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クルミットです♪
今回紹介するドラマは『夢華録』です。
このドラマは、宋の時代を舞台に、時代の理不尽さに抗ってたくましく生きる女性たちの友情と生き様、そして苦難の果てに結ばれる男女の大人のロマンスを描いた物語です。
原作は關漢卿の「趙盼兒風月救風塵」ですが、これは元の時代の古典戯曲で、このドラマの中の一部にその片鱗が活かされています。それはドラマの序盤で趙盼児が宋引章と周舎の結婚を心配してあれこれ画策するあたりで、早々にその原作をもとにした話は終わってしまい、中盤からは完全に原作から離れた創作になっています。むしろ、よくここまで話を膨らませたものだと感心させられますが、その辺りはラブ史劇のヒットメイカーである脚本家・張巍の腕の見せ所なのかもしれません。
ここでは『風起隴西-SPY of Three Kingdoms-』のあらすじやネタバレ感想、見どころ、最後の結末、といった話題を紹介していきます!
どうぞお楽しみにしてくださいね♪
夢華録 あらすじ
時は北宋の時代、皇城司指揮使で通称「生き閻魔」と恐れられる顧千帆は、反皇后である清流派が証拠としている絵画を回収するように命じられ、都から銭塘県へと向かう。その銭塘で一番の茶屋を営む趙盼児は、許婚の欧陽が科挙に受かって自分を迎えに来るのを心待ちにしていた。趙盼児と孫三娘が協力して経営しているその茶屋に、官兵に追われた賊が乱入し、趙盼児は人質にされてしまうが、その危機を客として店にいた顧千帆が救う。
一方、趙盼児は妹分・宋引章から結婚を約束した周舎という男を紹介されるが、彼を信用できずに反対する。しかし宋引章は耳を貸さずに周舎と駆け落ちしてしまう…
「夢華録-各話あらすじ」はこちらから
ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。
1話-2話-3話
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7話-8話-9話
10話-11話-12話
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31話-32話-33話
34話-35話-36話
37話-38話-39話
最終回(40話)
主人公の趙盼児と顧千帆の、身分や困難を乗り越えていく、艶っぽい大人の恋物語の展開が、すれ違いの連続でハラハラさせられるのももちろん、本作は趙盼児と孫三娘、宋引章の三人のシスターフッドに勇気づけられます!女性陣が家庭や恋人との関係や、社会の理不尽さに傷つきながらも、自分たちの腕一本と友情のスクラムで力強く立ち上がっていく姿に、時代を超えた共感が溢れます。
さらに、男性キャラもチャーミングな顔ぶれがそろい、顧千帆サイドが描くサスペンス要素もドラマに深みを与えています。時代は北宋の真宗時代が舞台になっていることを頭の隅に置いていただくと、宮廷に蠢く陰謀の原因がわかりやすいのではないでしょうか。
趙盼児役のリウ・イーフェイ(劉亦菲) は、陳坤主演の「華の家族」でデビューし、ドラマでは「天龍八部」の王語嫣役や「神鵰侠侶」の小龍女役など武侠ドラマに出演していましたが、映画「ドラゴン・キングダム」のゴールデンスパロー役でハリウッドデビューを果たし、そこからは「項羽と劉邦/White Vengeance」の虞姫役や「曹操暗殺 三国志外伝」の貂蝉役など、映画に多く出演してきました。その後、ディズニーの実写版映画「ムーラン」の主人公・ムーラン役に起用されて注目を集めますが、彼女の香港民主化のデモ批判のSNS投稿が炎上し、映画ボイコット騒動に発展したため、本作は彼女の久々のドラマ主演作となります。
