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クルミットです♪
第20話は、ちょっとした「善意の詐欺」とでも言うような回でした。果樹園での梅の収穫が本当の目的だったと知っても誰も怒らない、むしろ笑って動き出す。そういう人たちが集まっている場所だから、この村は居心地がいいんでしょうね。それでは20話を一緒に見ていきましょう!
風の吹く場所へ 20話のあらすじ
謝之遥はもともと病院で付き添いをしていましたが、鳳姨(鳳おばさん)に「先に帰って休んで」と気を遣われて家に戻ります。ちょうどそのとき、許紅豆が自ら台所に立って謝おばあちゃんのためにご飯を作っていました。
謝之遥が各皿を眺めてみると、どう見ても「黒暗料理」(=失敗料理)の予感しかしません。実際に食べてみると、やはりそうでした。でも謝おばあちゃんだけはニコニコしながら「おいしい」と言い続ける。
孫の彼女に気を遣っているのか、本当においしいと思っているのか、それがわからないのが逆にじわっときました。謝おばあちゃんの「全部おいしい」が優しすぎる。
食後、許紅豆は街で買っておいたブドウを洗って出してみたら、酸っぱくて全然おいしくない。どうやら騙されたようでした。そこで謝之遥がひらめいて、「みんなで果樹園に梅の収穫に行こう、費用は全部自分が出す」と誘います。その気前のよさに許紅豆は感心して、すぐに賛成しました。
一方、最近の胡有魚は幼稚園に音楽の先生として通っていました。子どもたちの笑顔から小さな満足感を得て、鼻歌を歌いながら帰ろうとしたら、教室にバッグを忘れたことに気づきます。引き返してみると、アコーディオンの先生が普通にいる。辞めたはずじゃ、と思ったら、これは謝暁春の仕込みだったとわかりました。
問い詰めると、謝暁春は「謝之遥が胡有魚の精神状態を心配して考えた」と認めます。しかし胡有魚はプライドが傷ついてしまいます。「可哀想だと思われているんだ」というやつです。それを聞いた謝暁春が「あなたは打算的すぎる。人の思いやりを受け取ることもできないし、頭を下げることも絶対にしない」とびしっと言い放ちました。
謝暁春のこのセリフ、友達だからこそ言える言葉ですよね。ちょっと痛くて、でも正しかった。
この一言がきっかけで、胡有魚は変わります。友人たちの善意を受け入れて、チームビルディングに積極的に参加することにしました。
さて、そのチームビルディングですが、実はこれ、謝之遥が鳳姨(鳳おばさん)を助けるために仕掛けた作戦でした。昌叔さんがまだ入院中で、人手が足りない鳳姨(鳳おばさん)の果樹園の梅の収穫を手伝うために、みんなを巻き込んだわけです。
謝暁春は「そういう作戦に今後は巻き込まないで」と苦笑いしながらぼやいていましたが、当日は全員でわいわい果樹園へ向かいます。鳳姨(鳳おばさん)が来て初めてみんなが本当の目的を知るわけですが、誰も嫌な顔をしない。鳳姨(鳳おばさん)の状況を思えばこそ、みんな黙々と手を動かします。
「あ、そういうことか」とわかった後に、誰も文句を言わないんですよね。それがこの村の雰囲気の良さというか。
収穫をしながら、謝之遥がこんなことを言います。「人と人を比べてはいけない。ある人のスタートラインは、別の人には決して届かない終着点かもしれない。だから過去の自分と比べればいい。一番つらい時期を乗り越えれば、あとはどんどん良くなっていく」。
大きな声で演説するわけじゃなくて、ただ自分の考えを話しているだけ。でもすっと残る言葉でした。
果樹園では、阿桂婶(阿桂おばさん)と鳳姨(鳳おばさん)のあいだに小さな和解もありました。阿桂婶(阿桂おばさん)はずっと仲直りしたいと思っていたけど、なかなか言い出せずにいた。周りに誰もいないタイミングを見計らって、こっそりポケットから祝儀袋を取り出して渡します。
鳳姨(鳳おばさん)は「自分は口が悪くて、近所の人たちにいろいろ失礼してきた」と認めていました。そして阿桂婶(阿桂おばさん)の子どもたちがいい子に育ったことを羨ましいと思っていた、とも打ち明けます。自分の娘は亡くなって、息子は刑務所に入った。それは親の責任だと。
この場面、さらっと流れていくんですけど、重さがありました。大きく音楽を盛り上げるわけでもなくて、二人がポツポツ話すだけ。それが良かったです。
阿桂婶(阿桂おばさん)が「大洋がなかなか青島に連れて行ってくれない」という愚痴をこぼすと、鳳姨(鳳おばさん)が少し笑います。そのやりとりで、空気がほぐれました。三十年以上の付き合いというのは、こういうものですね。
一日かけて収穫が終わり、みんなへとへとになったところで謝之遥が記念写真を撮ります。そして馬丘山は翌朝早く起きて瞑想をしていると、大麦が部屋から出てくるのを見かけます。大麦は馬丘山や周りのみんなの影響を受けて、新しい小説を書くことを決めていました。現実に負けないで、創作の道を歩き続けるという意思表示です。
風の吹く場所へ 20話の感想まとめ
一番印象に残ったのは、鳳姨(鳳おばさん)と阿桂婶(阿桂おばさん)の場面です。
祝儀袋をポケットに忍ばせてずっと機会をうかがっていた阿桂婶(阿桂おばさん)。「先に謝るのが悔しいけど仲直りしたい」という、どこにでもいる人間らしさがそのまま出ていて、見ながらくすっとしてしまいました。
鳳姨(鳳おばさん)が「娘が死んで、息子が刑務所に入った」と話すところは、淡々としているのがかえって重くて。大声で泣いたりしないぶん、こっちが先にもらいそうになりました。
胡有魚の話は、プライドが邪魔して人の優しさを受け取れないという感情が、わかるようでわかりにくいやつです。謝暁春が「あなたは打算的すぎる」と言ってのけるのが、友達だからこそで。ああいう正直な関係は、見ていてうらやましいです。
謝之遥の「一番つらい時期を乗り越えれば、あとは良くなっていく」という言葉は、誰かを励ますために言ったわけでもないのに、なんか届きます。説教くさくないのが良かった。
そして最後、大麦が新しい小説を書くと決めた場面。さらっと通り過ぎるんですけど、馬丘山の影響がじわっと大麦に染み込んでいるのがわかって、良かったです。
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