風に止められる。一方、趙盼児は宋引章を守るため、欧陽旭の情を利用しようと考える。
欧陽旭はうまいこと考えたつもりかもしれませんが、そうはうまくまわりませんよね
顧千帆は蕭欽言に連れられて蕭欽言の父・蕭顥の墓に詣でることに。蕭欽言は初孫として顧千帆を紹介しようとするが、顧千帆は「自分の祖父は顧審言」だと拒絶する。顧千帆の名は亡き顧淑娘と見た高台の景色から、唐の時代の詩人・温庭筠の「夢江南」の一節「過尽千帆皆不是」をとって名付けたのだという話を聞いても、顧千帆が気になるのは朝廷の皇城司への処分だった。雷敬の賂の証拠がない以上、今は利用しつつ、弱みを握ってからことを起こすのがいいとの蕭欽言の考えに、顧千帆は賛同できない。
顧千帆のまっすぐさと蕭欽言の駆け引きの剛柔は、絶対に相容れなさそうです
趙盼児は欧陽旭の家を探し出して訪問する。欧陽旭は趙盼児に対して側室でも厚遇を約束するが、趙盼児は妾になることを拒絶し、「婚約破棄の署名」、「宋引章を良民にする約束の履行」、そして「夜宴図を返すこと」の三つの要求を欧陽旭に突きつける。できないなら婚約の事実を吹聴すると言うので、欧陽旭には受け入れる以外の道はない。
「夜宴図」は欧陽旭が持っていたのですね!これは面倒なことになりそうです
蕭欽言は顧千帆のためを思いやっていると言うが、その実は自分の出世のためでしかないことを顧千帆は見抜き、雷敬を許すのも宰相就任のために皇城司を味方につけたいからだと指摘する。しかし蕭欽言は「お前が蕭欽言の息子だとわかっていれば狙われなかった」と言い、なぜ進士出身なのに皇城司に固執するのかの理由を尋ねるが、顧千帆は蕭欽言が自分のことを何一つわかっていないと苦笑する。そんな中、顧千帆は失くし物に気付く。
こんなに分かり合えない人を頼ったことで、今後色々と引きずりそうですね
欧陽旭は片付いていない荷物の中から「夜宴図」を探そうとするが、なかなか見つからない。宋引章を良民にするには東京の名家出身である杜長風に頼むしかなく、3日以内に返答をすると言い、「夜宴図」は宿に届けると約束する。欧陽旭は渡そうと用意していた簪を手渡そうとするが、趙盼児に冷たくあしらわれて愕然とする。
守るために遠ざけたと言いつつ、欧陽旭は何かと未練たらたらでみっともないです
顧千帆が落としたのは珊瑚の簪だったが、見つけて拾い上げたところ、蕭欽言を非難する声が聞こえてくる。それは蕭欽言の被害者たちが蕭顥の墓にゴミや汚物を投げつけていたのだ。忠氏によると、毎年清明節と中元節の頃にこういったことがあるという。顧千帆は墓を掃除し「自分は正しく生きたいだけ」と墓の祖父に詫びる。
欧陽旭の簪の方が豪華ですが、きっと今の趙盼児は顧千帆の簪の方を喜ぶかも…
杜長風の荷物の中から探してもらうも「夜宴図」は見つからない。そこで絵は後回しにして、宋引章を良民にすることの口利きを杜長風の親戚に依頼する。しかし杜長風は欧陽旭の出世の道が絶たれるのを恐れて断るが、欧陽旭は左遷されれば高家が縁談を断ってくれるだろうと考えるが、高慧が汚点となる欧陽旭の命を奪う可能性を指摘され追い詰められる。
縁談を断られてことが済むなら、趙盼児のことを明かせばいいだけですよね~
そこに銭塘で趙盼児に足止めされていた徳氏が戻り、趙盼児はいかさま師だから婚約解消書に署名するべきではないと訴える。しかも徳氏は帰途で華亭県での周舎とのいざこざを耳にしたのだ。欧陽旭は趙盼児のことを「そんな女ではない」と信じようとするが、徳氏が柯宰相に絵を贈っていたと知り、何一つ趙盼児の要望に応えられないことに暗澹とする。
なんだかんだで、趙盼児と欧陽旭を地獄に追い込んだのは徳氏にも一因が…