顧千帆役のチェン・シャオ(陳曉)は、10歳の時に「我们班的歌」という作品でドラマデビューしています。「恕の人-孔子伝-」では南子夫人の元彼・宋朝役、「宮 パレス2〜恋におちた女官〜」の慎郡王役、「王の女たち 〜もうひとつの項羽と劉邦〜」の羅豐役などの後、「後宮の涙」の高湛役で人気を博し、「雲中歌~愛を奏でる~」の劉病已役、「月に咲く花の如く」の沈星移役、「独孤皇后〜乱世に咲く花〜」の楊堅役、「冰雨火〜BEING A HERO」の呉振峰役など、主役級で活躍を続けています。「ユン・シャン伝 ~江湖 復讐の嵐~」の日本上陸も決まり、また新たな魅力が発見できそうです。
夢華録 評価・レビュー
中国ドラマ「夢華録」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
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男に裏切られて愛を信じることができなくなっていた趙盼児と、複雑な家庭環境から人を愛することに不器用になっていた顧千帆が出会い、反発から信頼へ、そして愛情へというのはありがちなパターンですが、互いの屈折を乗り越えていく時の包容力が、若さゆえの失敗を乗り越えた大人の成熟を感じさせられました。
大体中国時代劇では、途中で迷いをこじらせて面倒くさくなるのはヒロインの役割ですが、本作では顧千帆の方がうじうじと悩んだことで面倒を引き起こし、「私を娶るの?娶らないの?どっち?」と趙盼児から決断を迫られるというのが、今までにない男主と女主像を感じさせられました。
そう、本作は非常に地に足が付いた「女性の強さ」が感じられました。男に頼らず自分の腕一本で稼ぎ、自立した女性たちが前向きに生きていこうとする姿は、自分もかく生きたいと思わせられました。趙盼児を取り巻く三人のシスターフッドにはとても元気をもらえました。時に荒れ模様ながら、離れた時に決して無理に追いかけたりせずに、肝心な時に手を差し伸べる距離感が心地よかったです。
実は、趙盼児、孫三娘、宋引章を演じている三人の女優は、役柄の設定が実際の苦難を連想させるようになっていました。趙盼児役の劉亦菲は、政治的な発言をしたことで干され、孫三娘役の柳岩はセクシーキャラをいじられた上に、被害者なのに売名の汚名を着せられて干され、宋引章の林允は有名俳優との交際で苦い思いをしてきました。三人がそれぞれドラマの中で苦難を乗り越えていくたびに、見る者は役と本人の苦難をだぶらせ、彼女らの成長に共感を抱くようになる演出になっていたのです。
理不尽なバッシングで脂の乗った時期にキャリアが失われたことは、果たして孫三娘が杜長風を川の中に蹴り入れる程度で晴らせたのでしょうか。かつては自分たちに石を投げた無責任な野次馬の喝采すらも自分の力にして、彼女らはひたすら前進を続けていくのかもしれません。冷遇からの復活を果たし一皮むけた演技が評価されることで、彼女らが今後新しい道を切り開き、俳優として成長していくのを楽しみにしていきたいと思います。
夢華録 キャスト・登場人物
中国ドラマ『夢華録』のキャスト&主な登場人物一覧です。
主人公(ヒロイン)から脇役まで、登場人物の詳細をリストでご紹介します!。
主演俳優・女優および共演者情報など、出演者プロフィールが一目でわかります。
<趙盼児役・劉亦菲(リウ・イーフェイ)>
官吏だった父の失脚で賤民となった過去を持つ趙盼児は、皇城司の顧千帆に反発しますが、自分を裏切った欧陽旭よりも、顧千帆の誠実さに惹かれていくことに…
劉亦菲は、陳坤主演の「華の家族」でデビューし、ドラマでは「天龍八部」の王語嫣役や「神鵰侠侶」の小龍女役など武侠ドラマに出演していましたが、映画「ドラゴン・キングダム」のゴールデンスパロー役でハリウッドデビューを果たし、そこからは「項羽と劉邦/White Vengeance」の虞姫役や「曹操暗殺 三国志外伝」の貂蝉役など、映画に多く出演してきました。その後、ディズニーの実写版映画「ムーラン」の主人公・ムーラン役に起用されて注目を集めますが、彼女の香港民主化のデモ批判のSNS投稿が炎上し、映画ボイコット騒動に発展したため、本作は彼女の久々のドラマ主演作となります。
<顧千帆役・陳曉(チェン・シャオ)>
皇城司で「生き閻魔」と呼ばれる顧千帆は、仕事では冷酷ですが、政争に傷つく中で出会った趙盼児を愛し、元賤民の彼女との婚姻を反対されても貫こうとする一途な人柄です。
陳曉は10歳の時に「我们班的歌」という作品でドラマデビューしています。「恕の人-孔子伝-」では南子夫人の元彼・宋朝役、「宮 パレス2〜恋におちた女官〜」の慎郡王役、「王の女たち 〜もうひとつの項羽と劉邦〜」の羅豐役などの後、「後宮の涙」の高湛役で人気を博し、「雲中歌~愛を奏でる~」の劉病已役、「月に咲く花の如く」の沈星移役、「独孤皇后〜乱世に咲く花〜」の楊堅役、「冰雨火〜BEING A HERO」の呉振峰役など、主役級で活躍を続けています。「ユン・シャン伝 ~江湖 復讐の嵐~」の日本上陸も決まり、また新たな魅力が発見できそうです。
<孫三娘役・柳岩(リウ・イエン)>
夫と息子に捨てられて銭塘を追われた孫三娘は、持ち前の料理の腕で東京でも名を上げ、杜長風との関係も進展しますが、内心別れた息子への思いに心を痛める繊細な一面も。
柳岩はアナウンサーとしてデビューした後に女優に転身、台湾ドラマ「晴れのち女神が微笑んで」ではJ-KINGのマネージャー役、「歓楽無双~恋する事件帖」では皇后役、「神龍-Martial Universe-」では悪女穆芊芊などで活躍してきました。2015年の「世界で最も美しい顔100人」にもランクインする一方、その抜群のスタイルゆえに数々のトラブルに見舞われてきました。2016年の「伴娘(花嫁介添え)事件」では、友人の結婚式で介添人のドレス姿の彼女を、新郎と友人たちが無理やりプールに落とそうとしたセクハラ行為の映像が流出して炎上、被害者なのに売名と叩かれ業界で干される事態に。そのため本作で杜長風を川に蹴り落とす演出は、暗に「仕返し」の意味があった、と言われています。
<宋引章役・林允(ジェリー・リン)>
琵琶の名手で妓女の宋引章は、趙盼児の反対を押し切って周舎と駆け落ちしますが、裏切られたことから男に不信感を、それを助けた趙盼児に歪んだ嫉妬を抱くようになります。
林允は周星馳監督の映画「人魚姫」のヒロインシャンシャン役に12万人のオーディションで抜擢されてデビュー後、「蒼穹の剣」の蕭薫児役や、中国版「のだめカンタービレ」の「キミと奏でる交響曲<シンフォニー>」のファン・シャオウオ役などで人気を博し、中国版「いたずらなkiss」の映画「一吻定情」では原湘琴役で王大陸と共演、周迅主演の「インパーフェクト・ヴィクティム」では磨きのかかった演技力で勝負しています。
<葛招娣役・李沐宸(リー・ムーチェン)>
葛招娣は、最初半遮面を陥れる詐欺師として登場しますが、趙盼児たちに手を差し伸べられて才能を開花させ、店になくてはならない存在として成長していきます。
李沐宸は「鳳星の姫 ~天空の女神と宿命の愛~」では銀翼鉄騎の副将軍・漣漪役、「半妖の司籐姫~運命に導かれた愛~」では苅族の沈銀灯役、実写版「マスターオブスキル 全職高手」では唐柔役、「うっかり拾った恋なのに」では趙露思演じるアンシンの妹グー・シンアル役、「これから先の恋」では楊紫演じるジーシアオの親友シアオ・シャン役など、「印象に残る二番手」として活躍してきました。最近は流行りの配信系ショートドラマで主役を演じることが多く、今後の活躍に期待ですね。
<池蟠役・代旭(ダイ・スー)>
池蟠は東京十二商業組合の会頭ながら、何かと趙盼児に負かされるのを恨んで商売の妨害をしていましたが、やがて趙盼児の商才にほれ込み、最強のビジネスパートナーに…
代旭は「バーニング・アイス-無証之罪-」での弁護士事務所で働く郭羽役や、「招揺」の新山門の新門主・姜武役、「戻ってきた娘の秘密」の程旭役などで、主役を食う存在感を発揮する俳優として人気を博しています。ぜひ主役となった代旭を見てみたいものです!