欧陽旭の返事がなかなか届かないため、趙盼児は何かがあったと睨んで様子を見に行くが、徳氏が戻った上に、門番が趙盼児たちを追い返そうとしたため、孫三娘が取り立ての経験を活かして門前で大騒ぎを始める。その騒ぎを聞いた欧陽旭はうろたえるが、想定していた徳氏は、すでに策を講じてあると言う。
孫三娘は銭塘でなかなか壮絶な人生を送ってきたようですね♪
徳氏に遣わされたのは池蟠の手下の何四だったが、趙盼児に「池蟠の犬」と言われた上に、孫三娘にとっちめられたちまち泣きが入る。趙盼児は何四を騙して逆に仲間に引き入れ、欧陽宅の前で騒ぎを起こさせるが、これは顧千帆の入れ知恵だった。船の上で顧千帆に「欧陽旭に裏切られたら?」と聞かれた時「欧陽旭の人柄を信じる、あの日々に後悔はない」と強がった趙盼児だったが、顧千帆が「この世には試練に耐えられぬ者もいる」と、皇城司での経験をもとに言った言葉が正しかったのだと悟る。
男女のもつれだと世間はどっちもどっちに見ますが、借金の踏み倒しは借りた側には分がないので、まさに「天が許さぬ!」と叫べば同情を引けるわけですね
その頃、顧千帆は陳廉に命じて鄭青田についての書類を集めさせていた。それは陳廉が「江南の管理は皆、鄭青田の言いなりに?」と嘆くほど沢山あった…
顧千帆はいつ東京に帰ってくるのでしょう?
第9話「勝負の賽の目」
顧千帆は鄭青田についての大量の書類に目を通していたが、齟齬がなければ任務が終了し東京に戻れるというので、陳廉は大喜びで何の役職に就けるのかと浮かれる。東京から趙盼児について何も知らせがないというので、顧千帆は何かあったのかと心配する。
実際のところ陳廉のポストの心配までする余裕は顧千帆にはあるのでしょうか
池蟠は杜長風に「十三少」と侮られたことなどの苛立ちを呂五にぶつけていた。贔屓の張好好が八大王の誕辰祝いに舞を披露するというので、手下を差し向けて張好好の出番を盛り上げようと画策するが、何四の不在に気付く。そこで呂五からあの時愚弄された娘に何四もしてやられていると聞き、池蟠は激怒する。
何四たちはいてもいなくてもあまり気付いてもらえないのはちょっとかわいそう…
何四たちの嫌がらせは一向にやまず、欧陽旭はこの事態を招いた徳氏に八つ当たりする。そこに池蟠が駆け付けて何四を叱りつけるが、何四はすっかり趙盼児にとりこまれていた。池蟠は趙盼児の居場所が三元客桟と聞いて怒鳴り込むが、琵琶を弾いていた宋引章の美しさに魅了され、趙盼児の妹だというので言い寄ろうとする。しかし孤月を乱暴に触られたことで、宋引章は抵抗して逃げ出し、孫三娘と趙盼児が出てくることに。
「子供が産めなくなる」と騙されている何四は、さすが池蟠の手下ですよね♪
池蟠は宋引章に叩かれたことの決着をつけたいと、長慶楼で和解の酒宴を開くのでそこで宋引章に三曲弾かせれば許すと脅す。趙盼児は「妹は江南一の琵琶奏者」のため、文武三題を受けて通る必要があるとふっかける。そこで池蟠と趙盼児は、三元客桟の客を証人に蹴鞠以外の三番勝負で決着をつけることに。
これで池蟠に屈したら、いつまでも宋引章は楽妓扱いのままなので負けられませんね
一番目の勝負は、宋引章が出題した上の句に、池蟠が時間内に下の句をつけるというもの。宋引章は上の句を五行の「木火土金水」が偏につく文字で構成するが、池蟠は妓楼遊びで鍛えた言葉遊びで返す。宋引章はさらに二句追加して四文字ごとに同じ偏で構成する上の句で挑発するが、池蟠はすべて返して一勝を得る。
意外な才能?と思ったら、妓楼遊びのせい… これだから仕官できないのでは…
二番目の勝負は刀法。池蟠は短剣で指を刺さないように剣さばきを見せる。孫三娘は包丁を持ち出して豆腐を細かく切り、それを水に入れ軽く揺らすと、豆腐は花びらが開くように変化したため、観客は孫三娘の勝ちを認め、両者は一勝一敗ということに。
孫三娘が作ったのは菊花豆腐ですね!