<欧陽旭役・徐海喬(シュー・ハイチャオ)>
趙盼児と将来を誓っておきながら、科挙に合格した途端に逆玉に乗って約束を破った欧陽旭は、別れ下手が災いして出世の道を自ら閉ざし、恨みの塊になっていくことに。
徐海喬は「花千骨~舞い散る運命、永遠の誓い~」では弟子仲間の孟玄朗役、「蒼蘭訣~エターナル・ラブ~」では長珩の親友の容昊役など、イケメン二番手なポジションだったのですが、次第にクセ強めな役柄に実力を発揮するようになり、本作や「清越坊の女たち~当家主母~」では沈翠喜の夫・任雪堂役で最低男のイメージがついてしまいました。景甜と馮紹峰主演で話題の「灼灼風流(原題)」ではどうなのか、日本上陸が待たれます。
中国本土での反響 ― 豆瓣8.3→8.8→8.5「古偶之光」と呼ばれた2022年の話題作
『夢華録』、中国本土での盛り上がり方がすごかったんです♪ 放送開始から結末まで、豆瓣スコアが大きく変動した珍しい軌跡を辿り、視聴者を巻き込む「一大イベント」のような作品になったんですよ。
配信スタートと豆瓣スコアの異例の変動
2022年6月5日、中国で配信スタート直後の豆瓣開分は8.3点。これ自体が当時の中国時代劇としてはかなりの高評価だったんですが、本作はここからまだ上がりました。最高で8.8点まで上昇したあと、結末の論争を経て最終的に8.5点で着地。
放送中にスコアが0.5点も上下する作品は本当に珍しいんです。それだけ視聴者が毎話のように議論し、レビューを書き直し続けた…という、熱度の高さを示しています♪ 累計レビュー数は25万人超で、これは中国時代劇としてトップクラスの数字です。
「古偶之光」 ― コスチュームラブドラマの希望の光
本作を現地で表現した言葉として有名なのが「古偶之光(gǔ ǒu zhī guāng / 古装偶像劇の希望の光)」。
当時の中国では、時代劇+アイドル路線のコスチュームラブドラマ(=古偶劇)が量産されすぎて、「どれも似たような安っぽい作り」と視聴者に飽きられ始めていたんです。そんな中で登場した『夢華録』は、衣装・美術・脚本・演技のすべてが高いレベルで統一された、本物の古偶劇として衝撃を与えました♪
北宋の茶館・銭塘の街並み・汴京(現在の開封)の商業風景…。こうした映像美が単なる”美しい背景”ではなく、登場人物たちの生活感や時代の息吹まで描き切っている…と評価されて、本作以降「古偶劇も本気で作ればこれだけ輝ける」という新しい基準を示したんです。
劉亦菲の”復帰後代表作”という位置づけ
ヒロイン・趙盼児を演じた劉亦菲(リウ・イーフェイ)さんにとって、本作は非常に重要な作品でした。彼女は長期間ドラマ出演から遠ざかっていて、本作が約10年ぶりの本格的な中国時代劇復帰作だったんです。
その復帰作でこれだけの大ヒット&高評価を獲得したことで、劉亦菲さんのキャリアは完全に新たなフェーズへ突入しました。本作の後に『去有風的地方』『玫瑰的故事』など話題作が続き、彼女は再び中華圏トップクラスの女優としての地位を確立していくことになります♪
制作陣の真価 ― 楊陽監督と関漢卿の元雑劇を40話に拡張した手腕
『夢華録』がここまでの傑作になれたのは、制作陣の構想力がすごかったから。700年以上前の元雑劇を、現代の中国ドラマ40話に拡張したという、相当に大胆な仕事ぶりなんですよ♪
監督・楊陽 ― 中国ドラマ界を代表する女性演出家
本作の監督を務めたのは楊陽(ヤン・ヤン)さん。中国テレビドラマ界でも数少ない、第一線で活躍する女性監督です。これまでも『将夜』『将軍在上』など話題作を手がけてきた実力派で、とくに映像の画作りと女性主人公の描写には定評があります。
本作でも、趙盼児・宋引章・孫三娘という三姐妹それぞれの内面を、セリフに頼らず目線・仕草・間合いで表現する演出が光っています。宋代の風俗を再現した映像美も、楊陽監督ならではの計算し尽くされた画作りなんですよ♪
脚本・張巍 ― 6話分の原作を40話に膨らませる拡張力
脚本を担当したのは張巍(ジャン・ウェイ)さん。原作『趙盼兒風月救風塵』という元雑劇の内容は、実は本作の前6話分にしか相当しない短い話。そこから34話分もオリジナルのストーリーラインを組み上げるというのは、本当にとんでもない仕事量なんです。
張巍さんは、原作の「女性が知恵と連帯で男性の罠を打ち破る」というテーマを軸に残しつつ、北宋の商業都市・都会的なビジネス、皇城司という特殊組織、三姐妹の連帯と自立…といった新しい物語層を見事に積み上げました。オリジナルキャラの顧千帆、三姐妹それぞれのキャリアストーリーなど、すべて張巍さんの創作です♪
北宋という舞台設定のこだわり
本作のもうひとつの大きな魅力は、北宋(960年〜1127年)という時代設定。清朝ばかりが舞台になりがちな中国時代劇の中で、北宋を選ぶこと自体がまずこだわりです。
理由はシンプル。北宋は中国史上もっとも経済的に繁栄し、女性の社会進出が比較的進んでいた時代だったから。茶館を経営する女性、教坊の楽師から脱藉を目指す女性、料理人としての独立を夢見る女性…。三姐妹の物語が成立するには、北宋という舞台が必要だったんですね。
汴京の商業風景、点茶の作法、宋代の衣装・建築・食文化…。本作を観ていると、北宋という時代そのものへの興味が湧いてくる、そんな教養的な深みまで備えた時代劇なんです♪
OST完全ガイド ― 劉宇寧《夢華》と張靚穎《不惜時光》
『夢華録』のOST、本作の世界観を語るうえで欠かせない名曲揃いなんです♪ 中華音楽界の大物アーティストたちが、北宋の情景にぴったりの楽曲を次々と提供してくれました。
片頭曲《夢華》 ― 摩登兄弟・劉宇寧の豪快な歌声
オープニング主題歌は摩登兄弟(モダン・ブラザーズ)の劉宇寧(リウ・ユーニン)さんが歌う『夢華(ムンホア)』。劉宇寧さんはライブストリーミング配信から大ブレイクを果たした、近年の中華圏でもっともチケットが取れない若手男性歌手のひとりです。
彼の特徴は力強く艶のある声質。『夢華』の壮大なメロディーラインに、彼の歌声が乗ることで、北宋の都・汴京の繁栄と趙盼児の強さが一気に描き出されます。オープニング映像と合わせて流れる瞬間、一気に作品世界に引き込まれる名曲ですよ♪
片尾曲《不惜時光》 ― 張靚穎と劉亦菲の長年の絆
エンディングテーマは、中国ポップス界のディーヴァ張靚穎(ジェーン・チャン)さんが歌う『不惜時光(プーシー・シーグァン / 時間を惜しまない)』。
実はこれ、張靚穎さんが劉亦菲さんの作品のOSTを歌うのは、これで5回目。2人の間にはもう20年近い友情があり、本作の主題歌オファーも「友情参加」の面が強かったんですよ♪ 張靚穎さんの透き通る高音が、趙盼児の凛とした佇まいと「時間の流れを惜しまず進む」という決意を重ね合わせて表現しています。
挿入歌群 ― 北宋の情景を多層的に描く
本作のOSTは片頭・片尾曲だけでなく、各話ごとに異なる挿入歌が丁寧に配置されています。三姐妹がそれぞれの夢に向かうシーンで流れる楽曲、顧千帆の葛藤を表現する弦楽器曲、北宋の茶館の賑わいを彩る民族楽器のBGM…。