三番目の勝負は池蟠が出題したいと言い出し、お題を「賽子」に。賭場の「小覇王」と呼ばれる池蟠は得意分野での勝ちを確信するが、孫三娘と宋引章は内心笑いをこらえる。「大小比べ」で勝負することになるが、趙盼児は賭け物を追加し、池蟠が勝てば酒宴と演奏に賠償金10貫だが、趙盼児が勝てば手下は趙盼児のために働くことに。そして池蟠が賽子を先に開けるとすべてが6の目で揃った36だった。池蟠は勝ちを確信するが、趙盼児が開けた目はさらに1多い37だった。池蟠は趙盼児の指輪でのいかさまを疑うが、趙盼児が指輪の金剛石で賽子を割ったからくりを見破れず、趙盼児が勝利し、池蟠は泣き崩れる。
なんで1個多いのか?と思ったら、一つの賽子を割ったようです。それはズルでは?
趙盼児たちは祝杯を挙げるが、これからの欧陽旭との戦いを思うと気が晴れない。そんな趙盼児の胸の内には、顧千帆に教えられた再会方法を思い「王記鉄舗」に赴くが、店の旗は紺色で、顧千帆はまだ東京に戻っていないのだとわかる。東京暮らしの不安に押しつぶされそうな趙盼児は「顧千帆がここにいてくれたら」と思う。
趙盼児の気持ちはもうすっかり顧千帆に移ってしまっているようです
その頃顧千帆は銭塘の「趙氏茶舗」を訪ねるが、店主を失った店は荒れ果てていた。趙盼児のその後が気になるものの、きっともう探花夫人になっているだろうと考える。顧千帆は陳廉の兵士時代の友人の伝手を使い、店を見張らせるとともに、傅新貴と傅子方の行方を調べるよう命じる。陳廉は蕭家を使ってはどうかと言うが、蕭家を信じられない顧千帆は「私と蕭使相は永遠に別の道を行く」と言う。
趙盼児へだけでなく、傅家のその後への気配りをするのが気の利くスパダリですよね♪
宋引章は、顧千帆が東京に帰還すれば趙盼児を苦境から救ってくれるだけでなく、自分を良民にすることもたやすいのではないかと期待する。それがかなうのなら、顧千帆のために何でもするつもりだった…
宋引章にとっての顧千帆は、白馬に乗った王子様感覚なのでしょうね…
7~9話の感想
案の定趙盼児は欧陽旭に裏切られることになりました。欧陽旭はプライドの高い趙盼児から断らせるつもりが、まさか趙盼児から条件交渉を迫られることになるとは。彼は彼女のことを芯から理解してはいなかったのかも。それにしても、趙盼児の要求を何一つ自力でかなえることができない無能さを見るに、趙盼児は欧陽旭のどこがよかったのやら…
それにしても高慧は怒らせたら命の危機になるレベルの恐ろしいタイプなのですね。欧陽旭には断るという選択肢がなく、婚姻を賜るか死かの二択でしかなさそうです。側室なんか連れてきたら、北条政子方式で偶然を装って家ごと燃やされそう♪
しかし、出てくる男性陣がことごとくダメ男なのですが… 杜長風、池蟠、呂五や何四、ある意味蕭欽言もダメな気がします。それでも池蟠一派は悪役?風なのにどこかかわいげがあるから許せるのですが、杜長風は「The・北宋の読書人」といった振る舞いで、議論をこねくりまわすだけの無神経の塊というキャラ造形が、実によくできていると感心させられます。杜長風を演じている張暁謙は、「琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~」で霓凰郡主の弟・穆青役や「明蘭」では明蘭の腹違いの兄・盛長楓を演じていたことで御記憶の方も多いかと思いますが、いつもどこか抜けている脇のキャラクターを巧みに演じているイメージがありますね。
そして趙盼児たちと別行動で、蕭欽言にからめとられて東京へ帰ってこられない顧千帆ですが、自分は父と同じ道を歩むことはない、と本人の中では結論が出ているようです。でも、一度優秀な長男にロックオンした蕭欽言が、簡単に顧千帆を諦めるとは思えません。もしも後添えの正室に産まれた息子が優秀なら、こんなに面倒で反抗的な長男を、苦労してまで手元に置こうとはしないでしょうからね。蕭欽言も顧千帆を大事に思うなら、息子の思うように歩ませたらいいものを、なんとか自分のやり方に染めようとしてくるからうまくいかないのですよね。このいびつな父子関係が、これから始まるだろう趙盼児と顧千帆の関係にも影を落とすことになりそうなのが心配です。
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