注目すべきは、中華圏で伝統的に親しまれる琵琶・古琴・笛子(竹笛)などの民族楽器を現代的なアレンジで織り交ぜている点。単なる時代劇BGMではなく、「現代の視聴者が北宋を感じられる音楽設計」に徹底してこだわっているんです♪
Apple MusicやSpotifyでも全曲配信されているので、本編を観終わったあと、ぜひ通しで聴いてみてください。音楽だけで汴京の情景が蘇る、そんな完成度のサウンドトラックになっていますよ。
原作『趙盼兒風月救風塵』との違い & 結末徹底解説【ネタバレ注意】
※ここから最終回の核心ネタバレと、原作との比較を含みます。これから視聴される方は、視聴後に読むことをおすすめします!
本作の原作は、中国文学史に燦然と輝く元の戯曲作家・関漢卿(かんかんけい)の代表作『趙盼兒風月救風塵』。元雑劇(元代の戯曲)の中でも最高傑作のひとつと評される名作です♪
原作『趙盼兒風月救風塵』 ― 関漢卿の元雑劇
関漢卿は13世紀後半に活躍した中国を代表する劇作家。約60編の雑劇を書き上げ、その多くが世界文学全集にも収録されている巨匠です。代表作『竇娥冤(とうがえん)』と並んで、本作『趙盼兒風月救風塵』は関漢卿の”女性を主人公にした傑作”として語り継がれてきました。
原作の内容は、妓女の趙盼兒が、姉妹分の宋引章が悪徳男・周舎に苦しめられているのを助けに行き、機転を効かせて離縁状(休書)をだまし取るというストーリー。たった4幕の短い戯曲で、現代の尺にするとドラマ版の前6話分にしか相当しません。
ドラマ版の大胆な拡張 ― 40話への膨らませ方
つまり、劇版は原作のエッセンスをベースに、残り34話分のオリジナルストーリーを組み上げた作品なんです。どう膨らませたのか、大きく分けて3つの軸があります。
- 趙盼児の背景設定:原作では単なる妓女だった趙盼児を、劇版では「元教坊の楽師で脱藉して女商人になった」という複雑な背景を持つキャラに変更
- 恋愛線の新設:原作には存在しない顧千帆(皇城司指揮使)というオリジナル男主を追加。彼との愛情線が劇版の主軸に
- 三姐妹それぞれのキャリアストーリー:趙盼児の茶館経営、宋引章の琵琶師としての芸道、孫三娘の料理人としての独立。3人それぞれが「自分の力で生きる道」を見つけていく群像劇として再構築
原作のテーマ「女性同士の連帯で男の罠を破る」を軸に残しつつ、「女性の経済的自立」「愛情と仇の板挟み」「皇城司の権力闘争」という現代的なテーマが次々と加わって、厚みのある40話の物語が生まれたわけです♪
大結局 ― 三姐妹それぞれの自立
本作の最大の見どころは、三姐妹それぞれの結末。これが本当にすばらしいんです。
- 孫三娘:ついに鳳冠霞帔(正式な結婚式の正装)を身につけるところまで辿り着く。大事なのは、これが息子のおかげでも夫のおかげでもなく、自らの力で勝ち取った結果だという点
- 宋引章:長年苦しめられてきた賎藉(賤しい身分の戸籍)から完全に脱藉。琵琶師として堂々と名を挙げ、音楽家として独立した人生を歩み始める
- 趙盼児:個人の幸せだけでなく、「天下の女性がもう賎籍で苦しまなくて済む世界を」と願うまでに視座を広げる。銭塘・汴京の茶館経営者として、さらに女性たちを雇って経済的に自立させる側に回る
「女性が男に救ってもらう物語」ではなく、「女性たちが女性たちを救い、自らの手で人生を切り開く物語」として着地する…これが、本作がもっとも評価される理由のひとつなんですよ♪
「留白式結局」 ― 描かれなかった結婚式
そして最大の論争を呼んだのが、趙盼児と顧千帆の結婚式が描かれないという結末。これがいわゆる「留白式結局(空白を残す結末)」です。
趙盼児と顧千帆の間には、最後まで越えられない影がありました。それが「殺父之仇」。顧千帆の実父・蕭相こそが、かつて趙盼児の父の陥れに関わった張本人だったんです。個人的な愛はあっても、家族の歴史がその結合を簡単には許さない…。この業の深さが、二人を「和好したが完全には結ばれない」という宙づりの関係に置いたんですね。
孫三娘と杜長風の盛大な結婚式に参列した二人の、その後のシーンはすべて過去の追憶として描かれます。結婚式は描かれないまま、観客に余韻を残して物語は幕を閉じる…。この演出に「観たかった結婚式を見せてくれ!」という不満が起きた一方、「この結末だからこそ深い」と称賛する声も多く、豆瓣スコアが8.8→8.5に動いた最大の原因になったんです。
どちらの解釈が正解かは視聴者の価値観次第。観終わったあとも考え続けさせる結末という点で、本作は単なるラブストーリーを超えた深さを持つ、2022年の傑作なんですね♪
夢華録 基本情報
配信局: 腾讯视频
原題 : 「梦华录」
原作 : 關漢卿「趙盼兒風月救風塵」
放送開始日: 2022年6月2日
話数 : 全40話
脚本 : 張巍(「後宮の涙」「女医明妃伝」「独孤伽羅~皇后の願い~」)
監督 : 楊陽(「記憶の証明」「将夜 戦乱の帝国」)
コメント
コメント一覧 (3件)
はじめまして。
麗王別姫で初めてこちらのサイトを知り、長編の中国ドラマの思い出しや確認、解らない事がある時、先にストーリーを知りたい時など度々お世話になっております。説明が丁寧で物語の背景や歴史を知るのにとても助かっています。
ところで、夢華録の37話から最終話のあらすじ解説がどうやっても見る事ができません。各話あらすじ一覧をクリックしても30話までしか表示されずに、下方に表示されているものも34〜36話です。37話以降はまだあらずじが完了していないのでしょうか?
お忙しいとは思いますが、返信いただけたら幸いです。
はじめまして。コメントをお寄せいただきありがとうございます。
麗王別姫の頃からご覧くださっているとのこと、とても嬉しいです。長編中国ドラマのあらすじや背景を楽しんでいただけているとのお言葉、大変励みになります。
さて、夢華録の37話以降が表示されないとのことで、ご不便をおかけして申し訳ございません。先日、リンクや表示の不具合を修正し、37話から最終話までの記事を更新いたしましたので、改めてご確認いただけますでしょうか。もしまだうまく表示されないようでしたら、お手数ですが再度ご連絡いただければ幸いです。
今後もドラマあらすじや背景解説を充実させていきたいと思いますので、また遊びにきていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
不具合の修正と丁寧なご回答ありがとうございました。また、返信が遅くなり申し訳ありません。残したはずのコメントがどこにあるか見つからなくなり、ご連絡がかなり遅くなってしまいました。あらすじは最終話まで表示されているのが確認できました。
今は風起洛陽を見ていて、こちらでも確認などてお世話になります。
歴史的背景を調べたり、内容を把握して文章にするのはとても大変な事と思います。どうかご自愛ください。
これからも楽しみにしています。